関西から日本を変える。

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日本初の女性総理の誕生

Portrait of the Prime Minister of Japan, Sanae Takaichi.
高市早苗総理大臣
(出典:首相官邸)

10月21日開催された臨時国会にて、首班指名選挙が行われ
第104代内閣総理大臣として高市早苗総理が誕生しました。
史上初の女性総理、そして奈良県初の総理大臣です。
自民党政権の新たな顔として、そして日本初の女性総理として、
その誕生はまさに歴史の転換点となりました。
高市総理の地元奈良は同期議員で同志でもあった安倍晋三元総理が凶弾に倒れた地でもあり、
その奈良から総理大臣が生まれたことに
「運命的な継承」を感じずにはいられません。

高市×維新の「関西政権」

この歴史的な女性総理の誕生に至るまでもドラマがありました。
高市氏が三度目に挑んだ自民党総裁選で
男だらけの候補者の中から前評判を覆し、総裁の座を勝ち取りましたが、
直後に自公連立の解消という
数十年に一度の地殻変動が起こり
高市総裁が総理大臣になれないかもしれないという危機状況が発生。
ただでさえ少数与党でしたが、
組み合わせによっては自民党が野党に下野する可能性も出てきました。
第二党の立憲民主はこのチャンスに、国民民主の玉木代表を担ぎ、
維新の藤田代表にも秋波を送って野党連合による政権交代を目論みます。

しかし政策合意について国民立民の両民主党の折り合いが付かず、
その間に維新が自民との連立協議に入り、野党連合は瓦解、
自由民主党と日本維新の会の連立合意が成立と
日を追うごとに状況が変わる目まぐるしい政治劇が展開されました。

野党連合の代表的な三党は主義主張に明らかに大きな隔たりがあり、
数合わせに過ぎない状況でした。
玉木代表も野田代表に安保法制を違憲とする立憲の主張を改めるよう求め、
維新もまずは両民主党の合意が必要と一歩引いた姿勢でした。
その点、自民党保守派の高市総裁と国民民主、維新の主義主張は
以前連立を組んでいた公明党と比べても親和性が高いものでした。

最初に高市陣営が声をかけていたのは国民民主であり、
前政権時代に両党の幹事長会談を含め、水面下で様々な接触が行われていました。
発表された閣僚人事でも財務大臣ポストが空いたままで
国民民主と連立が成立した際は、
玉木代表が財務大臣兼副総理に任命されるとの噂が広がっていました。
国民民主支持層も与党入りを期待していましたが、
支持母体である連合が連立入りに反対の立場を貫いた他、
立憲の悪魔のささやきで玉木代表も正常な判断ができなくなり、
突如降ってきた総理ポストに色気づき、浮足立って
自民との連立協議も野党連合も煮え切らない態度を取り、
結論を先延ばしにしていました。

一方、日本維新の会は当初、小泉進次郎総裁誕生を想定して
自民党、公明党、日本の維新の会の枠組みでの協力を模索していました。
高市自民の連立協議の打診と野党連合の呼びかけは同時期だったという事ですが、
首班指名まで限られた時間しかない中で、
先に接触を始めていた国民民主を横目に、短時間で合意に漕ぎつけたのは
両党の政策実現に対する熱意があったのはもちろんですが、
「関西弁」という共通言語があったからではないでしょうか?

奈良出身で阪神タイガースの熱狂的なファンとして知られる高市早苗氏、
大阪府知事で維新代表の吉村洋文氏、そして東京にいる共同代表の藤田文武氏。
この3人の関西出身政治家による「関西連立」は、
中央集権的な東京政治に風穴を開ける地方発の試みとなる可能性を秘めています。

万博後の背水の陣

Hirofumi Yoshimura and Fujita Fumitake
日本維新の会の吉村代表と藤田共同代表
(出典:内閣府 地方創生推進室 and Noukei314)

維新にとっても今回の連携は大きな賭けでした
関西中心に支持率を維持し、大阪・関西万博を実現しましたが、
10月13日に閉幕した万博後の目玉政策を欠き、
先の参議院選など「103万円の壁」撤廃を訴える国民民主党に支持が移り、
完全に第三極の立場を奪われている状況でした。

そうした中で、新たな政権への協力は党の存在感を取り戻すための
「背水の一手」でもありました。
ピンチに追い込まれる高市総裁との連立与党入りを
自党の消滅をかけて決断した事は、
保守のホワイトナイトとして維新の株を上げました。
吉村、藤田両代表は優柔不断な国民民主の玉木代表よりも有能に映ったでしょう。

連立与党入りを果たした維新ですが、
大臣を出さず、閣外協力という形を取り政権運営の一翼を担います。
表向きには閣僚人事は総理の専権事項として大臣ポストに拘らない姿勢を示していますが、
政権運営の経験がなく、人材がいないということもあり、
政権批判が起きても、閣外協力だからと行政責任を回避する賢いやり方にも見えます。
短期間での連立協議のため、大枠の合意が優先され、
詳細な政策の合意や選挙協力の締結とまでは至っていないので、
絶妙なバランス感覚と言えます。

