12月8日は日本軍によるハワイ真珠湾攻撃が行われ
米英に宣戦布告、大東亜戦争が始まった日である。
この戦争は学校では「太平洋戦争」という名で教わったが、
何故、私が太平洋戦争と呼ばずに「大東亜戦争」と呼ぶのか？
それはこの戦争の性格を最も忠実に再現する言葉だからだ。
そもそも戦時中は正式に「大東亜戦争」と呼んでいた。
戦後、アメリカ占領下において「大東亜」の語を禁じられ
「太平洋」戦争（The Pacific War）と呼ぶことを強要されたのである。
それは日本国民にこの戦争の最大の意味を知られるのを恐れたから・・・
対戦国アメリカでは「Pacific Theater（太平洋戦域）」と呼び、
欧州戦域、北アフリカ戦域と並んで、第二次世界大戦の戦域の一つに過ぎず、
確かにアメリカ大陸と日本列島との間にある
広大な太平洋を挟んで戦ったわけであるからこれらの名称は理解できる。
しかし、日本の戦争目的を鑑みた時に
この呼称ではスケールが矮小化されていると感じずにはいられない。
アメリカは日本と戦ったが、
日本はアメリカのみならずイギリス、オランダとも戦ったのだ。
大戦当時、20世紀初頭は欧米列強の植民地侵略の最終局面であり、
日本とタイを除きアジアの殆どの国は欧米の植民地支配下であった。
中国大陸はアヘン戦争以来、半植民地状態であり
ヨーロッパ諸国で分割され、残りの土地は辛亥革命以後
国民党、共産党その他多くの軍閥が乱立し内乱状態であった。
イギリス統治のビルマ（現ミャンマー）と
フランス統治の仏印（現ベトナム、ラオス、カンボジア）に挟まれた
タイ王国は両勢力の緩衝地帯として
外交的努力を続け国土を減らしながらもなんとか独立を保った。
日本は幕末にアヘン戦争で無残にも敗れたかつての大国に学び
ヨーロッパに食われないために単独で欧米的近代化を遂げた。
清との戦いに勝利して従来のアジア秩序と決別、
朝鮮を清の支配から解放後保護。
忍び寄るロシアに勝利した日本は国際的名声を勝ち取り、
台湾や中国大陸でのロシア権益を獲得。
第一次世界大戦では日英同盟を理由に参戦。
アジア太平洋のドイツ権益を獲得。パラオなどの南洋諸島を委任統治。
国際連盟の常任理事国として世界の一等国へと成り上がった。
一方のアメリカは植民地国家としては後発であり、
世界大戦で疲弊したヨーロッパに代わって中国利権を狙っていたが、
その前に立ちはだかる日本が目障りだった。
独立戦争から西部開拓。フロンティア消滅後に海洋進出。
ハワイ王国侵略、米西戦争におけるグアム、フィリピン獲得と
太平洋を西へ横断したアメリカはついに対岸の日本とぶつかる事になる。
国際連盟で世界で初めて「人種差別撤廃提案」（米英により否決）
を提出した日本とは反対に
アメリカでは日本の中国侵略を宣伝し「黄渦論」が巻き起こる。
アメリカの政略により日英同盟は破棄され、
中国大陸での日本の利権は以後締め出される事になる。
アメリカは中国大陸における日本の利権を横取りしようと企んだ。
その手は日露戦争で多くの血を流し手に入れた満州にもおよび
満州事変から国際連盟脱退を余儀なくされ、日本は国際的に孤立していく。
米本土でも排日運動が起こり日本人移民は全面的に禁止となった。
その後、米英中蘭による経済制裁（ABCD包囲陣）により
日本には石油が一滴も入らない状態にされる。
当時、石油のほとんどはアメリカから買っていたため大打撃であった。
日本は最後まで外交的努力を続けていたが
中国大陸、仏印からの全警察力、軍事力の撤退、
中国における唯一の政府として親米反日の蒋介石政府を認める事を要求する
「ハル・ノート」を最後通牒と認識し、開戦を決意したのだった。（続く）
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