今年はアメリカ大統領選の年で12月の投開票で次期大統領が選出され、
来年の一月には正式にオバマの後任大統領が就任します。
国会で選出される日本総理大臣と違い、アメリカ大統領は国民投票で選出され、
権限も行政の長である総理大臣とは比べ物にならないアメリカの国家元首です。
既に報道もあるようにアメリカ大統領選は
一年通して長い時間をかけて行われます。
経済的軍事的にも世界一の国の大統領ですから
アメリカのみならず日本を含む全世界に与える影響は大きいのです。
さて、アメリカは民主党と共和党の二大政党が存在し
歴代大統領はこの二党から選出されてきました。
今行われている予備選挙では
共和党候補はドナルド・トランプが一人勝ち状態で
民主党候補はヒラリーとサンダースが凌ぎを削っています。
実質、この三人の中から次期大統領が選ばれることになるでしょう。
ドナルド・トランプ(出典:Gage Skidmore) |
ヒラリー・クリントン(出典:Gage Skidmore) |
バーニー・サンダース(出典:Gage Skidmore) |
それぞれの政策の詳細は他のニュースサイトの解説に任せますが
共和党は保守で民主党はリベラルが基本理念であることははっきりしています。
日本との関係で言えば
共和党大統領時代は日米関係が良好で
民主党大統領時代は日米関係が悪化したという歴史があります。
・26代セオドア・ルーズベルト 共和党
新渡戸稲造の「武士道」を高く評価した親日派。
日露戦争時代、日本の要請に応え日露戦争の仲介に入り
日本に優位なポーツマス条約が結ばれた。・28代ウッドロウ・ウィルソン 民主党
第一次世界大戦後に国際連盟を提唱したが
モンロー主義を掲げて加入せず、
また日本が提唱した人種的差別撤廃提案を
賛成多数であったにもかかわらず全会一致でないとして
議長権限で否決し後の日米対立の起因を作る。・32代フランクリン・ルーズベルト 民主党
親中反日で第二次世界大戦で日本と戦った。
典型的な人種差別主義者で日系移民を強制収容所へ送った。
しかし、ニューディール政策で経済を立ち直らせ
亡くなるまでアメリカ大統領を4期まで勤め上げた功績もあり
アメリカ国内での支持率は歴代最高レベル。・33代ハリー・S・トルーマン 民主党
病死したルーズベルトの跡を継ぎ対日戦を主導。
広島長崎の原爆投下を指示。・34代ドワイト・D・アイゼンハワー 共和党
反共主義者で日米安保条約を結び
今に続く日米同盟の基礎を作った。・37代リチャード・ニクソン 共和党
沖縄返還が実現。・38代ジェラルド・R・フォード 共和党
現職のアメリカ大統領として初めて日本を公式訪問、
昭和天皇と会見。
また天皇として初訪米した昭和天皇を迎えている。・40代ロナルド・レーガン 共和党
中曽根総理とロン・ヤスとあだ名で呼び合う蜜月関係を築く。
三度にわたり日本を公式訪問。
現職のアメリカ大統領としては最多。・42代ビル・クリントン 民主党
親中外交を展開。
日米貿易摩擦問題でジャパン・バッシングが行われ
年次改革要望書が始まった。・43代ジョージ・W・ブッシュ 共和党
小泉総理と「ジョージ」、「純一郎」と呼び合い
ロン・ヤス関係に似た蜜月関係を築く。・44代(現職)バラク・オバマ 民主党
民主党鳩山政権時代、普天間移設問題などで関係が冷え込み
日米関係は戦後最悪の状態となる。
これを見れば共和党候補を応援したくなりそうですが、
そんな単純な問題でもないです。
アメリカでは二大政党制自体が崩壊の危機に瀕していると言われています。
民主党政権は上院下院共に過半数を維持しておらず
大統領と議会でねじれ状態になっており、共和党も分裂状態です。
日本では丸山議員の発言が大統領侮辱、黒人差別だとして問題にされましたが、
共和党候補のトランプの発言はもっと直接的で過激です。
「メキシコ移民はレイプ犯や麻薬ディーラーだ」
「イスラム教徒の入国を全面禁止せよ」など
マスコミも批判的に報道してはいますが、
支持率はむしろ上向きだということです(;^ω^)
日本に対しての発言でも
「われわれは日本が関税ゼロで数百万の自動車を売るのを許している。
彼らと貿易取引はできない。我が国はひどい目にあっている!」
「日本は、アメリカの牛肉も小麦も受け取ろうともしない」
「中国、メキシコ、日本から雇用を取り戻す」
など、まるで80年代かと言わんばかりの発言・・・
