日蓮主義

日蓮主義とは日本仏教における日蓮の法華経至上主義の理念を、
国柱会の創設者・田中智学と顕本法華宗元管長・本多日生を中心に
明治期に近代主義的に体系化した仏教思想である。
国家神道時代にありながら
民族主義的時世との相乗効果で昭和前期に勃興した。

田中智学
日蓮主義を唱えた田中智学
(出典:Sycomore)
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歴史

明治維新当時、新政府は当初、
ヨーロッパ型のキリスト国教制を模倣とする神道国教化を目指し、
神仏習合された神社仏閣を分離するため廃仏毀釈を行うが、
仏教の影響力は以前強く、この試みは失敗した。
新政府はアメリカ型の政教分離制度を選択し、
今度は神社の非宗教化を目指して独特な「国家神道」が形成された。

一方の田中智学の国柱会は日蓮主義を唱え、
法華経日本の国教にして日清日露戦争と対外戦争を経て行く中で
世界を法華経化させる事を訴えて八紘一宇を掲げた。

国柱会は古神道の影響を受けて、
皇室に法華経の帰依を求めるスタンスから
国家神道に迎合して天皇本仏論を認め、
天皇を本仏とする事で国体の存在を認めたため、
かえって大本教など神道系新宗教のような大規模な弾圧を受けなかった。

宮沢賢治石原莞爾など各界の著名人が国柱会に参加し、
日蓮主義は大東亜戦争前の混沌とする世界情勢の中で日本人の精神的支えになり、
「八紘一宇」が日本の大陸政策のスローガンに採用されたり、
石原莞爾が中心となった関東軍による満州事変満州国の理想)や、
社会主義者でありながら日蓮主義者でもあった北一輝の思想に感化された
陸軍皇道派の青年将校による2.26事件(昭和維新)
など近代日本史に多大な影響を及ぼした。

Miyazawa Kenji
Kanji Ishiwara2

国柱会に所属していた宮沢賢治石原莞爾

Kita Ikki
日蓮主義者であり社会主義者でもあった
北一輝

思想の右左に関わらず、その積極的な行動性が特徴であり、
政教分離の立場から変化を遂げた国家神道に対して
イスラム原理主義にも似た政教一体の志向が見て取れる。

戦後、国家主義がGHQの手により解体されたため
日蓮主義の信仰基盤は崩壊したが、
神道指令によって国家神道が否定されたことで、
本門佛立宗を初め多くの仏教系新宗教が誕生した。

中でも日蓮正宗から分離した創価学会は日蓮主義を形を変えて継承し、
政治・経済・文化・芸術など広く一般を教化し信者を獲得した。
公明党の結成で政界にも進出、1999年以来自民党との連立与党になり、
またもや権力側に立っている。
政教分離に反するこの事実は菊タブー同様に鶴タブーと言われている。

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コメント

  1. patton より:

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    はぁ~~。私が尊敬する石原莞爾が国柱会に入っていたとは~~
    真実とは時に残酷である。
    しかし創価学会の源流とはいえ、
    意味合いは創価学会とはかい離しています。
    現在でも田中智学が唱えた日蓮主義は残っているようですが
    カルトにだけはなってくれるな。

  2. マンマルX より:

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    > pattonさん
    戦前の国柱会と現在の創価学会は
    国立戒壇論や政治との関わりという点で非常によく似ていますが、
    国柱会は日蓮宗(身延派)を源流とし
    創価学会は日蓮正宗(富士門流)を源流としているので
    厳密にはほとんど繋がりはなく、
    国柱会の教義を創価学会がパクったというのが正しいです。
    国柱会は釈迦=日蓮=天皇という解釈をしていて
    当時としては融和的な発想でした。
    法華経による世界統一という過激な主張ではありましたが、
    国体を否定していたわけでもなく、戦争には一貫して反対していました。
    今も国粋主義的主張を変えてはいませんが、
    戦後は日蓮聖人門下連合会を主催して
    一致派の身延山日蓮宗を始め勝劣派の日蓮宗派もこれに参加するなど
    日蓮宗派の連携を目指しています。
    一方の創価学会(日蓮正宗)は日蓮本仏論(池田大作本仏論)であり、
    日蓮聖人門下連合会にも所属しておらず、他の日蓮宗から孤立した状態です。
    天皇に対しても「一人の人間」という立場で肯定も否定もせず・・・
    このように中身には大きな違いがあります。
    国柱会への批判は関東軍などと一緒にされているきらいがありますし、
    創価学会への批判とは少し異質な気がします。

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