参院選2016。

昨日公示され、7月10日に投開票される参議院選挙
2015年6月17日に成立した公職選挙法改正により、
選挙権が20歳以上から
18歳以上に引き下げられてから初めての国政選挙となります。

テレビ番組やネットでも連日党首討論が行われています。
党首討論になると相手の揚げ足を取ったり、
有権者にとって目に見える形での優劣をつけたがるので
重要な部分がぼかされて高校生には分かりにくいかもしれません。

自公与党としては第三次安倍内閣での外交実績を経て、
あくまで経済対策、アベノミクスの継続を訴え、
参院の議席を確固たるものにした後に憲法改正の議論を進めたい考えでしょう。

これに対し民共野党はアベノミクスの失敗を訴え、
世論の支持率が低くかった集団自衛権の憲法解釈の変更を引き出して
平和安全法案の廃止、
改憲勢力に憲法改正に必要な三分の二の議席数を取らせない事を目標とし、
憲法改正を選挙の争点にしたいようです。

たしかに自民党としては賛否ある憲法改正を争点にすると
票が割れるので、堅実に経済政策を訴えるのが得策でしょう。
公明党などが言うように争点とするほど
成熟した議論になっていないのも事実ですが、
憲法改正のための法整備は順調に行われ、
今回の選挙権年齢の引き下げも憲法改正を踏まえての事です。

衆院では既に与党が発議に必要な三分の二の議席数を持っているので
参院で三分の二の議席数を取れるかが大きな鍵となります。
実質的に憲法改正は投票の大きな判断材料となります。

改憲勢力は与党である自民党、公明党、
野党ではおおさか維新の会、日本のこころを大切にする党があります。
一方護憲勢力は民進党、共産党、社民党などです。

民共合作はまさにこの点に限って行われた感があります。
まず維新と合併した上に共産党とまで協力するというところが
党としての根本精神を疑ってしまいます。
旧民主党は改憲には賛成していましたが、共産党は断固反対。
民進党は自衛隊を合憲とするのに共産党は違憲であるとし
憲法の完全履行を目指して将来的には自衛隊を解消すると言っています。
共産党は内容はどうあれ一貫した主張をしていますが、
民進党は政局のために政策を変えているとしか思えません。
この安倍政治に反対するという事以外に明確なメッセージが全く見えてこない。

自民党にとって憲法改正は結党精神であり、最大目標です。
その改正案は民主党政権の野党時代に発表されており、
天皇を国家元首と明記し、9条を変更し、自衛隊は国防軍とするとあります。
内容については連立政権を組んでいる公明党とも対立する部分があります。
また参院で三分の二の議席を安定的に確保するには
おおさか維新の会などの野党の協力が必要になるでしょう。

国内世論は9条などの中身はさておき、
憲法改正自体については若干賛成が反対を上回っている状況です。
海外情勢も変わっており、
改正が必要であるという認識はますます強まっています。
しかし、憲法改正は長い道のりです。
公明党やおおさか維新の会などの協力を得て、
改憲派で三分の二の議席数を確保できれば憲法改正の発議が行われます。
ここから改正箇所や条文について国会で議論され、
この詰めの作業が非常に時間がかかると思われます。
できあがった一つの改正案を元に国民投票が行われ、
過半数の支持をもって晴れて新しい憲法の誕生となるのです。

イギリスでスコットランド独立の是非EU離脱の是非など
頻繁に重大な政治判断を迫る国民投票が行われているのを見ると
日本はずっと足踏みをしているように思えてなりません(;^ω^)

明治憲法は薩長によって作られ、
現行憲法はアメリカ(GHQ)によって作られた。
今こそ自分たちの手で自分たちの国の形を決める。
そういう歴史的意義を考えれば
憲法改正という議題は高校生が政治に参画する良い機会だと思います。
明治憲法以前の私擬憲法のごとく
自分たちでオリジナルの憲法を考えてみるのもいいでしょう。
そのためにも歴史を正しくしっかり学ぶ必要があります。

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