日韓、印パの接近とイランとサウジの国交断絶。

2016年の政治が始まった。
1年という区切りは人間の暮らし文化的に重要だけど
政治には1年という区切りは無い。
先月12月から非常に重要な事が起きていたと感じます。

2015年・・・
一番の踏ん張りどころ70周年目の終戦記念日を乗り越えた後も
中国・韓国は日本への圧力外交を止めることがありませんでした。
南京事件の世界記憶遺産登録
また9月、インドネシアの高速鉄道の売り込みには中国に敗北しました。
しかし11月、日韓首脳会談が3年半ぶりに実現し
東アジアでの政治バランスが復活しつつありました。

こうした中、日本が絶対に落とせないと考えていたのが
安倍総理のダイアモンド構想の一角を担うインドでした。
インドは仏教誕生の地であり、
カシミール地方の領土問題では中国と争うなど日本と価値観が近い。
人口増加と経済発展が著しく、を持つ南アジアの有力国です。

インドの高速鉄道計画にも中国が名乗りを上げましたが、
12月12日、日印首脳会談が行われ
新幹線方式導入原子力協力で合意しました。
人口急増のインド国内では電力不足が深刻で、
日本の原発技術は喉から手が出るほど欲しかった。
なんとしても新幹線を売りたい日本との利害が一致したのです。
インドがNPT非加盟の核保有国である事から
軍事転用の場合即刻協定を打ち切るという条件も付けられました。
いずれにしても中国進出政策に楔を打ち込んだ
この合意はかなり大きいです。

そして12月末になってアジアで大きな変化がありました。
一つはインドパキスタンの接近です。
インドとパキスタンは宗教問題やカシミール問題など対立する事が多く、
印パ戦争を戦ったこともあります。
両国の核保有も互を牽制するためでした。
インドのモディ首相がパキスタンを電撃訪問。
日韓は3年半振りでしたが、印パは実に12年ぶりのことです。
パキスタンはまた中国と協力関係にありました。
印パの和解は中国を封じ込めるためにも非常に重要です。
もう一つが慰安婦合意による日韓の接近です。
日韓問題の最大の懸念であった慰安婦問題が
一応の結末を見たことによって
歴史問題で共闘する中韓連合に亀裂が生じました。

印パも日韓も共に国境を接する隣国です。
パキスタンも韓国も近年、中国に近い対応を取っていただけに
この接近は新たな構図の変更を予期させます。
思えば7月にはアメリカとキューバが54年ぶりに国交を回復するなど
かつてライバル関係であった国が急接近する事が多い年でした。

一方、今年に入るとサウジアラビアが
テロ容疑でシーア派主導者を処刑したとして、
スンナ派のサウジとシーア派のイランが国交断絶するなど
新たな火種も起こっています。
また北朝鮮が再び核実験を行ったという最新ニュースもあります。
今度は「水爆の開発に成功した」
と北は豪語しているようですが、いつもの話です(;^ω^)

北朝鮮、イラン、その上にいる中国、そしてロシアとここまで言えば分かる。
アメリカの敵視する国家です。
日韓や印パなど周辺国の関係修復の裏には
これらの国家の孤立化を狙うアメリカの強い要望が働いていたと考えられます。

北朝鮮は中国も見限っているので
対北朝鮮で東アジア地域が結束する可能性がありますが、
中華勢力圏を守らねばならない矛盾も抱えているため
特に中国は難しい舵取りをしなければなりません。

サウジとイランの国交断絶は穏やかじゃありません。
中東全域でシーア派とスンナ派の対立関係が強くなっています。
国家間対立では済まなくなり、
多数の国家を股にかけた内乱まで始まってしまっては
スンナ派を標榜しイスラムに基づく国家建設を目論むISILの思う壺です。
新年早々、世界大戦の陣営形成が始まっている嫌な予感もします。
今後の中東情勢も目が離せません!

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