自民党総裁選2025。

10月4日、石破総裁の後任を決める自民党総裁選が行われ、
高市早苗衆議院議員が当選し、初の女性総裁が誕生しました。
初の女性総理誕生の可能性が高まった瞬間です。

Sanae Takaichi 2025
高市早苗総裁
(出典:内閣官房内閣広報室
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選挙戦の動向

9月7日、党内で高まる総裁選前倒し要求を受け、
日米関税合意により、一定の区切りができたとして、石破総理が退陣表明。
任期途中での退陣の場合、
国会議員のみで次の総裁を決める簡易型で選挙を行う事がありますが、
自民党は昨年から衆院、参院、都議選と大型選挙で連敗中であり、
民意を反映するために、党員、党友も含めたフルスペック型で選挙を行いました。

高市早苗前経済安全保障相の他、昨年の総裁選に続いて
小泉進次郎農相、小林鷹之元経済安全保障相、林芳正官房長官、茂木敏充前幹事長、
合計5人が立候補しましたが、
当初より高市氏と小泉氏の一騎打ちになると見られていました。

小泉氏が当選すれば、岸田石破ラインを継承、
リベラル路線が続いて、自公+維新の国会運営でまとまると考えられ、
高市氏が当選すれば、安倍路線の復活、
アメリカのトランプ大統領とも親しい麻生氏の復権など、
目に見える自民党の保守回帰となり、
国会運営では積極財政の国民民主との協力を仰ぐ形に進むと考えられました。

ただ、新聞テレビなどの大手マスコミは
農林水産大臣就任以来、『コメ大臣』として令和の米騒動に対応する
小泉進次郎を評価する論調が増えており、
選挙戦が始まると目に余る進次郎上げ高市下げを繰り返していました。
党内で石破おろしの兆候が見えると熱心に石破政権の支持率急上昇を報道したり、
オールドメディアがリベラル路線の延長を望んでいるのは明白でした。

一方で、ネットでは以前より高市早苗の人気が高いのですが、
その牙城であるニコニコ動画などの選挙特番で
小泉陣営が小泉推し、高市バッシングのコメントを要請する
ステルスマーケティングをしていた実態が文春により暴露され、
続けて小泉氏のお膝元である自民党神奈川県連
投票資格を持つ党員の数を訂正してたことが報道されました。
高市氏を支持する党員を勝手に離党させたとも言われています。
潮目が変わり、小泉を持ち上げ続けることが難しいとなると
今度は林官房長官が猛追と報道され、
なんとしても高市氏を勝たせたくないマスコミの意図が見え見えでした。

高市氏は前回の総裁選1回目の投票でトップだったものの
岸田派の投票行動によって2回目の決選投票で
石破茂に逆転された経緯があります。
今回も選挙前から党員票では高市氏が健闘するが、過半数には届かず、
決選投票では国会議員票のみで争われるため
結局、国会議員の支持が厚い小泉氏が逆転すると見られていました。

小泉陣営には昨年の総裁選で戦った加藤勝信河野太郎が加わり、
同じ神奈川選挙区の菅義偉を始め、岸田文雄石破茂など
歴代総理経験者の支持を受けるなど、圧倒的な支援を受けていたのです。

麻生太郎の復活

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麻生副総裁
(出典:Pollyanna1919

自民党で唯一、派閥を残した麻生太郎最高顧問の動向が注目されました。
前回は高市氏を応援しましたが、岸田元総理の策略によって
麻生内閣時代に「麻生おろし」を起こした張本人である石破茂が逆転勝利。
石破総裁は麻生氏を30年ぶりの「最高顧問」に任命しました。
実権の無い名誉職とも言われており、事実上の引退勧告を与えました。

麻生氏は当初、投票先について明言を避けていましたが、
決選投票でついに動き、「党員票が多かった方に入れろ」
高市氏の支援に回り、高市勝利の立役者となりました。

高市総裁による党役員人事で麻生最高顧問は副総裁に返り咲き、
鈴木幹事長他、麻生派の議員が執行部の多数を占め、
まさに短命に終わった麻生内閣の復活と言えました。
総裁選を戦ったコバホークこと小林鷹之氏政調会長に、
裏金議員の一人だった萩生田光一氏幹事長代行に就任しました。

自公連立の終焉

自民党は少数与党ではありますが、比例第一党であり、
連立を組む公明党の議席数を考えると
臨時国会で行われる首班指名において
初の女性総理誕生は硬いと考えられました。

しかし、総裁選中より公明党は
「私達の理念に合った方でないと連立政権を組むわけにはいかない」と、
暗に高市総裁では連立は難しい
自民党に小泉を選ぶようプレッシャーを与えていました。
結果として高市総裁に決まりましたが、
それでも国土交通大臣のポスト、関連する利権は捨てがたいと
政権与党に残留するだろうという見方が支配的でした。
高市総裁も引き続き自公連立が基本と発言しており、
安定的な国会運営のために
国民民主連立参加を含む協議が水面下で行われていました。

7日、公明党の斉藤代表は高市総裁との党首会談で
靖国参拝をはじめとする歴史認識、外国人排斥問題、政治とカネ問題
3つの懸念点を伝え、話し合いの場が持たれました。
歴史認識と外国人排斥については妥協点を見いだせたものの
政治とカネの問題が未解決とされました。

強気だった公明党が自民党に歩み寄るような姿勢を見せたため、
連立協議は楽観視されたものの、
10日の2回目の会談で公明党は突如として
この場で公明党案の企業献金規制を飲むように迫りました。
高市総裁と鈴木幹事長は「一度持ち帰りたい」と申し出ましたが、
斉藤代表「対応が不十分」と一方的に連立離脱を告げました。
こうして26年に及ぶ自公連立が終焉を迎えました。

