東シナ海紛争、中国の攻勢。

中国軍艦が9日に沖縄県・尖閣諸島の接続水域に入り、
15日には鹿児島県の口永良部島の領海に侵入した事は記憶に新しいですが、
元空将の織田邦男氏が28日に投稿したニュースサイト記事によると
東シナ海上空で中国軍の戦闘機が空自戦闘機に対し攻撃動作を仕掛け、
空自機が自己防御装置を使用して離脱、
空自設立後初めてのドッグファイトが行われたとされます。
そして、こうした敵対的行動が16日以降も続けられていると言います。

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政府はこの件について声明を出していませんし、
大手マスコミからもこのような情報は出ていません。
政府関係者は近距離でのやり取りがあったという事実はあるものの
攻撃行動や特殊な事象が生じたとはしておらず、
中国側も否定していますが、
これが事実とすれば、現在の東シナ海は
ちょっとした行動一つで戦闘に発展してしまうような
一触即発の危険な状態と言えます。

いずれにしても6月に入ってから中国軍の動きは明らかに活発になっています。
海では公船による尖閣周辺の領海侵犯に留まっていたところ、
ついに軍艦が領海を接する接続水域に登場するようになり、
日本の対応を探るためか、係争地外の日本領海にも侵入してきました。
2013年11月からは中国が尖閣周辺を防空識別圏に設定し
領空侵犯が急増したこともあって
そうした危険行動が空で行われたとしても不思議ではありません。

中国はなぜ一線を越えたのか?
5月の伊勢志摩サミットまでは
中国が国際的非難に晒される機会がありましたが、
サミットが終わり、イギリスのEU離脱などによって
諸外国の目が極東から離れていました。
また日本国内も7月の参院選に向けて選挙活動に入りました。
こうした政治的イベントの隙を狙ったものと考えられます。

中国の目線で見れば、
5月に台湾で独立派蔡英文政権が生まれ、
7月には日本の参院選で与党が勝利する公算が強く
対中強硬派の安倍政権はますます強固となり、
日台が接近する可能性もあり、
東シナ海での政治的劣勢が目立ちます。

一方でフィリピン大統領選には
「フィリピンのトランプ」とも呼ばれるドゥテルテが勝利して
間もなく新政権が発足しますが、
親米反中だった前アキノ政権と違い
ドゥテルテは親中派とも言われていて中国は新政権を歓迎しています。

Rodrigo Duterte and Laotian President Bounnhang Vorachith (cropped)

中国は南シナ海の実効支配をほぼ完成したとして
フィリピンを取り込んで対中包囲網を瓦解させ、
南シナ海での態度を軟化させる一方で
再び東シナ海攻勢をかけるものと思われます。
アメリカも12月に大統領選挙を控え、大きな行動が取れないので
尖閣周辺で軍事行動を起こすには絶好のタイミングなのです。
台風の時期は特に注意したほうが良いかもしれません。
中国側は臨戦態勢に入ったと見るべきでしょう。

去年10月に蔡英文来日の際に非公式に行われたとされる
安部総理との極秘会談で何が話し合われたか?
11月に行われた馬英九政権時代の中台首脳会談で何が話し合われたか?
これが今になって重要になってきていると言えるかもしれません。

中国による尖閣の領有権主張は
尖閣周辺に地下資源があると発表され始めた1970年代からされてきましたが、
現在に至る本格的な対立の起点は
2010年9月尖閣諸島中国漁船衝突事件と見ていいでしょう。
民主党政権が中国の圧力に屈し船長を不問に付し釈放したことで
以後、中国漁船が頻繁に尖閣周辺に出没し、
領空領海侵犯が急増し常習化しました。
外交的失敗は取り返しがつかないというのは明らかです。

この時も政府は尖閣事件の映像公開を拒み、極めて抑制的な対応をし、
海上保安官がインターネットで映像を流出させて国民に広まりました。
今回は同じ轍を踏まないことを期待します。

安倍内閣はこれらの中国軍の動きを把握し、その背景などを精査して
不測の事態が起こらないように様々な対策を練っていると信じますが、
中国に毅然とした態度を行動で見せることが重要です。
場合によっては軍事行動を取る必要もあるでしょう。
国民の反中感情が燃え上がるのを恐れて情報を開示しないというのは
主権国家としての国防上ありえない事です。
もちろん戦争は望みませんが、戦闘そのものを恐れるのではなく、
沖縄県民、日本国民の平穏な生活が脅かされるのを恐れなくてはいけません。

世界中でブロック化が進む中で日本はもうどの国にも頼れない
こうした事を考えると今、政権を弱体化させるいかなる行動も許されないのです。
「お願いだから今回は野党に入れてください」とか
「衆参ねじれが好ましい」という段階ではないのです。
4年前、民主党政権の失態を目の当たりにして、私たちは自民党を選んだのです。
残念ながら現政権以外で中国やロシアを相手にできるとは思えません。

コメント

  1. ツバサ より:

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    どうも初めまして。
    ブログにお越しいただきありがとうございました(´∀`)
    攻撃動作を仕掛けてきたなら、
    仕掛けてきた方は普通なら撃墜されても、
    文句は言えないような事をした訳ですしね。
    今のところは日本政府から事実だという発表はありませんが、
    相手が中国だからこそ更に警戒を強めないといけませんね(`・ω・´)

  2. マンマルX より:

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    > ツバサさん
    初めまして。コメントありがとうございます!
    こうしているうちにも
    着々と侵略行動が行われていると思うと
    気が気でないです(;^ω^)

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