ウジェーヌ・ドラクロワ「十字軍のコンスタンティノープルへの入城」(1840) |
今回は世界史のお勉強ですw
世界を代表する二大宗教であるキリスト教とイスラム教。
根っこは同じユダヤ教であり
これらはすべて「預言者アブラハムの宗教」である。
一方、我々日本人を含め韓国を除くほとんどの東アジアは
アブラハムの宗教とは全く異質な仏教やヒンドゥー教である。
それぞれの宗教の詳しい教義は割愛するが、
ざっくりとアブラハム系は「絶対的な唯一神」の存在にひれ伏し、
死後、天国へ行くために神に対して贖罪を行う宗教であるが、
仏教は基本的に現世で修行の末に悟りを開き
「仏(神)そのもの」を目指す宗教であり
インドのヒンドゥー教や日本の神道などの民族宗教は多神教である。
なので一見するとキリスト、イスラムは仲間のように見え
アブラハム宗教と仏教国こそ文明衝突するのではないかと思うが、
現実は全く逆であり、
アブラハム系宗教同士が殺し合いをしてきたのが史実である。
それぞれ「一神教」である事がその原因である。
唯一神GODは共通のものとも言えるが解釈が違い。
基本的に他の神の存在を否定するため対立している。
キリスト教とイスラム教の対立は中世の「十字軍」の時代まで遡る。
十字軍とは、キリスト教の最大権威であるローマ教皇の命により
イスラム帝国下にある「聖地エルサレム」を奪還する目的で
編成されたキリスト教の軍隊である。
十字軍はユダヤ教徒やイスラム教徒を虐殺しながらエルサレムを目指した。
十字軍の遠征路 |
9回に渡って行われた十字軍は一時エルサレム奪還に成功するも
最終的には再びイスラム勢力に取り戻され失敗した。
ちなみに奪還後、エルサレム守護を任されたのが
テンプル騎士団であり後の結社フリーメイソンである。
イスラム教徒は2003年のイラク戦争をこの十字軍になぞらえ
「第10回十字軍」と呼ぶそうだ。
聖都エルサレムは現在、キリスト、イスラム両方の母体となった
ユダヤ教の国家イスラエルの領土である。
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教
これらすべてのアブラハム系宗教における重要な聖地であり、
歴史的にこの地域を自らの手中に収めるため数々の戦いが行われてきた。
宗教戦争、民族紛争は近代以降、
帝国主義やイデオロギーの戦いの中で埋もれていたが
冷戦終結をもって再熱してきた。
本質的には今も十字軍の構造から変わっていない。
キリストとイスラームの対立の歴史を振り返ってみたい。
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