ISIS日本人拘束事件。

Flag of Islamic State of Iraq
ISISの旗

ついにISIS日本人を人質にとった。
人質は湯川氏と後藤氏の2人で
日本政府に対して2億ドルの身代金を要求してきた。
この法外な数字は安倍総理が中東歴訪中に宣言した
ISIS対策(人道支援)の支援額に相当する。

72時間という回答期限が過ぎ
湯川氏はすでに殺害されたとする動画が新たに公開。
2億ドルの要求を取り下げ
今度は残された後藤氏の解放条件として
ヨルダン政府に対して
拘束中の政治犯を解放するように要求
を変更してきた。

今までの人質事件は
空爆参加国の民間人を捕え空爆を止めるよう当事国の政府に要求し、
それに応じなければ殺害と言うケース(米英 多くが殺害
もしくは身代金目当てであり(仏独 多くが身代金により解放
ISISの目的は単純明確であった。

しかし今回は当初の身代金の設定額を見ても
最初から身代金目的とは考えにくく
要求を変更した点においてもISISの目的は曖昧であり真意が見えてこない
少なくともヨルダンを巻き込むことで
ヨルダンと日本の協力体制を分断する狙いは感じられる。

いずれにしても邦人が殺害されたという
ISIS側の声明は事実確認を取るまでもなく、
そのように判断した上で対策を取るべきであり、
そうであればテロリストに妥協を見せるという選択肢は完全になくなった
つまりISISは日本を完全に米英側と認識したとみるべきである。
第3国がこの事件の巻き添えを食う形となったが、
この事例は今回が初めてであり冷静に国際社会と連携し対応すべきである。

中東から距離もある日本は「ISIS問題」において蚊帳の外であり
今回の中東訪問によってようやく表舞台に現れたところ
いきなり難しい事件にぶち当たった状態である。
日本の立場としてはエネルギー外交で強い結びつきがある
中東地域における影響力、
存在感を発揮したいという目的もあり支援を決定した。
もちろんISISはそこを狙って人質を最大限利用した。
そしてそれをさらに大きいものにしようと企んでいる。
逆に言えばこれを
逆手に取る事が出来れば日本の国際的立場はまた違った形となる

日本の対応に世界中が注視している。

国内では被害者2人の自己責任論が広まっており、
これについては一定の理解はするが、
日本人が被害にあっている限りは国として政府にも責任がある。
政府には後藤氏解放のために最後まで頑張ってもらいたい。
一方の野党マスコミの安倍批判はあたらないと思う。
湯川氏が拘束されている事を知りながら
テロリストを刺激する支援表明をした事を批判されいるが、
テロにおびえて国の政策が左右するようではそれは最早「国」とは呼ばない。

結果論としか言えないのかもしれないが
こうなってしまった以上は
英米と足並みを揃えてテロに対して毅然と立ち向かうしかないだろう。
昔であればそれは戦争を意味し、
かつて日本はテロ報復のために支那事変を戦ったのである。
しかし現在、日本国憲法の制約があり
米英のように表だって現地に特殊部隊を派遣し実力で人質を救ったり、
空爆でテロリストを攻撃することができない。

日本が国際社会でこれからも影響力を保持していくのであれば
テロに向かい合っていかなくてならない。
この点においても国民感情を踏まえたうえで
集団的自衛権のようにいずれ見直さざるを得ないと思う。

現状で日本が欧米以上に中東有力者とのパイプ、
交渉力があるとは考えにくく反撃の手段も持たないため
指をくわえて見る事しかできない。(´・ω・`)

目の敵であるキリスト教圏の欧米ではなく
イスラムの中東諸国とも友好関係を構築してきた
日本がなぜISISに狙われたのか?
これは精査する必要がある。
「日本人だから大丈夫」が通じない
真の「テロルの時代」の到来を意味するのであれば
日本人の安全確保のために安全保障の根本的見直しが必要だ。
2020年には東京オリンピックがある。

イスラム国という表記は使わない
日本政府、マスコミはこの語を頻繁に使うが
この表記には強烈な違和感を覚える。
ISISはイスラムでも国でもない。
イスラムを被った多国籍テロリスト集団である。
後藤氏の母親とされる女性もこれを誤解し
「イスラムの人々」と呼んでいたし、
恐らく少なくない国民が同様の誤解をしている。

自民は「ISIL(アイシル)」、
もしくは「いわゆるイスラム国」と呼称するようだ。

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