しかし、「強いアメリカの復活」と訴えるトランプの強気な発言は
実にアメリカ国民の耳には心地がいいようです。
トランプ発言はアメリカの本音でもあるからです。
以前から将来アメリカは
モンロー主義時代に戻ると予想している通り、
トランプはTPPに反対し、海外紛争への介入に消極的な見解を示しています。
アジアに関しても「日本、韓国を守ることなどできない」「日米同盟は不公平」
などと発言しています。
同盟国日本としては不安になる発言ですが、
むしろこれは自主独立をする最後のチャンスだと考えるべきでしょう。
民主党のヒラリー・クリントンが勝ったとしても
日本にとって状況は良くなりません。
夫のビル・クリントン同様、中国と強いパイプを持ちTPPにも反対しています。
また若者中心に支持率急上昇中のサンダースは民主社会主義者です。
パリ同時多発テロ後のフランス、EU離脱問題のイギリスなど
アメリカのみならず世界中で保守勢力が台頭し、
経済的な不安は保護貿易に走らせています。
パクスアメリカーナの時代は終わったのです。
日本でも戦後レジームからの脱却の動きは出てきています。
安部総理は5月の大型連休中に欧州歴訪を予定しており、
ロシアで日露首脳会談が行われることが決定していますが
対露圧力を強めたいオバマ大統領が訪露自粛を電話で要請したところ、
安部総理はこれを撥ねのけました。
もはや残りの任期満了を待つだけのレームダック状態のオバマに何の力もない。
日本は早急に領土問題と憲法改正を実現させて
自主防衛に舵を切らなければ
世界から取り残され
シャープのように中国に取り込まれることでしょう。
コメント
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おっしゃる通り、昔から共和党と民主党が日本に及ぼす影響は言われてきたとおりです。
原爆を落としたトルーマンは高卒です。
しかし周りは超エリート大学卒のブレーンばかり。
高卒の自分が何か大きなことはできないか、という安易な判断から
原爆は落とされた。
まぁルーズベルトも18発の原爆を落とす構想を練っていたからどうとも言えないが、当時の状況下、ルーズベルトでも原爆を落としていたかは疑問である。
オバマは完全にレームダックに陥っています。
世界の警察から身を引いた結果、共産圏に対しては煮え湯を飲まされてばかりだ。
しかもアメリカのぽちとまで言われた日本にも、ロシアのプーチン統領と会談することを自粛するようアメリカが要請したが、断られた。
何せ日本はロシアに対してカードが少ない。その少ないカードをたとえアメリカの要望でも、なくすことはできないのである。
オバマは「イラクから軍隊を引き揚げる」と公言して大統領になった。
その結果がアメリカ軽視につながってしまった。
日本の防衛もアメリカべったりではなく、自立しなければならない。
日本は自国だけで潜水艦を作れるごく少ない国です。(確か9カ国)
しかし専守防衛の日本は戦闘機の空中給油を受ける機能をわざわざ税金かけて外しています。空母も作れない。
法律さえ変われば解決する部分は増えるのですが、
例えば日本が空母を作ったら
支那やロシアからものすごい圧力がかかるでしょうね。
そしてよく間違われるのが空母艦載機って強いのか。
正直、陸地から飛ぶ戦闘機のほうがはるかに強いのです。
空母艦載機は足を頑丈に作らなければなりません。
また翼を折りたためるようにしなければならないため、
どうしても空戦力が落ちるのです。
だからと言って日本の陸地発進型の戦闘機を空中空輸できないようにわざわざ税金かけて取り除くことはないと思います。
しかも空母は維持費が半端ない。
維持費だけでも防衛費が吹っ飛ぶんではないだろうか。
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> pattonさん
日本の自主独立という観点から
今になって考えるとオバマは日本にとって非常にやりやすい相手だったかもしれませんね。
確かに空母は日本にはあまり適さないかもしれません。
というより空母時代はもう過去のものといったほうがいいかもしれません。
たとえ中国が空母を配備したとしても
ステルス機能を搭載した潜水艦と航空戦力で対抗すればいいですし
そういえば心神の初飛行はどうなったんですかね・・・そっちの方が少し心配ですw