スコットランド独立運動。

Flag of the United Kingdom (1-2)
ユニオンジャック
イングランド、スコットランド、アイルランドの
国旗デザインを合わせた連合王国の象徴だが…

18日、イギリスの北部地方である
スコットランドの独立の是非を問う住民投票が行われた。
住民投票と言えば今年3月のウクライナのクリミア共和国を思い起こすが、
選挙の結果、反対が55%に達しスコットランドは独立とはならなかった。

我々は普段あの島国を単に「イギリス」と呼ぶので違和感があるが
正式名称は「グレートブリテンおよび北部アイルランド連合王国」であり
アメリカ合衆国を「USA」(United States of America)と呼ぶように
「UK」(United Kingdom)と呼び連合王国を意味する。

つまりイギリスは「複数の王国の連合国家」なのである。

グレートブリテン島は北部「スコットランド」南部「イングランド」
そして西部の「ウェールズ」の三つの地方から構成されている。
日本語のイギリスや英国という表記は南部イングランドの色が強い。
歴史的にもイングランド王国が他の王国を吸収していった形である。

現在、イギリスは本島のグレートブリテン島と隣島のアイルランドの北部を含むが
以前はアイルランド全島もイギリス領であった。
アイルランド独立戦争が起こり、アイルランド共和国として独立。
プロテスタント系の北部6県のみイギリスに留まった。

イギリスと言えば19世紀~20世紀初頭に大英帝国と呼ばれ
エジプト、南アフリカ、インド、マレーシア、カナダ、オーストラリアなど
世界各地に植民地を持ち太陽の沈まない帝国と呼ばれた。
イギリスはスエズ運河や喜望峰、シンガポールなど
海路の重要な拠点を統治する事で世界の海洋支配に成功。
「パックスブリタニカ」(イギリスによる平和)
と呼ばれる期間を生んだ。
二度の世界大戦を経て国力は疲弊。第二次大戦後、植民地が次々と独立し、
アメリカ、ソ連の二大国による冷戦に入るまで「世界唯一の超大国」だった。
本初子午線がイギリスを基点としていたり国際語として英語が世界中で使われ、
我々日本人も必須科目で英語を学ぶのも全てその帝国主義の名残である。
そんなイギリスが今や足元の本島を構成する地域の独立運動で騒いでいる。

The British Empire1
在りし日の大英帝国

もしスコットランドが独立するような事があれば
グレートブリテンは最早「グレート」ではなくなってしまう…
恐らく北部アイルランドもイギリスを離れアイルランドに吸収されるのでは?
事前の世論調査で独立賛成派と反対派が五分五分だった事も重大な問題である。
近年、ユニオンジャックにウェールズの意匠がないので
ウェールズ国旗の赤い竜を入れた国旗をデザインする運動
ネット中心に盛り上がったが、
その前にスコットランドやアイルランドの意匠が外れるかもしれない。

日本から遠く離れたイギリスだが、日本にとっても対岸の火事ではない。
9月11日に「沖縄独立」を主な政策とする
大城浩詩氏が沖縄県知事選に出馬表明した。
琉球独立論がじわじわと浸透してきていることは事実である。

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