TPP問題とアメリカに振り回される日本①

Leaders of TPP member states
TPPに関する各国首脳の集い(出典:チリ政府)

TPPに関して今まで取り上げる機会がなかったのですが、
TPPを主導したアメリカも変革の時期に来ているので書こうと思います。
最初に明言しますが、私個人は原則的に反対です。

TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)とは
環太平洋の参加国との間で人や物のをなくそうというもので
レベルの高い経済の自由化を目指す協定です。

壁とは移民規制輸入品に関する関税のことで、
そもそも、この壁は自国の経済や治安を守るために設けられているものですが、
これをオープンにする事で、さらなる経済発展を目指そうということです。
これが「第二の開国と言われる所以ですね。

元々は2006年に発効された経済規模の小さい
シンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランド
4か国による経済連携協定でしたが、
経済大国のアメリカの参加表明によって
2010年3月から拡大交渉会合が始まり、
オーストラリア、ベトナム、ペルー、マレーシアが新たに参加。
2012年に北米のカナダとメキシコ
2013年に日本も正式に参加しました。

去年ついに大筋合意に至り、参加国国内での承認に移りました。
GDP合計が85%以上を占める6カ国以上が合意すれば
例え自国で承認が得られなくとも正式に効力が発生、
世界のGDPの4割近くを占める
世界一の自由貿易圏が産まれることになります。

TPP参加も平和安全法案とともに国内を二分する大きな議論でした。
メリット・デメリットは以下のとおり。

★メリット

  • 関税の撤廃により肉・野菜・果物・乳製品などの輸入食品が安くなる。
  • 関税の引き下げにより貿易の自由化が進み日本製品の輸出額が増大する。
  • 整備・貿易障壁の撤廃により、大手製造業企業にとっては企業内貿易が効率化し、利益が増える。
  • グローバル化を加速させることにより、GDPが10年間で2.7兆円増加すると見積もられている。
  • 著作権非親告罪化によって違法コピー等が取り締まられ権利者の権利が保護される。

★デメリット

  • 海外の安価な商品が流入することによってデフレを引き起こす可能性がある。
  • 関税の撤廃により米国などから安い農作物が流入し、日本の農業に大きなダメージを与える。
  • 食品添加物・遺伝子組み換え食品・残留農薬などの規制緩和により、食の安全が脅かされる。
  • 医療保険の自由化・混合診療の解禁により、国保制度の圧迫や医療格差が広がりかねない。
  • 著作権非親告罪化によってコミケなどのパロディ、二次創作文化に大きな打撃を与える。

2012年衆院選挙の段階で与党だった民主党、野田内閣はTPP賛成であり、
一方の自民党はTPP反対を掲げていましたが、政権に返り咲くと一転
TPP交渉に前向きな姿勢となり、2013年に交渉参加国となりました。
安部総理とオバマ大統領の会談によって
『聖域なき関税撤廃』が前提ではないことが
明確となったというのがその理由です。

平和安全法案は
賛成反対が綺麗に右派と左派と分かれていて分かりやすのですが
TPP問題が複雑なのはその区別ができない所です。
常識に考えて保守思想で考えれば
右派は当初の自民党のように反対であるべきですが、
そう割り切れない問題が存在しています。

それはアメリカの存在をどう捉えるかが大きいのです。

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