新たな壁。

Flag of Belgium

昨日22日、
ベルギーの首都ブリュッセルの空港や地下鉄で連続爆破テロが起きました。
ベルギーといえば昨年のフランスパリ同時多発テロの実行犯
サラ・アブデスラム容疑者の出身国で18日に拘束されたばかり。
事件現場は日本大使館に近く日本人二人も巻き込まれ重軽傷を負った模様。

ブリュッセルはEU本部NATO本部を構える
ヨーロッパの首都とも言える都市です。
ISILが犯行声明を出しており
フランスからベルギーへとISのヨーロッパ攻撃はまだ続くようです。

EUは相次ぐテロへの対策から移民規制を強化しており
EUとトルコは18日、
トルコからギリシャへ渡る不法移民や難民を
トルコへ送り返すことで合意しました。
EUは見返りとして、資金援助や
EUに渡航するトルコ国民へのビザ免除措置の前倒し検討などを約束し、
トルコのEU加盟交渉が再開されました。

ヨーロッパと中東の間にあるトルコで
水際でテロリストをシャットアウトする作戦ですが、
これがどこまで実行されるのかは非常に難しい問題です。
人道的な視点で難民を送り返すという嫌な仕事を誰がやるのか?
財政破綻のギリシャに対する支援はあるのか?

Flag of Turkey

一方のトルコも13日の首都アンカラクルド系のテロ
19日にはISIL関連と思われる爆発テロ
2020年オリンピック候補地でもあったイスタンブールで起こりました。
国内で相次ぐテロに加え、
難民問題も抱えることになり、トルコの負担も大きいです。

この状況でトルコをEUに迎え入れるというのは
あまり現実的ではないように思います。
EUはトルコやセルビアなど強気に拡大交渉を進めるようですが、
他方で域内の大国イギリスではEU離脱の議論が起こっています。

かつてヨーロッパには
イデオロギーによってベルリンの壁や鉄のカーテンなどがありましたが
難民問題とテロリズムにおいても新たな壁が建設されつつあります。

これはヨーロッパに限った話ではなく、
アメリカ大統領選の共和党候補のドナルド・トランプ
「メキシコ国境に壁を作る」とはっきり明言し、
ヨーロッパや日本、韓国などの同盟国の米軍駐留にも消極的です。
レームダックのオバマ政権はこうしたヨーロッパの不安定化を横見に
イデオロギーの壁であったキューバとの国交を回復しました。
これこそアメリカのモンロー主義への回帰を如実に物語っています。

こうした状況は日本にとっても無関係ではありません。
TPP交渉がこのまま暗礁に乗り揚げれば
世界中でブロック化が進むことでしょう。

閉じこもる北米アングロサクソン(イギリス)圏、
影響力を増すロシア圏(イラン・パキスタン)、
分裂の危機にあるEU圏(トルコ・サウジ)、
中東に広がるIS圏、
海洋進出を企む中国圏、
取り残される日本・・・

ブロック化が進んだ世界の結末は歴史が証明しています。

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