(出典:朝鮮中央通信) |
北朝鮮が今月に入りミサイル発射を連発しています。
3月10日には短距離ミサイル「スカッド」2発、
3月18日には日本全域を射程圏内に収める中距離ミサイル「ノドン」が、
いずれも日本海に向けて発射されました。
北朝鮮情勢は1月に4度目となる核実験が行われ、
「水爆」の開発成功を表明。
先月、2月7日には「人工衛星」の打ち上げと称して
テポドン2の改良型を発射。
これを受けて3月2日、安保理で制裁決議が採択されたばかり。
今年のスタートから驚くべきペースで北朝鮮の焦りが感じられます。
15日には金正恩が早期の核実験の実地と
数種類の弾道ミサイル発射実験を指示したと報道され
同時に核弾頭の小型化、
弾道ミサイルに必要な大気圏再突入の模擬実験に成功したと
写真付きで発表していました。
北朝鮮は「人工衛星」という建前をついに封じました。
つまり、これはロケット技術が完全に軍事目的であることを
北朝鮮自身が認めたという事です。
この背景には3月7日から行われている
過去最大級の米韓軍事演習があります。
その内容には「斬首作戦」が盛り込まれていました。
「斬首作戦」とはISILのごとく
敵兵の首をナイフで切り落とすという意味ではなく
無用な流血を避け、敵のトップ(首)をピンポイントで狙うと言うもので、
特に北朝鮮のような独裁国家に有効な戦術とされ、
2003年のイラク戦争、2011年のリビア内戦、
ISIL空爆などで米軍が実際に実地したものです。
米韓は金正恩を直接叩く意志を表明したことになります。
金正恩政権の維持が最大目的である北朝鮮にとっては死活問題です。
当然、金正恩の脳裏には
核を放棄しながらも殺されたサダム・フセインが浮かんだことでしょう。
今まで北朝鮮はアメリカと直接対話をして「朝鮮戦争」を解決したかったので
人工衛星というオブラートに包んでミサイル実験を繰り返しましたが、
思惑とは反対に斬首作戦を行われたため
効果が無くなったと見たのでしょう。
このまま関係が悪化していけば北朝鮮の暴走は考えられることです。
この問題に対して残念ながら日本は大きな影響力を持ちませんし、
安保理決議も同様であることは今までの経過を見ればわかるはずです。
結局、核保有国であるアメリカと中国の綱引きでしかありません。
米韓合同軍事演習によって韓国は腹を決め、
アメリカも出来うる対応をしています、
中国だけまだ何もしていません。
つまり現状はアメリカ側の陣地に綱が引っ張られている状況です。
北朝鮮の存在は米中の力が拮抗していることで成り立っています。
朝鮮有事が起こる起こらないは全て中国に掛かっています。
そして日本が朝鮮戦争に巻き込まれないためにも、
やはり憲法改正が必要となるでしょう。
4月には韓国で総選挙が行われ、7月には日本でも参院選、
12月には次期アメリカ大統領が決まります。
政治の節目である2016年が
今後10年間の東アジアを決定づけることになるでしょう。
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