オール自民の閣僚人事

The members of Sanae Takichi's first ministerial cabinet
高市内閣の面々
(出典:首相官邸

新内閣の人事は、公明党が離脱し、維新も閣外協力にとどまったことから
「オール自民」で固められました。
執行部人事では後見人の麻生副総裁の影響力が垣間見れたものの
閣僚人事では随所に高市カラーが見えるものでした。

女性総理なのに女性閣僚は二名だとマスコミに文句を言われましたが、
その女性閣僚は注目の人事であり、
財務大臣に選ばれた片山さつきは元財務官僚で
以前までの大臣とは違い財務省の全てを知る人物であり、積極財政派です。
総理自身の経験ポストである経済安保大臣には小野田紀美が選ばれました。
若手のエースのような存在で、まさに高市総理の後継者のポジションです。

また、総務大臣に林芳正、外務大臣に茂木敏充、防衛大臣に小泉進次郎
有力閣僚には総裁選のライバルを全員起用しました。
小林鷹之は執行部人事で政調会長に就任)
小泉氏の防衛大臣就任は一部に衝撃を与えましたが、
横須賀出身で自衛隊との繋がりも濃いという人選で、
自衛隊最高指揮官は総理大臣なので勝手な言動も取れないという名誉職です。
まさに「全員仕事をしてもらう」という総裁就任時の言葉通り、
オール自民党の力を結集し、適材適所に配置した盤石な布陣と言えるものでした。

外交ラッシュ

20251026 Sanae Takaichi 47th ASEAN Summit (26)
外交デビューの場となった日・ASEAN首脳会議
(出典:Cabinet Secretariat

高市首相就任直後の26日に
東南アジア諸国連合(ASEAN)会合へ出席するため、マレーシアを訪問。
参加国の東南アジアの首脳と次々挨拶を交わし、
堂々とした外交デビューを果たしました。
新参者なのに自分から挨拶に行かず椅子でスマホを触り、
外国の首脳が挨拶に来たら座ったままで握手した前総理とは真逆の姿勢でした。
マレーシアの首相やオーストラリア首相との個別会談も行われ、
この会合を皮切りに、
28日、来日したアメリカ、トランプ大統領と対面で初となる日米首脳会談
30日、APEC出席で韓国に飛び日韓首脳会談
31日には日中首脳会談と、まさに外交ラッシュが続きました。

日米首脳会談

Japan-U.S. Summit Meeting 000184120
(出典:首相官邸

2期目としては初となったトランプ大統領の来日で
初日の27日午後に天皇陛下と会談を行い、
翌日に高市総理との首脳会談が行われました。
高市新総理にとって就任わずか1週間で大きな山場です。
基本的には前政権で決まった関税合意を確認するのが中心で、
関心はトランプ大統領から防衛費増額要求の有無でした。
トランプ大統領は同盟国の防衛費の対GDP費5%を求め、
ウクライナ戦争の最前線であるEUに要求を飲ませ、
アジアの同盟国にも求めたいと表明していました。

高市総理は外務大臣に茂木氏を起用し、
経済産業大臣に赤沢前経済再生担当相を任命、
茂木外務大臣は1次政権時代に安倍内閣で日米貿易協定が結ばれた際の担当
トランプから「タフネゴシエイター」(手強い交渉人)と呼ばれた人物であり、
赤沢大臣は日米関税交渉の担当閣僚であり、前政権の引継ぎを兼ねています。
閣僚人事でトランプ対策をしていたのは明らかです。

高市総理は東京タワーやスカイツリー、都庁などを
トランプ来日に合わせて星条旗カラーにライトアップして歓迎し、
会談では安倍元総理とトランプ大統領の蜜月関係を最大限活用
昭恵夫人との面会を設定し、
安倍総理が使用していたゴルフのパターを贈呈するなど
感情に訴えながら懐柔し、
会談冒頭の挨拶では安全保障の抜本的見直し
GDP費2%実現の今年度中の前倒しを表明しました。
これに満足したのか、今回の会談でアメリカ側からの追加要求はありませんでした。

高市総理がトランプをノーベル平和賞に推薦すると発言したことは
国際的なリスクを負う、少しやりすぎなリップサービスな気もしますが、
今回の会談では、ただトランプを持ち上げるだけではなく、
日本の国益という発言が随所にあり、
トランプ大統領のMAGA(Make America Great Again)帽子にあやかって
自身のキャッチフレーズとして掲げたJapan is Backや、
MANGA(Make America & Nippon Great Again)と書かれた帽子が
トランプ大統領にプレゼントされたという事です。

@The White House - JAPAN IS BACK!
両首脳のサイン入りJAPAN IS BACK帽

高市総理はトランプ大統領と共に
大統領専用ヘリ、マリーンワンに同乗し横須賀に移動。
原子力空母ジョージ・ワシントンにて高市総理が演説。
在日米軍と自衛隊に向けて感謝を述べ、
日米同盟のさらなる高みを宣言し、
米兵も歓声を上げ大盛り上がり、強固な日米関係を内外に示しました。

