先史時代~中世
人間が誕生して最初の喧嘩はどんなものだったでしょうか?
恐らく最初は素手で殴り合い、
その次はより強度のある木や石を使ったでしょう。
より殺傷能力を高めるために
石を砕いたり削ったりして尖らせて矛や槍を作り、
遠い距離には弓矢を飛ばしました。
また人間は他の動物と違い火を扱うことができました。
火は照明や暖房、調理に使われ
これは人類に文明をもたらしましたが、
同時に戦争にも使われるようになります
古代に入ると冶金技術が発達し
武器は石からより強度のある青銅、鉄へと変わり
刀剣が武器として使われるようになります。
力があり足の速い馬は早くから兵器として使われました。
一方、海では馬が使えないので舟が兵器として使われました。
普段から馬ととも生活していた
騎馬民族はその機動力でユーラシア大陸を駆け回ります。
農耕民族はこれに対抗するべく
チャリオット(戦車)という馬車のような兵器を開発しました。
大陸は海に閉鎖された島と違い
民族移動が激しく戦いが絶えなかったため武器の進化が進みました。
中国大陸で鐙が発明され、
農耕民族でも馬上で武器を扱えるようになり
中世には世界中でチャリオットに代わって馬に乗る騎兵が生まれます。
モンゴル帝国は騎兵をうまく運用しユーラシア大陸を席巻しました。
「騎兵」は英雄的な戦果が期待され戦場の花形でした。
馬を保有できる者は限られたため
西洋においては貴族、日本では武士という戦士階級が生まれ、活躍しました。
そしてまたもや中国で火薬と羅針盤が発明されます。
火薬は大砲を生み戦場に再び革命が起こります。
古代は歩兵による密集戦術が中心でしたが、
戦争の規模が大きくなり、
中世には「歩兵」「騎兵」「砲兵」という兵科が生まれます。
当時は大砲の精度も高くないので
歩兵は「塹壕」と呼ばれる穴を掘り砲撃を避けれます。
騎兵はそんな歩兵を機動力を活かして駆逐しますが、
体が大きいので砲撃の的になります。
こうして三すくみの状況が形成されました。
近世に入り大砲から小銃が発達すると単なる「点」だった方陣は
「線」の横列戦術に変わります。
横一列での攻撃が最大火力となるからです。
こうして戦争はより強い火力を求めていきます。
この傾向はダイナマイトや核兵器の開発など現代まで続きます。
羅針盤は航海技術を飛躍的に高めます。
戦域はユーラシア大陸から新大陸や島々まで広がっていきます。
この恩恵を一番受けたのはヨーロッパでした。
多くの人類史的大発明は中国大陸だったように
アジアは肥沃な大地があり、開けた平野が多く
農耕民族により古代文明が栄えた人口密集地です。
モンゴル帝国やイスラム帝国など
ヨーロッパを苦しめたアジア勢力は強国でしたが、
統治が安定すると武器技術は停滞していきます。
一方、ヨーロッパは貧弱な大地で山脈が多く
動物を狩る狩猟民族が中心に住んでいましたが
戦乱が相次ぐため武器の進化は止まりませんでした。
ヨーロッパはイスラム商人に支配されている地中海を避けて
肉の保存料である香辛料を直接手にれるために
多民族に先駆けて外洋に進出し新大陸を発見します。
ヨーロッパ諸国は頑丈なキャラック船やキャラベル船に
羅針盤と大砲を積み、中国で生まれた技術を継承し発展させました。
ヨーロッパは大航海時代を経て
アメリカ大陸やアフリカ大陸を植民地としました。
アジアとヨーロッパのパワーバランスは徐々に逆転していきます。
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