ユダヤ人とは何者か?

Jerusalem - The Old City - 033 (4260809497)
エルサレム、嘆きの壁(出典:Kyle Taylor from London, 84 Countries)

ユダヤ人のイメージと言うと思い浮かべるのは黒装束で黒い帽子をかぶり
もみあげと髭を伸ばし「嘆きの壁」に手をつき祈りを捧げる姿と、
ナチスの迫害という歴史的背景だろう。
日本人にとって遠い存在に思えるユダヤであるが彼らは何者なのであろう?
このユダヤというものを正しく認識しなければ中東紛争もなかなか理解できない。

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様々なユダヤ人の定義

  • イスラエル人=現在のイスラエル国籍を持つ人々、または古代北朝イスラエル王国の人々
  • ユダヤ人=現在のユダヤ教信者、または古代南朝ユダ王国の人々
  • ヘブライ人=イスラエル王国とユダ王国を合わせた古代ユダヤ民族の総称
  • シオニスト=イスラエル建国を実現させたシオニズム運動の支持者(反アラブ人強硬派)
  • パレスチナ人=パレスチナ地方に住むアラブ人(≠ユダヤ人)シオニストと対立

ユダヤという言葉の示す範囲は非常に広く血統や民族ではなく
ユダヤ教を信仰するユダヤ教徒を指すことがある。
日本人でもユダヤ人である場合もあれば、
逆にイスラエル人であってもユダヤ人でない場合もある。
またユダヤ人であってもシオニストでないケースもあれば
パレスチナ人でありイスラエル人のケースもある。

血統という意味で言えばさらに2つのユダヤに大別できる。

  • アシュケナージ系ユダヤ人=白人系(ハザール人?)
  • スファラディ系ユダヤ人=アラブ系(純血)

(少数だがアフリカ系も存在する)

ユダヤと聞いてまず思い浮かべるのは白人系のアシュケナージ系である。
アインシュタイン博士やスティーブン・スピルバーグ監督、
デーブ・スペクターもアシュケナージ系である。
一般的に110~115など高いIQを持ち、
ノーベル賞受賞者世界中の民族の人口比で150倍も多いとされる。

しかしイエス・キリストや聖書に出てくる
ユダヤ人(ヘブライ人)はスファラディ系である。
ここに「人類史上最大の嘘」がある。
西洋画などで白人風に描かれるイエス・キリストも
白人でなくアラブ系の顔つきをした
オリジナルのスファラディ系ユダヤ人だった。

だが、現在イスラエルの中枢にいるユダヤ人は
白人系のアシュケナージ系ユダヤ人である。
オリジナルであるスファラディ系は世界中に離散しており、混血が進んでいる。
スファラディ系の著名人はピーター・ドラッカーやニール・セダカがいる。
イスラエル国内でスファラディ系は少数派であり、
アシュケナージ系から差別を受けている現状がある。

ナチズムのアーリア至上主義の最下層に置かれたユダヤ人たちだが、
迫害を乗り越え建国したイスラエル国には現在、
東欧系>アラブ系>アフリカ系というピラミッドが存在している。

偽ユダヤ人はどこから来たのか?

イエスがスファラディ系ユダヤ人であったように
中東を舞台にした聖書に出てくるユダヤ人は皆スファラディ系であり、
そういう意味では今支配層にいる
アシュケナージ系は偽ユダヤ人とも言える。

彼らは7世紀から10世紀にかけて
カスピ海の北からコーカサス、黒海沿いに栄えた
遊牧民族のハザール王国の子孫であるという説がある。
ハザールはビザンツ帝国のキリスト教勢力と
イスラム帝国のイスラム教勢力に挟まれたため
国家戦略としてその両方の宗教の母体であったユダヤ教に改宗した。

その後、ハザールはロシア人国家に滅ぼされ、ロシア国内や欧米諸国に散りつつも
コミュニティを作ってユダヤ教を堅持した。

ユダヤ人=ユダヤ教徒という定義に当てはめれば立派なユダヤ人である。
しかし彼らはオリジナルよりも信仰熱心なユダヤ教徒であり、
スファラディ系はイスラムとの共存が可能だったのに対し、
アシュケナージ系は選民思想を根強く持ちイスラムを拒絶した。
反ユダヤ思想はこの選民思想の反動とも言える。

彼らがそのままシオニストとなり、宗主国であったイギリス相手にテロを繰り返す中で
第二次世界大戦におけるナチスの迫害を乗り越えた後に
聖書における約束の地カナン(パレスチナ)に祖国イスラエルを建国する事になる。

ユダヤ迫害の歴史

Stroop Report - Warsaw Ghetto Uprising 06b

ユダヤの迫害というと第二次世界大戦のアドルフ・ヒトラー
ナチスドイツの行ったアウシュビッツに代表されるような
ホロコーストのイメージがあるが、
そもそもユダヤ迫害はヒトラーに始まったわけでなく、
西洋世界で歴史的に繰り返されたものである。

