パリオリンピックが始まりました。
連日のメダルラッシュや
奇抜な開会式の内容、数々の疑惑の判定など様々世論を賑やかしていますが、
オリンピックは今も昔も政治的な要素が強い国際イベントです。
そして大事なことはオリンピックの外で人の目を盗んで行われているのです。
何かがおかしいパリ五輪
パリは「芸術の都」「花の都」と呼ばれる文化都市ですが、
フランスはフランス革命によってヨーロッパでいち早く王政を廃止した国であり、
近年は移民の受け入れや、
性的少数者に対する保護が進んだリベラルな風潮があります。
今回のパリオリンピックでもお国柄を感じる出来事がありました。
開会式のパフォーマンスでは
ドラッグクイーンやトランスジェンダーたちが
キリストに扮した最後の晩餐のパロディを行い
バチカンのローマ教皇から「宗教的信念をあざ笑うような表現はあってはならない」と
異例の声明が出されました。
またギロチンにかけられたマリー・アントワネットが生首を持って登場するなど
グロテスクな風刺があり、
これにはブルボン家、ハプスブルク家、ボナパルト家、オルレアン家など
ヨーロッパ中の王族からも批判を受けました。
フランスもカトリックの国ではありますが、個人主義が進んでおり、
このように反キリスト・反王室が色濃い演出となりました。
女子ボクシングの試合では
世界選手権では女子選手としての参加資格がないと判断された
XY染色体をもつアルジェリアの選手と対戦した
イタリアの女性選手が途中棄権した出来事について
イタリアのメローニ首相が公平性に対して異議を唱えました。
奇しくもアルジェリアはフランスの旧植民地で
イタリアはバチカンを抱える保守的なカトリック国家です。
疑惑の判定が相次いだ柔道の団体戦で日本代表に勝ち
優勝したフランス代表は全員黒人選手でした。
フランスはアフリカなど世界中に植民地を持っていましたが、
本国と植民地を明確に区別するイギリス式植民地経営と違い
フランスは人権宣言の名のもと同化政策を取ったので、
早くから異民族をフランス本国に引き入れていましたが、
その反動か、国内の異民族に対して強烈な差別意識を持っているのが特徴です。
フランス人が頑なに
フランス語しか話さない事もそういった文化的背景があります。
選手は皆機会均等で戦えると信じたいですが、
正直、レフリー競技に関しては開催国優位のレフリーバイアスがあるのは事実でしょう。
コロナ禍が明けた最初のオリンピックとあって
近隣のヨーロッパからの観客が多く、
特に地元フランスと発祥国日本との決勝は異様な盛り上がりでした。
こうした事から買収があったかなかったかのいかんを問わず
ヨーロッパ勢優位に働いた可能性は否定できません。
無観客だった東京オリンピックとは正反対の状況です。
平和の祭典、多様性など謳い文句はいいのですが、
なんとも後味の悪い展開が多く、SNSでは選手への誹謗中傷が集まり、
互いの国のユーザー同士が相手国を非難するなど、その理念が霞んでしまっています。
五輪旗が逆さ吊りになったのは単純なミスなのでしょうが、
この大会を現すようなワンシーンになっています。
中東戦争のタイムリミット
パリでオリンピックが華々しく始まった一方で
中東情勢はさらなる危険な段階に進もうとしています。
イスラエルが侵攻するガザの停戦交渉が行われる中、
7月31日、ハマス最高指導者ハニヤ氏が訪問先のイランの首都テヘランで
イスラエルによるものとされる攻撃で殺害されました。
ハニヤ氏は5月19日にヘリ墜落事故によって死亡した
イランのライシ前大統領の後任となる
ペゼシュキアン新大統領の就任式典に参加するためテヘランに滞在していました。
イスラエルは殺害の関与を肯定も否定もしていませんが、
ほぼ黒とみていいでしょう。
イスラエルはハマスの幹部は攻撃目標と明言していましたし、
実際にこれまでもハマスの軍事部門トップやヒズボラの幹部が暗殺されています。
イスラエル以上にこの死を望む者はいません。
世界中がオリンピックに夢中になっているタイミングで仕掛けてきました。
こうした動きをみれば
イランのライシ前大統領とブドラヒアン前外相が亡くなったヘリ墜落事故も
偶発的なものだったのか疑わしくなってきました。
イスラエルは4月の初のイランによる直接攻撃を受け、
強力な報復措置を取ると宣言していました。
今回もただハマスのリーダーを殺害したのではなく
イランの首都で実行したと言うところが大きい。
これはハマスへの攻撃だけでなくイランの主権への攻撃でもあるからです、
あくまで抑制的なイラン
イランはハニヤ氏暗殺を受け、イスラエルへの報復を宣言。
シリアのイラン大使館への攻撃、現職大統領と外相を一挙に失ったヘリ墜落、
今回の首都で起きた暗殺事件…
面子を潰されまくっているイランですが、
報復を宣言する一方、全面戦争は回避したい考えで、今のところ冷静です。
7日にイスラム協力機構の緊急会合を要請し、
周辺のアラブ諸国に対してイスラエル報復の理解を得る形で
会合の後、適当なタイミングで報復を行う可能性が高いです。
シリアのイラン大使館が攻撃された事に対する
4月の報復は事前予告をしながら市街地から離れた軍事拠点を狙う
人的被害を極力抑えた抑制的な報復でしたが、
首都で革命防衛隊もいる傍で行われた今回の攻撃に対して
報復レベルも4月以上にしなければ、世論も落ち着かないでしょう
アメリカは急遽、艦艇を中東に派遣し警戒を強めています。
アメリカは双方に自制を持てめてはいますが、
既に大統領選からの離脱を宣言したバイデン大統領はレームダック、
ネタニヤフ大統領は全く聞く耳を持たず、やりたい放題。
イランにも我慢の限界があります。
イスラエルのレバノン侵攻計画
一方、レバノンを拠点とするヒズボラとはガザ侵攻以来、
イスラエルと攻撃の応酬が続いていますが、
7月27日、イスラエルが占領するゴラン高原のサッカー場が狙われ、
12人が亡くなったロケット攻撃について、
ヒズボラが関与を否定する中、イスラエルはヒズボラの仕業と断定し、
レッドラインを越えたとしてレバノンに対して
今までよりも一段と強硬な姿勢を見せています。
事件以後、住民が次々とレバノンを脱出しており、
イスラエルによるレバノン侵攻計画が噂されています。
南部ガザの停戦どころか
新たにイスラエルの北部に戦線が広がってしまうかもしれません。
暴走するイスラエルを誰が止められるのでしょうか?
そもそも東エルサレム同様にゴラン高原も
国際的にはシリア領であり、イスラエルが不法占拠している状態です。
アメリカは口では自制を求めていますが、
実質的にイスラエルに味方し、武器援助を行っています。
報復の内容によっては軍事大国イランとの全面戦争が行われる可能性もあり、
シオニストの策略により、
中東全面戦争が始まるのは時間の問題となっています。
平和とは程遠いオリンピック
フランスのマクロン大統領は以前より
中東におけるオリンピック休戦を提案していましたが、
とてもそんな状況ではありません。
開催中のオリンピックに参加する
イスラエル選手団に対する殺害予告メールが送られる事態となっています。
実際にイスラエル選手11人が殺害された
1972年ミュンヘンオリンピックの再来とならないように願うばかりです。
ミュンヘンの犠牲者は前回大会の東京オリンピックで
初めて開会式での黙とうが捧げられたばかりです。
オリンピックが本当の意味でアスリートファーストになる時は来るのでしょうか?
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