ユダヤ陰謀論と田中上奏文

ユダヤ人による世界征服計画のことで
歴史上の出来事が、ユダヤ人の陰謀、策謀のもとに起こったとされる考え、
イルミナティが指示し、フリーメイソンが実行部隊であるとも言われている。
この際のユダヤ人とはもっぱらアシュケナージ系(白人系)ユダヤ人を指す。
ユダヤ人とは何者か?参照)

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シオン賢者の議定書

ユダヤ陰謀論はシオン賢者の議定書(The Protocols of the Elders of Zion)が特に有名。
シオン議定書は1897年8月29日から31日にかけて
スイスのバーゼルで開かれた第一回シオニスト会議の席上で発表された
「シオン二十四人の長老」による決議文とされる会話形式の文書
1890年代の終りから1900年代初めにかけてロシア語版が出版され、
ロシア革命によって世界中に広まった。
1918年、日本がシベリア出兵した際、白軍は皆この本を所有していたと言う。
ユダヤ人による世界征服計画を暴露したとされ世界的なベストセラーとなった。

1905 Velikoe v malom - Serge Nilus - Title page - Facsimile - 1920
ロシア語版の表紙

一般大衆のみならずナチス党のアドルフ・ヒトラー
米自動車大手フォード社の創業者ヘンリー・フォードなどが熱狂的に支持し、
1920年にイギリスでロシア語版を英訳出版した
ヴィクター・マーズデンが急死したというエピソードがこの本に神秘性を加えた。
結果として第二次世界大戦におけるナチズムのホロコーストに繋がったとして
現在では史上最悪の偽書と呼ばれている。

革命前夜のロシアにおいて民衆の不満を皇帝からユダヤ人に向けさせるため
ロシア秘密警察が作成した偽書という説が現在の主流であるが、
当時、ロシア国内のユダヤ人口は全体のわずか1%に過ぎないにも関わらず
実際にロシア革命を主導した
レーニン※、トロツキー、ジノヴィエフなどはユダヤ人であり、
(※母方の曾祖父がユダヤ人)
初期ソビエト政府の80%はユダヤ人であったとされ、
事実上「ユダヤ革命」だった。
共産主義の父と言える資本論を書いたカール・マルクスもユダヤ系であり、
革命の遠因となった日露戦争にもユダヤ資本家は日本に協力した。
そして革命後、ソ連時代にはシオン議定書は発禁本となる。

三角に目という意匠はプロビデンスの目(神の万物を見通す目)と言われ
メイソンのシンボルとされる。

フリーメイソン

フリーメイソン(Freemasonry)は世界最大の友愛団体であり、
16世紀後半から17世紀初頭にイギリス(スコットランド)で誕生したとされる。
もともとは石工組合が前身であったとされ、
職人道具である定規とコンパスがシンボルになっている。

一方で第一次十字軍によって
イスラム勢力から奪還したエルサレムを守護した
テンプル騎士団を起源とする説がある。
エルサレムが再びイスラム勢力に奪われると、
騎士団は本部をパリに移すが
騎士団の悪魔崇拝が明らかになるとフランス国王により追放され、
カトリック教会と対立していた
スコットランド王のもとへ逃げたと言われている。

Square compasses
メイソンのシンボル、定規とコンパス
(出典:MesserWoland)


密室で行われるフリーメイソンの儀式では
ソロモン神殿などの旧約聖書のモチーフを多用するため
ユダヤとの関係が噂されており、18世紀ごろにカトリックから異端とされた。
シオン議定書にもイルミナティと共に世界政府樹立を目論む、
世界革命の首謀者としてその名が記載されている。
その影響力の大きさと秘密主義が陰謀論と非常に相性が良かったと言える。

アメリカ独立とフランス革命

王族を倒した市民革命であるフランス革命
自由・平等・博愛という標語はそもそもメイソンの標語であり、
革命にフリーメイソンが多数関与していた。
フランス革命の延長で行われたナポレオン戦争で
ヨーロッパ中を席巻したナポレオン・ボナパルトもメイソンメンバーである。

Declaration of the Rights of Man and of the Citizen in 1789
フランス人権宣言の版画に見られるプロビデンスの目

またアメリカ独立戦争の勝利により
イギリスから独立を勝ち取った
アメリカの初代大統領ジョージ・ワシントンもメイソンである。
アメリカの歴代大統領にはメイソンメンバーが多い。

歴代メイソン系アメリカ大統領

  • 初代 ジョージ・ワシントン
  • 5代 ジェームス・モンロー
  • 7代 アンドリュー・ジャクソン
  • 11代 ジェームス・N・ポーク
  • 15代 ジェームス・ブキャナン
  • 17代 アンドリュー・ジョンソン
  • 20代 ジェームス・ガーフィールド
  • 25代 ウイリアム・マッキンリー
  • 26代 セオドア・ルーズベルト
  • 27代 ウイリアム・H・タフト
  • 29代 ウォレン・G・ハーディング
  • 32代 フランクリン・ルーズベルト
  • 33代 ハリー・トールマン

