アメリカ大統領選2020。

各州で接戦が続き、11月3日の投開票後もなかなか勝者が決まらなかった
異例のアメリカ大統領選ですが、
8日、ついに民主党のジョー・バイデン候補が勝利宣言を行いました。

Joe Biden official portrait 2013
ジョー・バイデン
しかし、現職のトランプ大統領は敗北を認めず、
選挙に不正があったとして訴訟に踏み切る考えで、
一部の州では再集計を行う可能性が示唆され、
次期大統領の最終的な確定はさらに伸びる可能性があります。
ちょうど20年前、共和党ジョージ・ブッシュ候補(小ブッシュ)と
当時民主党政権で現職副大統領だったアル・ゴア候補で争われた
2000年のアメリカ大統領選では
一般投票で敗北したブッシュ候補が法廷闘争の末、
選挙人投票で逆転当選した事例があります。
今回ここまで結果が長引いたのは
コロナ対策として郵便投票を大々的に行ったからなのですが、
この郵便投票が問題です。
日本のように戸籍があり、住民票の管理がしっかりしている国ならまだしも
移民国家であるアメリカは住民票というものがありません。
トランプ大統領が4年前にメキシコ国境に壁を作ると言っていたように
ヒスパニック系の不法移民もあり、
誰が正当な選挙権を持つアメリカ人有権者なのかが不明瞭なのです。
トランプが言う不正は実際に起きたのか?
様々な不正の証拠とする情報が錯綜していますが、
まだ客観的で決定的と言える証拠は明示されていません。
20年前のブッシュ対ゴアは終始大接戦で
最後に残されたフロリダ州の1784票差を巡り争われましたが、
今回前半では競り合っていた両陣営でしたが、
郵便投票の開票が進むとバイデンが大きくリードする形となりました。
もしトランプ大統領が提訴して、僅差の州で再集計がされたとしても
ブッシュ大統領の時のように
大勢が覆るのは難しいというのが大方の見方です。
この情勢では負けを認めたくないトランプの我がままで、
悪戯に状況を悪化させているだけに見えなくもないですが、
郵便投票が不正の温床になるというのは仕組み上考えられる事です。
不正があったか否かはともかく、コロナ禍であったとは言え、
正確性に欠ける郵便投票は行うべきではなかったと個人的には思います。
日本でもネット投票の議論がされますが、
今回のアメリカ大統領選の混乱を見て、まだまだ時期尚早。
実現には時間がかかると思います。
さて、暴れん坊のトランプ大統領の4年間を振り返ると
大変化の時代だったというのが分かると思います。
これまでは世界のリーダーを自認して
自由経済、民主主義を引っ張ってきたアメリカでしたが、
オバマ政権で自らその立場を降りて、
トランプ政権は一転してアメリカファーストを掲げ、
イスラエルや日本などわずかな国を除いて
数多くの国に喧嘩を仕掛けてきました。
公約に掲げたTPP離脱から始まり、
イラン核合意パリ協定WHOからの離脱など
数々の世界的な枠組みから離脱し、
貿易戦争を繰り広げた中国のみならず、
ヨーロッパなどの友好国も含めた世界中の国々に対して
追加関税を掛けるなど保護貿易に走って
孤立化(モンロー主義)を進めてきました。
Peaceful Protest for Law and Order (50470479901)
マスクを付けるトランプ大統領

数々の保護主義政策は当初
強いアメリカの復活を望む労働者階級中心に支持を得ましたが、
今年に入ってコロナウイルスの防疫に完全に失敗し失業者が続出。
マスク着用に否定的な論調だったトランプは
国内感染を広げたとしてメディアの批判にさらされました。
トランプは執拗にチャイナウイルスと呼んで
国内の感染拡大の責任を中国に押し付けましたが、
有権者には無責任で見苦しく感じたかもしれません。
最終的には自身もコロナウイルスに感染してしまう始末です。

こうした対外政策やマスメディアに対する数々の暴言や圧力により、
アメリカ史上最も品のない腐敗した大統領として
恥ずかしく感じていたアメリカ国民もいたことでしょう。
今回、バイデンの獲得票が7500万票台歴代最多になりましたが、
バイデン支持者が多かったというより、
反トランプの声が予想以上に大きかったというのが実感です。
しかし、一方のトランプも7100万票台を獲得し
両氏とも過去最多だったオバマ大統領の6949万票を上回っており、
トランプ支持の声も無視できません。
我々日本人にとっては
北朝鮮や中国に対して強気の姿勢で挑んでくれた
頼りになる大統領だったのではないでしょうか?
特に今まで北朝鮮に対しては核・ミサイルについてしか発言しなかった
アメリカ大統領の中では初めて、しかも数度に渡り、
金正恩に直接拉致問題を提起してくれたことは大きく評価できます。
中国に対して融和的だった民主党政権のままで
2017年北朝鮮危機中国の海洋侵略
乗り越えることができたのか疑問です。
もちろん、これは安倍前総理がトランプ政権の東アジア担当大臣かのように
大統領就任前からトランプと積極的に友好関係を構築した結果でもあり、
菅総理とトランプ大統領でこの体制が維持できていたかは分かりません。
歴史上、民主党政権は親中反日傾向になる可能性が高いと言われていますが、
自由で開かれたインド太平洋戦略
共和党、民主党の党派を超えアメリカの既定路線であり、
日米関係が急激に悪化する事は現実的ではありません。
安倍前総理はオバマ前大統領ともうまくやってきたし、
当時、副大統領だったバイデンとも何度も会談を行っています。
たしかにバイデンは安倍総理の靖国参拝を行うべきではないと考えていたし、
慰安婦問題でも日韓合意を導いた民主党政権では
徴用工問題で再び韓国側の肩を持つ可能性がなくもない。
中国との関係も部分的に緩和に向かう可能性もあります。
外交経験が浅い菅総理とバイデン大統領の新人同士のリーダーで
日米関係がどう変化するのかは注視する必要がありますが、
このままバイデンに決まっても、
万が一トランプにひっくり返ることがあっても
持病から回復傾向にある経験豊富な安倍前総理が指南役となれば
うまく立ち回ることができると思います。
しかし、問題はアメリカの内政です。
日米の外交関係が良好だとしても
当のアメリカ自身が万全な体制ではないと意味がありません。
今回国論を二分した大統領選ですが、
トランプ政権以降の国内の分断は決定的です。
トランプ政権当初のヒスパニック系移民だけでなく、
コロナに起因するアジア系への差別。
歴史的な白人と黒人の対立など
移民国家であるアメリカの国家基盤が揺らいでいます。
こうした分断は人種に関係なく白人の間にも広がり、
投票所などで両陣営の支持者が睨み合う緊迫の大統領選によって
現在、自主防衛のために国民の銃購入が相次いでいると言われています。
まるで南北戦争の様相です。
こうした分断は次期大統領がトランプになってもバイデンになっても
しばらく収まることはないでしょう。
この状況は中国やロシアに有利なだけで同盟国にとって憂慮すべき事態なのです。
George W. Bush meets with the American 2007 Nobel Award recipients-20071126
ノーベル賞を受賞し、かつてのライバルであるブッシュ大統領を表敬訪問するゴア。
20年前のブッシュ対ゴア事件は敗北の見返りに
2007年、ゴア候補にノーベル平和賞を与える事で和解しましたが、
トランプにも何かしら見返りがないと
素直にホワイトハウスから離れてくれないのではないでしょうか?

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