池田大作氏の死去。

創価学会の池田大作名誉会長が11月15日の夜、
東京 新宿区の居宅で老衰のため亡くなりました。
95歳でした。ご冥福御お祈りします。

DaisakuIkedaTokyoMay2010
池田大作名誉会長
(出典:Rukomii

率直な感想は失礼ながら「生きてたんだ」です。
近年は表舞台に立つことが減っており、死亡説が流布されていました。

池田氏は19歳で創価学会に入信し、布教活動と組織拡大に奔走、
1960年に32歳の若さで第3代会長に就任しました。
公明党の前身となる政治団体公明政治連盟を立ち上げ、
創価学会インターナショナル(SGI)を結成し、平和運動や国際交流に努めました。
まさに池田大作会長の代で創価学会は日本を代表する強大な宗教団体へと成長しました。
1979年に会長を辞してもなお最期まで名誉会長として存在感を発揮。
強烈なカリスマ性があったことは否定できませんが
創価学会はかつて所属していた日蓮正宗の日蓮本仏論をも超える
池田大作本仏論(池田大作の個人崇拝)に進むなど
こうした学会のカルト性や強引な勧誘は以前より問題になっていました。

2022年に安倍元総理が凶弾に倒れる原因となった
自民党と旧統一教会との癒着が公にされる事で
政治と宗教の問題が提起され、
創価学会を母体とする公明党にも厳しい目が向けられることとなりました。

幸福の科学の大川隆法氏も今年の2月に66歳の若さで急死しましたが、
旧統一教会の解散命令請求もありましたし、
2023年は新興宗教にとって大きな節目となる年になりました。
創始者(開祖)や指導者の死は全ての宗教が通る道であり、
ここからが新興宗教が既成宗教に転換できるか、衰退するかの分かれ道でもあります。

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自公連立への影響

「大衆とともに語り、大衆とともに戦い、大衆の中に死んでいく」
という池田大作会長による結党理念に反して
現在の公明党は国政で自民と組みながら
都議会や東京選挙区では自民との協力関係を解消し都民ファーストと連携するなど、
権力の近い方に靡く風見鶏的な姿勢を見せており、
こうした態度が公明党の政党としての信念に疑問を集める要因となっています。

自民党の党是である憲法改正について公明党は慎重な姿勢を崩しておらず
緊迫する海外情勢についても防衛費2%への引き上げや
対地攻撃能力の保持など、これら自民党の政策に反対しています。
政策が一致しないのに20年以上も連立を組んでいたのは
自民党にとっては
創価学会の求心力、組織票が目的であるし、
公明党にとっては政権運営のノウハウを得るためでしょう。
お互い権力維持のための談合です。

しかし、日本維新の会国民民主党などの
より自民に近い保守政党が伸びている中、
党是を犠牲にし続けて、
裏切者である公明党を政権に置いておく必要が本当にあるのか?
現段階では表ざたにはなっていませんが、
今回の池田大作名誉会長の死によって、求心力がさらに低下したら
自民党内部でもいよいよ連立解消の声が大きくなっていくと思います。

米中冷戦の雪解けと軍拡に進む日本

先日、サンフランシスコで開かれたAPECに合わせて
約1年ぶりとなる米中首脳会談が行われ、
バイデンも習近平も緊張緩和に努めたため、
米中冷戦の雪解けを感じましたが、
これは日本にとって必ずしも安心できる結果ではありません。

米中会談の後に行われた日中首脳会談では
習近平の口から「核汚染水」という言葉が飛び出し、
日本の長期計画である処理水放出について
対日攻撃のカードとして使い続ける意思を示しました。
中国が一時期、対日姿勢を緩和したのは米中貿易戦争が原因であり、
日米を離反させ、アジア太平洋を支配するのが中国の狙いであり、
米中で緊張緩和が進めば、対日圧力を強めていくのは自明の理です。

APECの首脳宣言においても
ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルのガザ侵攻について言及されませんでした
アメリカがロシアを支援する中国を追求した所で
中国はガザ虐殺をもってイスラエルを擁護するアメリカを批判するだけです。
インドで開かれたG20同様に合意を目指して双方が妥協した結果でありますが、
これは結局アメリカの弱体化以外の何物でもなく、
もし台湾問題を不問にして
日本を頭越しに米中が太平洋を分け合おうとするならば
日本独自の外交力が必要になります。

池田氏は中国と独自のパイプを持っていた事で知られ、
それは公明党の対中姿勢にも強く影響を与えました。
近年、自民党の政府要人が相次いで台湾を訪問するなど、
中国への批判の色を強くしていく中で、
1999年以来、公明党が連立与党として政権に参加する事で
一種の歯止めの役割となっていたと言えます。

このリミッターが外れる事で
日本は異次元のレベルで防衛能力を増大させるでしょう。
アメリカ議会はトマホークの日本売却を認め、
防衛省は中露の超音速兵器に対抗して
レールガン(電磁砲)の開発を進め、
10月17日には世界初の洋上射撃訓練を実施しました。

人間革命

国交のない時代から中共と国交を持つ事を主張した池田大作
ロシアに渡航して維新を去った鈴木宗男のように
大局観を持ち仮想敵国ともパイプを作っておく事は
非常時であればあるほど重要であると言えます。
こうした人間は急には出てきません。日々の修行の積み重ねです。
そういう意味では政治家も宗教家も同じ宿命を負っているのです。

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