高市総裁に就任早々、
総理になれないかもしれないという最初の試練が訪れたのです。

公明党と中国の影

既に都議会では2回に渡り、
公明党側から自民党との協力解消を宣告しており、
公明党の風見鶏的な姿勢について当時から厳しく批判してきましたが、
ついに国政でも公明党側から一方的な連立離脱表明となりました。

そして、今回の連立解消を巡る斉藤代表の一連の言動によって
明確に公明党が日本のガンであったと判断できました。

そもそも自民党よりも議席数の少ない公明党が
自民党総裁に注文を付けるという事自体、
礼節を欠いていると違和感を感じていました。
公明党の言い分としては連立を組む自民党旧安倍派の裏金問題
議席減少の原因だと恨み節なわけです。
斉藤代表は自民党総裁が高市早苗でなくても
連立離脱の結果は変わらないと発言したそうですが、
ではなぜ高市総裁に決まったこのタイミングなのでしょうか?

斉藤代表は高市新総裁との会談前の10月6日に
国会内で中国呉江浩駐日大使と面会していました。
会談の内容は公表されていませんが、どう考えても不自然です。
政治とカネ問題はもっともらしい言い訳に見えますが、
小泉候補も企業献金規制には積極的ではないので建前でしょう。
斉藤代表が高市総裁に突き付けた
靖国参拝をはじめとする歴史認識、外国人排斥問題。
少なくともこの2点は中国の意見そのものだったのではないでしょうか?
参政党をはじめ、日本国内で保守勢力が台頭している状況、
高市氏やコバホークが掲げるスパイ防止法案について、
中国が警戒しているのは間違いないでしょう。
高市総裁に対する懸念点は中国共産党の見解を代弁しているようにしか思えません。

今回、公明党が事実上の中国共産党日本支部であったと判明しました。
日本共産党は名前が似てるだけで、そこまで親中ではない。
実は最も親中なのは公明党であり、次いで自民党なのです。
中国にとって最も都合が良い日本の政体が自公連立政権だったのです。
公明党の後ろにいるのが創価学会、
創価学会の後ろにいるのが中国共産党です。
1999年の小渕内閣以来、公明党が与党に参加する事で
日本が右傾化しないようコントロールしてきました。
公明党は高市を総理にしないために連立離脱をしたという事でしょう。

野党の動き

第二党の立憲民主党が自公連立解消の発表を受け、
議席数の組み合わせによって政権交代の可能性が高まった事で
首班指名の野党一本化に乗り出し、国民民主、維新に秋波を送っています。
「首班指名は野田代表に拘らない」「玉木代表や藤田代表も有力候補」と発言。
また共産党、れいわにも声をかけており、
これでは政権交代して何がしたいのか何も見えません。
自公連立と何ら変わらずただの数合わせでしかない。
有権者にとって何のメリットも無いことは目に見えています。
民主党、社民党、国民新党の連立で始まった
民主党政権誕生時の悪夢が脳裏をよぎります。

幸い、国民民主は基本政策が一致しないと立憲民主との連立に否定的ですが、
玉木代表は「総理になる覚悟はある」
突然舞い込んだチャンスに浮足立っている状況。
維新国民と立憲の連携ありきと一定の距離を取りつつも、
与党入りに関してはやぶさかでない様子。
恐らく、野党は候補を一本化できず、
首班指名ではそれぞれ自らの党首を書く可能性が高いので、
逆風の中でも比例第一党の自民党、高市総裁が総理に決まると予想しますが、
立憲が首班指名で一方的に「玉木代表」の名前を書くかもしれませんし、
連立を離脱した公明党が高市総理阻止のために野党協力に動く可能性もあります。

国民民主と維新の政策は立憲よりも自民党に近いものがあり、
総裁選前から自民党は両党と接触を繰り返しています。
自民党と協力する道を選ぶか、政権交代を選ぶか
次の総理を決めるキャスティングボードを握っているのは
この2党であると言っていいでしょう。

まとめ

私は自公連立については度々批判をしてきた立場であり、
この度一挙に連立解消に進んだ結果に、多くの保守派と同様に喜んでいます。

国家観や憲法改正、安全保障など
思想信条の違う政党同士が権力を維持するために集まり、
自らの主義主張を曲げて妥協を重ねてきたのがこの26年でした。
そしてこれはそのまま失われた30年と一致しています。
自公連立はまさに数合わせのための談合でしかないのです。

史上最長となった安倍内閣において、自民党単独過半数であった時でさえ、
自民党結党以来の党是である憲法改正について発議は行われませんでした。
これもすべて憲法改正に反対する公明党との連立関係があったからです。
連立が解消されれば
真にやりたい政策に則った行動が行えるようになるでしょう。

公明党の票を失い選挙への影響に狼狽える自民党議員や、
民主主義を真っ向否定する「総裁選のやり直し」を訴える議員も出ているようですが、
他党の組織票に頼っているような議員は落選して当然であり、
私としては例え、結果的に高市総裁が総理に選ばれなかったとしても
自民党にとっても、公明党にとっても、
両党の支持者、有権者にとっても連立解消は良い事
だと思います。
高市総裁は総裁になるだけで早速大きな仕事をしてくれました。

仮に高市総理が総理に選ばれて解散に打って出れば
単独過半数を占めるほどの議席数回復も夢ではないと思います。

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