衆院選2017①

先月28日の衆議院の解散により、
10日公示、22日投開票される今回の衆議院総選挙。

毎回のように野党やマスコミは解散権の濫用などと言っていますが、
これは憲法に定められた内閣総理大臣の特権であり、
内閣不信任案などがなくとも自由なタイミングで解散できます。
もちろん国民や国会にとって意味のある大義は大事です。
しかし、いつも憲法を守れと言ってる人たち
今回は逆の事を言ってる様は滑稽ですw

でも、ほんのちょっと前までモリカケ問題で攻勢を強めていた時は
野党もずっと解散要求していましたよね・・・(;^ω^)
つまり野党は内閣支持率が持ち直した
このタイミングで解散されても勝ち目がないので、
「大義のない解散」「モリカケ隠し」などと批判して
少しでも与党を弱めつけたいのです。
だいたい解散しない限り政権交代できないのですから
野党はこれをチャンスと見て
日頃の努力を最大限発揮すればいいだけなんですがね・・・
まぁ何を言ったところで国民の投票が全てです。
このままロクに安全保障の話し合いもせず、
だらだらとモリカケばかりやってる国会も問題ありますから、
まったく国民にとって意味のない解散総選挙とも言えないのではないでしょうか?

さて、昨年の参議院選挙では
成立した新安保法制、そして憲法改正の是非が争点になりましたが、
今回はどんな争点があるのか?
昨年の参議院選挙の結果
両院ともに与党が改憲の発議に必要な三分の二の議席を確保しており、
民進党は大幅に議席数を減らしたため、改憲の話題は影を潜めています。
また安保法制についても北朝鮮情勢が緊迫する中で
自衛隊への期待も大きいことから何事もなかったかのように穏やかです。

今回の目玉はやはり小池新党「希望の党」でしょう。
民進党は新代表に保守の前原氏が選ばれ、
これまでのリベラル色の強い勢力が一掃されるどころか、
事実上消滅して希望の党に吸収される事となりました。
「民主党」政権の評価が悪く、
イメージを一新するため維新と合併して「民進党」に党名を変えたけど、
それでもダメだからと今度は完全消滅ですw
まぁ、希望の党でも派閥を作り細々と生き残る予定だったのかもしれませんが、
早速、小池都知事からは
「丸ごとの吸収はない、リベラルは排除する」と選別を宣言されました。
リベラルはもう落ちぶれた社民党か
安定の共産党ぐらいしか道がないのでは・・・

という事で戦後初めての保守二大勢力の一騎打ちです。
なので安全保障や憲法改正など多くの政策が共通しており、
なおさら争点が分かりにくくなってます。
唯一、消費税に関しては
安部総理は予定通り二年後の10%引き上げに前向きですが、
小池都知事は増税の凍結を訴えています。
安部総理は増税分の使い道の変更を選挙で問うと言ってますが、
これらも二年後の話なので明確な争点とも言えません。
経済は生き物なのでどうなるか見当がつきませんし
三度目の延期も否定できません。

安部総理においてはモリカケ問題における対応
小池都知事においてはオリンピック会場問題や豊洲問題などにおける対応
政党としてよりも、
こうしたリーダーとしての個人の資質が問われているような気がします。
どちらを信任するか?
安倍政権の政策を継続させるのか?
それとも小池都知事の言うようにリセットするのか?

まぁどう考えても小池都知事の方が分が悪いです。
実際、若狭代表も今回の選挙での政権奪還は難しいと発言してますし、
これも安部総理の戦略でしょうが、完全に準備不足です。
急ごしらえで「希望の党」を作り、
小池都知事の求心力にあやかろうと他党からの合流も相次いでいますが、
これでは昨年の民共合作と同じ選挙のためだけの政党
議席を確保したところで、内部離反や派閥形成など、
政党としてのまともな政策論議などできないでしょう。
それこそ民進党(民主党)の二の舞です。
問題がありながらも着実に実績を積んで
長期安定政権を作り上げてきた安倍政権に対して
これからどうなって行くかもわからない
新政党に投票することのリスクは大きいです。

なにより小池都知事自体、
都民ファーストと訴えて小池旋風を巻き起こしながら
都政では問題を大きくさせるだけで何一つ実績を上げられないまま
新たに国政に関与しようというのは都合が良すぎます。
トランプを真似て国民の不満を元に口先だけでやってきたツケです。
まさに自分ファーストという言葉がふさわしい。
しかし、これまで優れたメディア戦略で政争を勝ち抜いてきた事は事実であり、
小池新党も油断できません。
自民一強への反発反自民の保守も多いですし、
民進党なき今、反自民の事実上の受け皿となっています。
甘い言葉に惑わされてなんとなくの雰囲気でも一定数票が入るでしょう。

憲法改正の議論を加速させるためにも
改憲勢力が増えること自体は良いことですが、
小池都知事の思惑、真意はまだ見えません。
国政政党を立ち上げる以前は都政では反自民だったものの
国政では安部総理に近く協力的でしたし、
手のひらを返した政権批判もただ国政選挙のためという見方もできます。
一方で保守を謳っていながら都政では共産党と協力し、
自公連立に楔を打つため
都民ファーストと都議会公明党の連携を国政でも実現させようと
小池都知事は「首相指名は公明党の山口代表がいい」
公明党に秋波を送っています。
小池新党「希望の党」の登場に対して
増税凍結など政策上同様の立場にいる日本維新の会や、
改憲に消極的な連立与党の公明党の動きも含めて
しばらく政局を見る必要がありそうです。
野党再編ならぬ与党再編が起きるかもしれません。

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