なぜ西洋世界でユダヤ人が迫害され続けていたのか?
理由は意外と単純で、イエスを殺した民族だからだ。
そもそもユダヤ教というユダヤ人の民族宗教は
キリスト教を生んだ土台であり世界宗教の母的存在だが、
ユダヤ教はユダヤ人のみが神に選ばれた祝福の民である
という独善的な選民思想があった。
そしてユダヤ人だけでなく
全ての人々に救いを与えようとしたのがイエスというユダヤ人だった。
イエスは反発したその他大勢のユダヤ人によって
異端とされ磔にされ処刑された。
この出来事が後にキリスト教を国教として認めたローマ帝国の流れをくむ
西洋世界でユダヤ人という少数民族が迫害される根本原因となった。
イエスが多数のユダヤ教徒に迫害されたように・・・

一方でイエス自身もユダヤ人であるため、
最後の預言者としてアラブ人のムハンマドを崇拝するイスラム教に対しては
キリスト教、(白人系)ユダヤ教ともにこれを認めず宗教対立となっている。
これは現在の中東紛争の構図を見ればわかるだろう。
イエスはスファラディ系(アラブ系)なので奇妙な構図に見えるが、
イエスは白人であるという嘘がまかり通っているためだ。
過激派のテロばかり取り上げられ、
欧米やイスラエルから非難されるイスラム教だが、
旧約、新約聖書もコーランと共に聖典とされ、
イエスキリストも預言者の一人として認められており、
イスラム帝国の政策を見てもユダヤに対して寛容だった。

中世以降からヒトラーのナチスドイツの時代まで、
迫害の目に合ったユダヤ人はアシュケナージ系が多かった。
なぜならスファラディ系はコミュニティをあまり作ることなく、
西洋から逃げるように新大陸や
アジアなどに散り散りになって現地の人や文化に溶け込み吸収されたが、
アシュケナージ系は東欧を中心に住み、混血を良しとせず、
強力なコミュニティを作り、ユダヤ教を頑なに守ったからである。

またシェークスピアの「ベニスの商人」に出てくる
シャイロックに象徴されるように、
中世ヨーロッパにおいてユダヤ人は高利貸しを主な生業としていた。
他人に貸した金から利子をとることはキリスト教が禁止していたため
ユダヤ人は欲深い罪人という悪いイメージが作られてきた。
ユダヤ教はキリスト教と違い他宗であれば利子を許されていた。

こうして現在の銀行システムを築き上げたユダヤ人は世界の金融を支配した。
イギリスのロスチャイルド家
アメリカのロックフェラー家などがその代表格であり、
フリーメイソンなどのユダヤ系結社はアメリカ独立、
さらにはフランス革命、ロシア革命にまで関与するほどの巨大な勢力となる。
明治維新ユダヤ陰謀説参照)

これらの出来事から反ユダヤ思想がますます盛んとなり、
いずれユダヤ人が世界を支配するという陰謀論が巻き起こった。
シオン賢者の議定書とロシア革命参照)
第一次大戦後、ドイツは天文学的賠償金を負わされたが、
それによって私腹を肥やしたユダヤ人にヒトラーは敵意を持った。
ナチスのユダヤ迫害の根拠もここにある。

多くのアシュケナージ系ユダヤ人がいた
ヨーロッパは二度に渡る世界大戦が起こるが
その中でスイス永久中立国として戦災に巻き込まれなかった。
スイス第二の都市ジュネーブには国際連盟の本部が置かれていた。
それにはカラクリがある。
スイスは世界中の大富豪がお金を預けている
スイス銀行を有する国際金融国家でもある。
つまり戦争を起こす一方でユダヤ資本を守るため
誰も手を出すことのない中立国が必要だった。
しかし、第二次大戦では独立の担保としてナチスに協力し
一般のユダヤ難民の受け入れは拒否していたと言われている。

あまり知られてないが、
大戦前は欧米でも経済に苦しむドイツに同情的で
アメリカではナチスは人気のある政党だった。
一方のナチスのユダヤ人迫害はほぼ無視されていた。
連合国側でもユダヤ人の入国は厳しく制限され、
唯一国家としてユダヤ人に救いの手を差し伸べたのは日本だけと言われている。
日本はナチスドイツと同盟国であったが、
八紘一宇の国是を守り全ての人種を平等に扱った。

今のようにユダヤ人虐殺が
問題として取り上げられたのは戦後になってからである。
「悲劇の民族に安住の地を」というスローガンを与え、
イスラエル建国のための宣伝材料として利用された。

世界最大の経済都市ニュー・ヨークが「ジュー・ヨーク」と揶揄されるように、
アメリカの経済がユダヤ資本で成り立っていることから、
第二次世界大戦後、アメリカの力により人工国家イスラエルが建国された。
そこには石油利権も複雑に絡んでいるが
ユダヤ人が大量に入居し、
長らくパレスチナの地で暮らしていたアラブ人が迫害され
土地を追われ多くのパレスチナ難民を生んだ。
アラブ諸国はイスラエルを認めずユダヤを追い出すために中東戦争が起こり、
現在に至るまで中東は政情不安となっている。

以上のことからアラブ諸国では未だに反ユダヤ思想がある。
日本は政治的に中東紛争では中立の立場であるが、
ユダヤの影響が欧米に比べて少ないため陰謀論が根強い。

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