ミリタリーネタが続いたので・・・
先月のX-2(心神)や去年就役したヘリ空母いずも
2010年に配備が始まった10式戦車など
自衛隊が新しい装備を配備したり、防衛省が研究を行うと
ミリオタは喜ぶ一方で、
必ず左派から「税金の無駄遣い」や
「軍拡競争や再軍備に繋がる」という
批判の声が聞こえます・・・
しかし、左翼思想を持つ反戦主義者と言われる
スタジオジブリの宮崎駿でさえ
極度のミリオタなのは有名な話で
本人はジレンマを感じていますが、
必ずしもミリオタが好戦派なわけではありません。
なのでミリオタにとって上記の批判は
ウルトラマンやガンダムを楽しんでみている子供に
「あのビルの崩壊でどれだけの人が死んだと思ってる!」
と言うようなもの。
ミリオタとは本質的には無邪気なものです。
むしろ兵器の必要性を論じない
一方的な批判の方が悪質に感じてしまいます。
兵器=人を殺すもの=戦争
という短絡的な見方しかできないのは残念ですが、
最新兵器は常に科学技術の最先端でもあり、
それそのものが「人類の英知の結晶」であり
一つの「芸術品」のようでもあるのです。
特に航空機を見れば分かりますが、
優秀な兵器は必ず美しい形状をしています。
飛行機に限らず、
原子炉(原発)、ロケットは勿論のこと
パソコン、インターネット、GPSから
電子レンジ、テレビゲーム、デジカメ、携帯電話
また缶詰、腕時計、トイレットペーパーや
カーディガン、トレンチコートなどのファッションまで
これらは今、身の回りに当たり前にあるものですが、
実は全て軍事目的で生まれ、後に民間に転用されたものです。
残念ながら人の歴史は戦いの歴史でした。
この事実から目を背けることは最早出来なくなります。
日本は武器輸出を解禁して軍需産業に戻ろうとしていますが、
大きな経済的効果が期待される一方で、
国内では戦争が起これば利益が増えるという
「死の商人」に対する警戒感は依然強いものがあります。
「戦争によって利益を得るぐらいなら増税も我慢する」
という意見もテレビで流れましたが、
やはり綺麗事としか言えないでしょう。
戦争に限らず、誰かの犠牲の上で生活が成り立っている
というのが世界の真理です。
毎年人類に最大たる貢献をした人々に与えられるノーベル賞で有名な
アルフレッド・ノーベルはダイナマイトを開発し、大富豪となりました。
ダイナマイトは土木工事などで現在も活躍していますが、
兵器としても広く使われたためノーベルは「死の商人」と批判されました。
ノーベル賞のメダル |
子供たちに夢を与え続けるディズニーアニメーションの
ウォルト・ディズニーは第二次大戦中、アメリカ政府に協力して
戦意高揚、反日映画を量産し
この見返りとしてカリフォルニアの広大な土地を与えられ、
ディズニーランドが建てられました。
ディズニーランド全景 |
CC 表示-継承 2.0, リンク
このようにあらゆる物には裏表があるのです。
ノーベルはダイナマイトが戦争で使われることは想定済みで
むしろ「敵味方を一瞬で破壊する強力な物質や装置」があれば
抑止力となり戦争はなくなると考えていました。
戦争自体はなくなっていませんが
ノーベルの考えは核兵器の発明によって半ば証明されたと言えます。
冷戦化の平和やキューバ危機はそれを象徴する出来事だったでしょう。
第三次世界大戦は未だ起こっていません。
しかし低迷する経済状況で世界中の施政者が再び
「戦争インフラ」を起こそうとしているのも事実です。
その標的はシリアからどこへ飛び火するか?
日本が戦争に巻き込まれないためにはどうするべきか?
理想を言えば9条の如く「非武装中立」となるのかもしれませんが、
現実を考えればそれは力の均衡であって、
「集団防衛」しかないのではないでしょうか?
核弾頭を一方が減らせばもう一方も同じだけ減らす、
新兵器を一方が持てばもう一方も持つ
軍縮は一国ではなく世界が協力しながら行うべきだし、
軍拡「競争」自体は戦争の危機を招来するものではなく、
むしろ抑止力なのです。
この意味では四面を核保有国に囲まれている日本の
核武装を否定することもできません。
それをしなくて済んでいるのは9条のおかげではなく
日米同盟という集団防衛体制が機能しているからに過ぎません。
しかし核開発に大きな影響を与えたアインシュタインは
第3次世界大戦でどのような武器が使われるか分からないが
第4次世界大戦は「石と棍棒」で戦われるだろうと答えています。
人類の成長は競争力であって、じゃんけんだって小さな戦争です。
人類は科学技術を放棄することはできないが
文明破壊のリスクも持っている。
科学技術そのものが「人類最大のジレンマ」という認識を持つことで
兵器や戦争、平和を見る視野が広くなると思います。
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