あのマンハッタンの自由の女神はアメリカ独立を祝って
フランスメイソンからアメリカメイソンへ送られたものである。
自由の女神の石碑にメイソンマークがしっかり刻まれている。

Statue of Liberty National Monument STLI 02-05
フランスメイソンからの贈り物だった自由の女神
1935年に採用されたアメリカの1ドル紙幣にもプロビデンスの目が描かれている

日本占領

ちなみに日本を開国させたマシュー・ペリー
戦後日本統治の最大権力者となった
ダグラス・マッカーサーもメイソンであり、
日本もメイソンの影響下に置かれたと見るのが妥当であろう。
東京湾に停泊した戦艦ミズーリ艦上で行われた降伏文書調印の際には
マッカーサーがわざわざペリーが黒船に掲げた星条旗を持ち込んでおり、
メイソンの日本占領への執着が見て取れる。

明治維新においても薩長は
メイソン発祥地であるスコットランド生まれのグラバーから資金援助を受けていた。
グラバーがメイソンだった証拠はないが、
現在、長崎にある旧グラバー邸には
長崎ロッジにあったメイソンマークが刻まれた石柱が移築されており、
なんらかの関りがあった可能性が高い。(明治維新ユダヤ陰謀説

現在、奇しくも東京湾に面したお台場には自由の女神のレプリカ、
新宿にはエンパイアステートビルを模したドコモタワー
タカシマヤタイムズスクエアがあり
まるで東京はニューヨーク化しているようだ。

United-Nations-University-03
日本に本部を置く唯一の国連機関、国連大学
13階層のピラミッドと頂上の三角形に囲まれたプロビデンスの目を暗示する設計である
(出典:Rs1421)

ユダヤ人の影響力

議定書の存在をどう見るかはさておき、
アメリカ独立戦争フランス革命ロシア革命
これら全てにユダヤ人の大きな力が働いていたことは紛れもない真実であり、
フランス革命波及戦争であるナポレオン戦争で
莫大な資産を作ったヨーロッパ金融界を支配するロスチャイルド家
世界恐慌を起こしたアメリカ金融界を支配するロックフェラー家
世界一の資本家であるユダヤ系資本。
各国の要人がメイソンに加入している事実。
戦後の中東紛争におけるアメリカとイスラエルの政治的癒着
そして現在イスラエルで行われているパレスチナ政策。
これらの事実の積み重ねが陰謀論の内容に一定の真実性を与えている。

陰謀論を肯定する事は反ユダヤ思想とされ、
ナチズムを賛美するのと同様に受け止められるので
基本的に欧米ではタブーである。
しかし、未だに世界中で根強い陰謀論であり、
現在の中東情勢を読み取る中でも避けて通ることはできないものである。

いずれにしても世界史の過去、現在、未来において
ユダヤが特別な存在であることは間違いないだろう。

田中上奏文

田中上奏文(Tanaka Memorial)は、
昭和初期にアメリカ合衆国で発表され、中国を中心として流布した文書。
第26代内閣総理大臣田中義一が1927年(昭和2年)に昭和天皇へ極秘に行った上奏文とされ、
内容は中国侵略・世界征服の手がかりとして
満蒙(満州・蒙古)を征服する手順が説明されている。

ユダヤに「シオン議定書」があるように日本にも「田中上奏文」が作られた。
日本では偽書とされ、当時中国で流布していることに対して中国政府に抗議したところ、
中国政府は機関紙で真実の文書ではないと報じたが、
その後の日中関係悪化にともない1930年代に中国は反日プロパガンダにこの文書を利用し、
日本は国連などでも答弁を求められるが各国は中国を支持し、
日本は国際社会で孤立し外交的に敗北することになった。
アメリカのプロパガンダ映画にも度々登場し、
ナチスドイツの「我が闘争」に並ぶ日本の世界征服計画と宣伝された。

原文であるはずの日本語文が見つかっておらず
日本の歴史家のほとんどは上奏文としては怪文書・偽書としている。
戦後、東京裁判でも証拠として採用されなかった。
しかし上奏文の内容が実際の日本の大陸政策結果的に通ずる部分があったため、
田中上奏文を本物と考える人は現在でも中国やロシアなど日本国外に存在している。
誰によって何の目的で作られたのか未だに不明であるが、
結果的には日本を敗戦に追い詰めたといえ日本を貶めるものであった。
アメリカ大統領フランクリン・ルーズヴェルト
田中上奏文を信じ込み対日強行外交を続け、蒋介石も上奏文を外交的に利用していた。

陰謀論と真実相当性

シオン議定書や田中上奏文に記された計画の実在性はさておき、
それらが示す内容に一定の真実相当性があると考えられる点で、
陰謀論の存在が支持されることがある。
この意味で、シオン議定書と田中上奏文は性格がよく似ており、
20世紀初頭においてユダヤ人と日本人が
いかに世界から警戒され、時には差別の対象とされていたかを、
この事例からも読み取ることができる。

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