天皇の国際的序列。

天皇陛下(emperor)≧ローマ法王(Pope)>英国女王(Queen)>
アメリカ大統領etc(president)>日本国首相etc(premier)

という国際序列がネットで散見され、
右派中心に出回ってるのを見て違和感を感じていたので図面にしてみた。

強調されるのは現在Emperorと呼ばれるのは
日本の天皇陛下のみという事です。(これは事実)
なので天皇家は世界一権威があると言うのです。

emperor≧Pope>King(Queen)>president>premierという
序列自体は基本的に正しいと思いますが、
日本の天皇というのは明治以前から存在している訳で
伝統的な日本社会における序列
国際標準である西洋的な序列は本来別に考えるべきですが
近代入り対外的に「Emperor」を名乗り、
大日本帝国を名乗った事で、混同されていると思います。

実態はこちらだと思います。

徳川将軍は対外的に「King」を名乗っていたので
その上位の天皇を「Emperor」と表現するのは納得できますが、
これは国内事情でしかありません。
征夷大将軍の地位は西洋的概念に当てはめるとKingではなく、
「president」程度であり、天皇も「king」でしかないのが実情でしょう。

明治維新により武家政権は終焉し、
明治時代は薩長土肥による藩閥政治がありましたが
大正に入り大正デモクラシーを受け、
普通選挙が始まり議院内閣制が整備されていきます。
故に大統領(president)のような強力な権限を持つ役職は無かったのですが、
日本の歴史に唯一存在するとすれば、戦後のマッカーサ将軍でしょう。

大東亜戦争時代のタイ王朝など
日本の占領下にあったアジア諸国であればまだ理解ができますが、
日本の天皇家の支配をイギリスの王朝が受けたわけでもありませんし、
ヨーロッパ王朝とは歴史的接点が薄いので、
英語の言葉だけ切り取ればそうですが、
イギリス王室よりも皇室が上位というのは強引です。

天皇はカトリックの最高位の祭司であるローマ法王と同様に
神道における最高位の祭司でもあるため、
天皇(Emperor)は(Pope)の役割を兼ねているとして
ローマ法王と同等、それ以上の権威と言われていますが、
これも無理やり西洋的概念に結びつけるために出来る誤解です。
カトリック教のローマ法王と単純比較できないでしょう。
神道とカトリックの信者数を考えた時、影響力の差は歴然です。
「信者数じゃない歴史だ」という人もいるでしょうが、
何を基準とするかが曖昧だと言えます。

はっきり言えるのは天皇はNo.1ではなく、only.1だという事です。
いろいろと言いましたが、
天皇家が世界最古で最長の王朝であることには変わらないし、
唯一無二の存在だからこそ尊敬すべき対象であることには変わりありません。
皇室の尊敬に繋がるだけであれば良いのですが、
この説をまるまる信じて海外で発言すると顰蹙を買いかねない。(;^ω^)
王室間では友好関係があっても
海外では悪魔同等に考えられている場合もありますし、注意が必要です。

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