支那事変とシリア内戦
戦前の支那事変と現在の中東情勢の構図が似ているので図を作ってみました。
シリア内戦と支那事変の三つ巴の戦い
偶然とは思えないほどよく似てます。
袁世凱とフセインの死去。
共に独裁者と呼ばれましたが、
それぞれ死後は反政府運動や暴動が起こります。
独裁者の死がさらに国内の混乱を生むとは皮肉を感じます。
また地域内の傀儡国家として満州国とイスラエルの存在が一致します。
満州国が満州族の国家という名目だったように
イスラエルもユダヤ人の国家として誕生しました。
違うのは建国の経緯、順序です。
満州国は袁世凱が死去して大陸で内乱が起こった後に誕生し、
これを国際連盟が認めなかったことにより日本の連盟脱退に至りますが、
イスラエルは英米など国際連合によるパレスチナ分割決議案に基づいて建国され、
これに反対するアラブ諸国との間で中東戦争が起こり、
その後にフセイン政権がイラク戦争で倒され、現在まで続く中東の政情不安となります。
アメリカは日本の満州事変(満州国)があまりにも完璧に成功したので
満州国を見本にイスラエルを建国したとしか思えない…
もう一つの違いは満州国は五族協和をスローガンに
日本人、朝鮮人、満州族、モンゴル人、漢民族など
多くの移民を受け入れましたが
イスラエルはユダヤ人によるシオニズムの果てに生まれ
アラブ人を追い出してパレスチナ難民を生んだことです。
東アジアでは辛亥革命や満州事変によって
満州族、モンゴル族、チベット族は独立を果たしましたが
中東ではイラン革命を除いてユダヤ人、アラブ人、クルド人などの民族や
シーア派、スンナ派などの宗派が国境をまたがって
バラバラに分布しているいため紛争の火種となっています。
第三極の陰
内乱の中国大陸では第三極として
ロシア革命の影響下から毛沢東の中国共産党が生まれゲリラを行いますが、
アラブの春により混乱した中東地域では
イラク戦争後にISIL(イスラム国)が台頭し国際テロを起こします。
中国共産党はコミンテルン(インターナショナル)の下部組織、
ISILはインターネットを駆使するなど、どちらも国際的組織です。
支那事変では日本(汪兆銘政権)を共通の敵とすることで
蒋介石(米英)と毛沢東(ソ連)が協力して日本を倒した後に
毛沢東により中国が統一され、
満州国は消滅、独立国だったチベットまで占領されます。
シリア内戦はどのようになるのか?
同じ歴史をたどるのであれば米英による世界秩序は崩壊し
ISILによって2020年カリフ国家誕生の目標が実現されます。
イスラエルやクルド人はどうなるのか?
あまり明るい未来ではない気がします・・・。
毛沢東はモンゴルに影響力を持つソ連の後ろ盾がありましたが、
一体、イラクとシリアにまたがるISILには
どんなスポンサーがついているのでしょうか?
この組織が一番危険な気がしますね・・・
後に起る冷戦を考慮して
支那事変で日本と米英が手を組んで共産主義と対決すべきだったことも考えると
対ISILで米ロが協力するのがベターかもしれませんが、
ISILの後ろにいる「?」がわからない状態ではなんとも言えないですね・・・
ISILがイラク戦争後に台頭したことを考えれば
イラク戦争を起こした者が一番怪しい気もしますが、
ロシアや他のイスラム諸国が
ISILの批判に控えめな事もあり、なかなか複雑です(;^ω^)
イスラム革命を成功させたイランが中東和平の鍵かもしれません。
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