憲法記念日。

今日、5月3日は憲法記念日である。
1946年11月3日の明治節に公布され、
半年後の1947年の5月3日に施行された。
ゴールデンウィークを構成する祝日の一つとなっている。
近年、憲法改正の声が高まるなか一度憲法について考えてみる。

「憲法」とは国家の組織や権限、統治の根本規範(法)となる
基本原理・原則を定めた法規範
の事であり
いわば国の形を決めるものである。
憲法は主権を持つ国民や行政の長である総理大臣よりも強い。
憲法という言葉は西洋由来であるが
国制という意味では日本を含め古代アジアには「律令制」があった。
律は(刑法)であり、令は(行政法)の意味である。
日本の体系的な律令法は飛鳥時代の「大宝律令」がある。
ここで「日本」という国号が定められ、日本列島に共通したルールが広まった。

大宝律令が作られた動機は当時の東アジア情勢にあった。
白村江の戦いで唐・新羅連合軍に敗れた日本は
朝鮮半島の同盟国、百済が滅亡し朝鮮半島への足掛かりを失った。
国防のために北九州に軍事拠点(大宰府)を築き防人を置いた。
そして国内を統一させるために
唐に倣った天皇を中心とする律令国家が作られたのである。
大宝律令を補完するために「養老律令」が作られたが
大幅な改正はされず、
この律令制度は明治維新まで改正される事はなかった

幕末を迎え、迫りくる欧米列強に対抗するために
西洋的近代的国家を作る明治維新が起こった。
事実上アジア初の近代憲法である「大日本帝国憲法」
1889年、2月11日の紀元節に公布され、翌1890年11月29日に施行された。
戦争の原因や是非とは別に
帝国憲法では軍は政府でなく天皇に統帥権があったため
統帥権干犯問題が起こり、ここを軍部に利用されたことにより
軍部が政治から独立し、シビリアンコントロールを失った側面がある。
そして一度も改正される事のないまま軍部の独断で満州事変が起き、
大東亜戦争に突入、1945年に敗戦。

その後、アメリカ占領下で作られたのが現状憲法である。
形式的には帝国憲法第73条による改憲手続きを踏んでいるが
中身は別物であり、アメリカの手が加えられた押しつけ憲法であり、
日本が再びアメリカに刃向う事の無い様に
憲法9条により軍隊や戦争の放棄を盛り込ませ、
将来的な天皇、皇室の廃止を画策し、
天皇の権限を縮小させ皇室の家訓であった皇室典範を法律として作り、
皇統を守るために存在した11宮家を強制的に皇籍離脱させた。
そのため構造的に男系男子が生まれにくくなり皇位継承問題が発生した。

皇太子殿下の子である男系女子の愛子さまを即位させ
その子孫を天皇とする
女系天皇」を認める皇室典範の改正の流れが生まれた。
これは男系男子で受け継がれてきた皇統を途絶えさせるものであったが、
幸いな事に秋篠宮家に男系男子の悠仁さまが生まれ、
改正の動きは一先ず下火になった。
しかし、現状では将来また同様の問題が起こり得る

国民にはこれらGHQの意図がある事は知らされず、
吉田内閣によって日本国憲法は成立した。
当時としては踏み込んだ内容ではあったが、
戦争で疲弊した国民には概ね好評であった。
だが、1950年に朝鮮戦争がはじまり、
アメリカは当初の「日本を貧しい農業国にする」という指針を変更し
日本人を徴用し、警察予備隊を創立(後の自衛隊)
日本列島を共産主義に対する防波堤とするために再軍備を始めた。
そして、実際に日本人部隊を秘密裏に朝鮮戦争に参戦させていた。

戦争や軍隊の放棄を謳っているにも関わらず、
自衛隊を保有しているという矛盾

当時の国際情勢、アメリカの都合から始まっている。
しかし、冷戦体制が終わった後も
一度も改正されることなく現在に至っている
海外では何度も時代に合わせて改憲されているにも関わらず、
日本は歴史を見ても伝統的に憲法を変えたがらない民族であり、
その度に大きな破局の危機に陥ってきたのである。

中国の台頭などの現在の東アジア情勢は
大宝律令ができた頃に類似している。
今一度、世界の態勢と日本の現状に鑑み
これからの国の形を国民一人一人で考える時期ではなかろうか?

以下は私の考えである。

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天皇・皇室

我々一国民が皇室の在り方を
あれこれ議論したり決める事自体が憚れることではあるが、
皇室典範は改正ではなく旧皇室典範に戻し、
旧宮家には皇統を守るために皇族に復帰して頂く。
そして憲法には第1条にて天皇は国家元首であり、
日本は立憲君主制国家である
と明記するべき
万世一系の天皇の存在は日本の文化伝統そのものであり、
日本国のアイデンティティである。
もちろん、これは男系男子による世襲でしかありえない。

9条

懲罰的条文である第9条は全て廃止する
戦争の反省を込めて平和主義は引き継ぐが、
自主防衛としての軍備を明文化、自衛隊を国軍とすべき。
武装は基本国産で行い、輸出もする。
そして自主防衛は核戦力も考慮する。
日米同盟が原則であるが、
非核3原則を2原則とする。つまり「持ち込み」を可能にする。
国家としては唯一の被爆国という立場で引き続き反核で世界を牽引するが、
日本周辺の現状を考えた時、抑止力としての核は地域の平和と安定のために必要。

原発・エネルギー

宇宙開発(ミサイル)と「国産」原発開発(使用済み核燃料)はセットである。
これは日米同盟が破棄された場合でも自主的な核武装が容易であることを意図させる。
しかし、原発については減少の方向を取り
メタンハイドレートなどの代用エネルギーに活路を見出すべき。
エネルギー問題は日本の伝統的問題であり、これを克服する事が当面の課題。

政治的立場

当面、日米同盟を維持しつつ国連常任理事国入りを目指す。
そのためにロシアと平和条約を締結し北方領土問題を解決する。
ロシアはエネルギー大国であり、
北方領土交渉のカードとしてロシアから石油を買い
石油の中東(アメリカ)依存から離れる
中国に対抗するために引き続きインド、ASEAN、太平洋諸国と連携を取る。

国内の防衛意識が高まれば段階的にアメリカの影響を減らし
スウェーデンをモデルとした中立国家を目指す。(自主防衛)
これに台湾やフィリピンなどの太平洋諸国を巻き込み
中国、アメリカの新2大国のどちらにも属さない
中立の「新第3世界」としてNATOのような多国間安保機構を画策する。
これは米中のどちらかに属し、
その先鋒として国益を損なったり犠牲を被らないためである。
(例:ノルディクバランス)

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