憲法記念日と参議院選挙。

昨日は憲法記念日でした。
現在の日本国憲法が1947年の5月3日に施行された事を記念して制定されました。
毎年この日を前後して
憲法改正についての是非を問うアンケートなどが行われたりしていますが、
今年は岸田内閣下での憲法改正について賛成が44%となり、
反対の31%を上回ったというニュースがありました。
ロシア軍のウクライナ侵攻を経て、
本当に9条で平和が維持できるのか疑念の声が増えてきている事も一因でしょう。
6月22日公示、7月10日投開票と噂される
夏の参議院選挙でも憲法改正が重要な争点になると思います。

当ブログでもたびたび憲法について取り上げています。

日本における憲法の歴史や改憲するべき理由、個人的な草案など大体の事は書いており、
あまり重複する内容は書かないでおこうと思いますが、
参院選挙にまつわる部分で少し語ってみると
まず憲法改正には国民投票の前に改正の発議が必要で、
両院で国会議員の三分の二以上の賛成が必要になります。
これはかなり大きなハードルですが、
GHQは簡単に改正させないためにあえてこうした縛りを付けました。
既に衆院は与党や維新、国民民主などの野党も含め、
改憲に前向きな改憲勢力で3分の2の議席数を確保しており、
今回の参院選挙の結果次第では改憲へ大きく進む可能性があります。

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隠れ護憲派の公明党との連立の限界

しかし問題は公明党が改憲勢力に数えられている事です。
公明党は加憲として付け加える程度の認識で基本的に大幅な変更には反対です。
敵基地攻撃能力の保有や防衛費2%にも反対しています。

憲法改正については2010年の尖閣事件が一つの転機でした。
民主党政権への失望から改憲派の安倍政権が返り咲いたはいいものの
結局、改憲勢力が両院で三分の二の議席を保持していた時でさえ
憲法改正の発議がされず、
解釈改憲でとりあえず新安保法制を整えた状態でした。
この要因も連立を組む公明党との関係があるのでしょう。
自民党草案の内容や解釈改憲と言う強引な手法を取ったことから
安倍政権下での憲法改正に反対する学生運動SEALDs
立憲主義を謳う立憲民主党などの政治勢力が生まれ、
安倍総理も2020年の施行という目標を掲げつつも
9条の2項を削除せずに自衛隊を明記するという
公明党の加憲に沿うようなトーンダウンした主張に切り替わっていました。
結局、コロナ騒ぎのうちに安倍政権が退陣し、
安倍政権下での改憲は行われませんでしたが、
図らずもコロナのパンデミックロシアのウクライナ侵攻によって
憲法改正に向けて時勢が傾いてきた感があります。
現実的な脅威が高まっていることは明らかであり、
安倍政権後期のように焦って消極的な改憲に留まる必要はありません。
緊急事態条項安全保障の問題について今ほど議題にしやすい時はありません。
自民党は結党以来の自主憲法制定と言う党是に立ち返って
まずは公明党との関係を清算する必要があるでしょう。

衆院では維新が躍進し、公明党の議席数を上回りましたし、
また都政では都議会公明党の方が先に都議会自民党を裏切って
都民ファーストと連立を組んだ前科があります。
参院選の結果次第というところですが、
本気で憲法改正を目指すのなら公明党との関係を考え直す必要があるでしょう。
9条2項を残して自衛隊を明記する方法では憲法学上の矛盾は解消されません
そういった曖昧な改正で再び自衛隊を固定化してしまう方が問題です。

自民党草案について

また護憲派は自民党の草案を批判しますが、
これがそのまま新しい憲法となるわけではなく、
あくまでたたき台だという認識が必要でしょう。
改憲派の中でもその中身については様々です。
改憲の中身については時間をかけて調整していく事になりますが、
これこそ団体に限らず個人でもより多くの人から
民間憲法改正案が出されることが理想です。
それが世論として改憲の機運を高めていく事に繋がっていきます。
一度国民投票で否決されれば早期の改憲は難しい。
なので自民党も国民投票を通らないような改正案を出すはずがありません。
いずれにしても憲法を一字一句変えてはならないという
共産党のような主張は無理筋であるのは明らかです。

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