核の折りたたみ傘。

アメリカ大統領選に出馬している共和党候補のドナルド・トランプが
日韓の核武装を容認する発言を連発。
これについてオバマ大統領が批判したことがニュースとなっています。
トランプは政治家ではないので世界を知らないのは事実だろうけど、
この発言をしたトランプが次期大統領になる可能性がある以上
日本にとっては議論すべき発言でしょう。

第一次安倍内閣や麻生内閣など
以前から核武装の話題は出ていたものの
議論することすら認めないような風潮がありました。
しかし、個体燃料ロケット「イプシロン」の打ち上げ実績があり、
原発による大量の使用済み核燃料を保有。
青森県六ヶ所村には再処理工場が有り
もんじゅなどの高速増殖炉では使用済み核燃料から
プルトニウムを生成できるため、
実は既に日本は「潜在的核保有国なのです。

イプシロンロケット2号機
イプシロンロケット
(出典:Shinntarou)
Rokkasho 2
六ヶ所村再処理工場
(出典:Nife)
Monju
高速増殖炉もんじゅ
(出典:Nife)

日本は唯一の被爆国であり、
表向きは非核・反核を標榜していますが
実際には米軍の核の傘以外にも「予備の折りたたみ傘」も持っているのです。
日本のNPT(核拡散防止条約)加盟の前提条件は日米同盟なので
この関係が破綻するようなことがあれば
NPTを脱退して折りたたみ傘を開くということが現実的に可能です。

国防のため二重三重の手を考えることは重要で
この状況は日本にとって非常に優位でしたが、
3.11以降崩壊しかけています。
原発再稼働は単にエネルギーだけの問題じゃない。
日本の核武装は技術的には驚くほど簡単です。
あとは政治的な問題です。
結局、究極の障壁が国民感情なんだよなぁ・・・

国外の視点で見ると日本は核保有国以外で唯一
IAEAから公式に認められ再処理工場を持っています。
これが唯一の被爆国としての見返り
米軍撤退の担保なのか
日本がアメリカの言いなりになる条件だったのか
実際のところは分かりませんが
これを国際社会が認めてくれるうちはいいでしょう。
今後日本が国際的孤立化を進めば北朝鮮と同じ運命になります。

韓国の核武装はさらに難しい。
再処理技術を持たず、ロケット技術もお粗末。
総合的な核技術は完全に北朝鮮に追い越されています。
韓国の核武装は国境を接する北朝鮮を刺激し、
朝鮮有事を起こしかねないので国際社会の反発も日本以上でしょう。
朝鮮統一後に北朝鮮の核技術を継承する方がよっぽど早い。
そんな未来も想像したくありませんが、
日本がもし核武装をすれば抗日国家の韓国も追随するに決まっています。

私は現状では急速な核武装には慎重ですが、
条件次第では核武装を否定しません。
日本は反核運動を進めつつも核サイクルを維持しつつ、
宇宙(ロケット)開発を続け、
核武装能力を保持しながらも
なるべく折りたたみ傘を開かないようにする事が重要です。
少なくとも非核三原則は二原則にして
核持ち込みを可能とする事で「集団防衛」を前提とする方が良い。
単独保持はリスクが高すぎる。
いずれにしてもアメリカの次期大統領が
日本の国防のあり方について
大きなターニングポイントになることは間違いないでしょう。
アメリカの尖兵となるのだけはゴメンですが・・・

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