震災とオリンピック

東日本大震災が起きて昨日で4年目を迎えた。
あの世界史に残る大災害から日本は大きく変わりつつある。

あれから何が変わったか?
まず政権が当時の民主党から自民党に戻った。
すなわち親中反米から親米反中に変わった。

震災の1年前の尖閣諸島漁船衝突事件から
反中感情と民主党の弱腰外交に不満が高まっており
震災直前には菅首相の違法献金問題が起こり
民主党政権崩壊は時間の問題であったが、
この震災によってアメリカ軍が
「トモダチ作戦」として全面的に支援したため、
冷めきっていた対米関係の改善が一気に進んだ。

アメリカの極東地域におけるプレゼンスが高まり
中国の海洋進出によって乱された
パワーバランスは安定に向かい、
中国の尖閣、沖縄への軍事行動は延期されることになった。

日本は「絆」という合言葉で復興に当たった。
原子力事故は予断を許さないが
2020年東京オリンピック招致に成功し、
日本という国家として明確な目標を持つに至った。

一方の安全保障に関しても
2013年にテロ、スパイ対策のために
特定秘密保護法案ができ集団的自衛権行使容認に至るなど
国防に対する法整備が進められ
武器輸出三原則も見直され米豪と潜水艦の共同開発も始まった。
これは明らかに海洋進出を目論む中国を警戒している。

この流れは1923年の関東大震災以後の歴史を連想させる。

1923年関東大震災
1925年治安維持法
1940年東京オリンピック(中止)
1941年大東亜戦争 

2011年東日本大震災
2013年秘密保護法案
2020年東京オリンピック

この比較はいたずらに戦争という不安を与えるものであり
当時の国際情勢も現在とは違うので
一概に比較できないが、興味深い類似である。

東京オリンピックはこれまで1940年と1964年に計画があった。

1940年は紀元二千六百年記念行事として
またアジア、有色人種国家による初めての開催という事で
大きな期待を持たれており、
この開催に合わせてテレビ中継が検討され
実現すれば国内のテレビ放送開始はもっと早かった。
現実は長引く支那事変の影響により返上となり、
次点のヘルシンキ開催となったがこちらも第二次大戦で中止となった。

震災からの復興という意味では
戦争からの復興という国家イベントであった
1964年の東京オリンピックと類似するが
どちらのようになるのか・・・

ぜひ無事に開催されることを望む。
そして何よりも震災に苦しむ多くの人々に対して
オリンピックが希望とならねば
「平和の祭典」というオリンピック本来の意味をなさない。

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