日韓首脳会談

20251030 Sanae Takaichi at the APEC South Korea 2025 (10)
(出典:Cabinet Secretariat

韓国の古都、慶州で開催されたAPECに出席するため
30日に訪韓した高市総理は李在明大統領との初会談に挑みました。
韓国では「女安倍」と言われ、
右翼の政治家として韓国マスコミから警戒されていた高市総理でしたが、
就任会見での韓国記者から日韓関係に関する質問で、韓国からの懸念に言及しつつ
「韓国のりは大好き、韓国コスメも使っていて、韓国ドラマも見ている」と発言したことが
韓国では好意的に受け止められており、
今回の初会談でも未来志向で発展すると言う共通認識で丸く収まり、
シャトル外交の継続で合意。
次は日本での開催となりますが、李大統領は慶州と同じ古都であり、
高市氏の故郷である奈良での会談を提案したとされます。
約20分の予定だった会談も45分まで延長されるなど終始和やかな雰囲気で、
李大統領から高市総理に韓国のりと韓国コスメが贈呈されました。

背景にはホスト国としての面子
日米韓協力の堅持関税交渉の圧力という
トランプ大統領の睨みが効いていたと見られますが、
女性総理という今までにないポジションであり、
高市総理の人柄によるところも大きいと言わざるを得ないでしょう。

日中首脳会談

On October 31, 2025, Prime Minister Takaichi, who is visiting Gyeongju in the Republic of Korea to attend the APEC Summit, held a summit meeting with Mr. Xi Jinping, General Secretary of the Chinese Communist Party.
(出典:首相官邸

31日の中国の習近平主席との会談は最も緊張感のある会談でした。
習近平は高市氏の総理就任に際して祝電を送らなかったとされていますし、
中国強硬派で知られる高市新総理を歓迎していないのは明らかでした。
日本側が会談を打診し、当初は立ち話の時間もないとされていましたが、
急遽、中国側が了承し実現しました。
安倍総理と違い早期に首脳会談が実現したのは
直前の日米首脳会談の成功に加え、中国側の情報不足があると考えられます。

これまでは公明党を通して、
日本政府の情報はある程度入っていたところに
自民右派と維新による保守政権は未知の存在です。
中国自身が日本初の女性総理の手腕や交渉力について
全く糸口がつかめていないと言えます。

高市総理のXに投稿された
APEC議場で挨拶を行った際の写真では互いに笑顔だった両氏ですが、
会談冒頭の両氏は硬い表情で、
特に習近平の顔は第二次安倍政権最初の日中会談とよく似た仏頂面でした。
基本的に戦略的互恵関係を深めていくという方向性は一致。
ただ、高市総理は中国に関する懸念事項のほぼ全てについて言及したという事です。
これは幸先の良い先制パンチだったでしょう。

奈良から始まる関西政権

高市首相の政治信条の根底には、
自身の経済政策として打ち出したサナエノミクスを筆頭に
故安倍元総理への敬意と路線継承の意思があります。

安倍元総理が倒れた地・奈良に由来を持つ高市総理が、
再び保守の旗を掲げたことに象徴的な意味を感じます。
女性であること、奈良出身であること、そして安倍路線を継ぐ者であること。
この三つの要素が、高市政権の個性と方向性を形づくっているように思われます。

奈良といえば観光の象徴・鹿が有名ですが、
近年では外国人観光客によるマナー違反や、鹿への暴行事件が話題になりました。
高市総理も過去にXで言及されたことで知られています。
この問題は単なる観光トラブルにとどまらず、
外国人受け入れ政策や文化保護のあり方を問う出来事として受け止められています。
高市政権はこの課題を、地方が抱える外国人との共生の試金石と捉え、
新設した外国人との秩序ある共生社会推進担当として
小野田紀美経済安保担当相を兼任させ、取り組む意思を鮮明にしていますが
同じく女性であり、かつ外国にルーツを持つ小野田議員を
担当大臣に採用するセンスは素晴らしい人選であると言えます。

関西出身の首相、関西を拠点とする維新との連携、そして大阪・関西万博後の地域再生。
これまで東京一極集中、霞が関に捕らわれた日本の停滞した政治について、
「関西から日本を変える」というテーマは、
これほど象徴的な形で体現されたことはありません。
奈良に生まれ、大阪と連携し、東京で政治を動かし、アジアで存在感を示す
高市政権はまさに地方と中央、
内政と外交を結ぶ新しい政治モデルを体現しています。

高市政権の誕生は、単なる人事ではなく、
日本政治が「東京中心」から
「地方連動」へと移行する歴史的契機となるかもしれません。
高市内閣への国民の期待も非常に高いですが、
まずは良いスタートダッシュが切れたと言えるのではないでしょうか?

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