マレーシア航空で繋がるウクライナと尖閣。

7月17日、紛争の続くウクライナ東部で何者かにより民間航空機が撃墜された。
オバマ大統領は「親ロシア派の地対空ミサイルによる撃墜」
という見解を発表し、
親ロシア派を抑制できる立場にありながら武器を与えたロシアを批判した。
一方のロシアは危険な紛争地域での民間機の飛行を許したウクライナ政府を批判、
武器供与などの関与は否定している。

多くのオランダ人乗客が犠牲になった事もありEUは反発を強めており
欧米のロシアに対する制裁が強まることは必至である。

誰が何の目的でこの事件を起こしたのか不明だが、
何者かが意図的に撃墜した事は間違いない。
しかし、それよりも気になるのが今回狙われたのが
「マレーシア航空」というアジアの飛行機という事だ。

マレーシア航空と聞くと今年3月に発生したインド洋遭難事故を思い出す。
事故は未解決のまま、現在に至っても残骸も遺体も発見されていない。
マレーシア航空の連続の災難・・・
単なる偶然とは思えない(`・ω・´)
北京(中共)に対するテロを企てたハイジャック、
それを未然に防ぐため中国機が撃墜した説・・・
陰謀論の類は好きだが、今回はそれと切り離して考えたい。

マレーシア航空の二つの事件。
撃墜と遭難と状況は異なるが、気になるのはその対応スピードの違いだ。

消息不明機の捜査はしばらく国際的にリードする国が現れなかった。
乗客は中国人が多かったので中国は積極的に捜索活動に乗り出すが、
衛星写真などの重大な情報は遅れ、
マレーシア当局の発表も二転三転するなど怪しいものだった。
中国はこの捜査に新型艦船を投入し、南シナ海におけるプレゼンスを強化した。
それを軍事力を背景とした示威行動と見て
日本における東シナ海(尖閣)と同じく
領土問題を抱える東南アジア各国は不信感を募らせている。
最終的にはオーストラリアが国際捜査の調整役となったが、
アメリカは現在も捜査に積極的ではない

実際アメリカの衛星技術があればもっと早く進展が見られるはずだが、
アメリカは中国の衛星技術など様子を伺っているように見える。
捜査エリアがアジア各国の利害が対立する南シナ海のため、
各国は情報を隠し持っており、
衛星技術等、手の内を知られたくないのだ。

一方のウクライナの撃墜事件は
早々に撃墜された飛行機の残骸や遺体、遺留品など悲惨な写真が広まっており、
親ロシア派の妨害で事故の処理が進まず、略奪行為が行われていると伝えられる
状況下でも驚くほど情報開示が速い。
そしてアメリカもかなり明確にロシアに対する対決姿勢を強めている

これはそのまま、対ヨーロッパ(ロシア)と対アジア(中国)における
アメリカの外交政策の違いとも取れる。
ヨーロッパにはアメリカと同盟関係(NATO)のあるEUという地域連合があるが、
アジアは個別でアメリカと同盟を持つが地域を統括する連合が存在しない。
国際協力の弱さ、対応の遅れに影響を与えている。(´・ω・`)

ただ、この事は中国覇権主義の被害を受けているアジア各国の
アメリカに対する不信感を助長するものだ。
基本的にアメリカは東アジア連合構想に反対であるし、
過去における大東亜共栄圏、そしてモンゴル帝国に対しての恐怖心がある。
日本の技術と中国の労働力が結びつくことを嫌っている。

自分も現状では政策の違いから東アジア連合構想に反対の立場ではあるが
アメリカは戦後、歴史的にアジアが一つにならないように争いの種を残した。
しかし、このようにアジア軽視を続けるアメリカとなれば
東南アジア各国は日本やオーストラリアに救いの手を差し伸べるに違いないし、
この風潮が安倍内閣の集団的自衛権行使容認の国際的な賛同の声に繋がっている。

マレーシア航空の二つの事件によって
ウクライナと尖閣の問題がさらに繋がってきた。
中国とロシアも急速に接近している。
まだまだ不可解な事の多い話題であるが、
これが第三次世界大戦の原因にならない事を願う・・・

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