こんばんは。
24日、予想した通りプーチンは東部2州の親ロシア派を国家承認した上で、
ウクライナ東部住民保護を名目に「特別な軍事作戦を実施」として
実質的なウクライナへの宣戦布告を行い
ウクライナへの全面侵攻を始めました。
残念ながらこれは何かもっと大きな事の始まりに過ぎないと思います。
ウクライナ侵攻に対して欧米や日本などG7は相次いで
ロシアに対する追加制裁を発表していますが、その効果は限定的と見られており、
NATO非加盟のウクライナに対しては欧米は派兵せず、
ウクライナがやられるのを黙って見ている他ありません。
こうなってしまった以上、日本にとってロシアとの平和条約は当面ありえません。
追加的に領土を奪おうとするロシアから北方領土が返ってくるはずはありません。
ロシアの論理に従えば今日のウクライナは明日の日本です。
これまで数々の対応策などを述べてきましたが、
これは全てロシアがウクライナに侵攻しないことを前提としていました。
現実に武力侵攻が始まり、首都キエフまで攻撃されている状況では
日本が北方領土奪還を意図した軍事訓練をしても意味がありません。
この教訓から日本が今後取るべき行動はまず防衛力の強化です。
敵基地攻撃能力の保有は当然のこと
確固たる軍事力を持つ事が戦争抑止となり侵略を防ぎます。
冷戦時代のように対ロシアを意識した北海道への軍備拡張も必要です。
ウクライナは平和に慣れ過ぎており、
2014年のクリミア併合以来、まともに対抗できなくなってしまいました。
NATOに参加できなかったウクライナと違って日本には在日米軍がいるので
ロシアも日本に対して迂闊には手を出さないとは思いますが、
そもそもアメリカが弱体化した事が
クルミア併合から今日のウクライナ侵攻を呼び寄せたのは確実であり、
本当に核保有国相手にアメリカが一緒に戦ってくれるのかという部分では疑念が残ります。
そして、さらに恐ろしいのは今回のロシア軍によるウクライナ侵攻が成功した場合に
侵攻の連鎖が世界中で起こる事…つまり中国の台湾侵攻です。
これは第三次世界大戦を意味します。
ロシア、中国の二カ国に接する日本はアメリカの同盟国でもあり、
この戦争に傍観者でいられるはずがありません。
地政学的にはヨーロッパよりも深刻と言えます。
現時点で中国はウクライナ情勢を静観していますが、
このまま欧米がロシアに対して何もできずにいれば
近いうちに中国も台湾侵攻の決断を行う可能性が高いです。
第二次世界大戦でも1939年のナチスドイツのポーランド侵攻によって
英仏がドイツに宣戦布告、まずヨーロッパ戦線が始まり、
短期間で欧州を席巻した枢軸国の破竹の勢いを見て
「バスに乗り遅れるな」をスローガンに日独伊三国同盟を結んだ日本が
ヨーロッパに遅れる事2年、
1941年に真珠湾を攻撃し太平洋戦線が始まって、
日米の参戦で戦火は世界中に広がり、文字通りの世界大戦となりました。
中国が台湾侵攻の準備を整える前に
日本は軍事力を強化して不測の事態に対応できるようにしなければなりません。
現状を考えると国連は完全に機能停止に陥っていると言わざるを得ません。
常任理事国の中露が拒否権を持つという最大の欠陥があります。
今まで安保理改革を怠ってきたツケがついに回ってきたとも言えるでしょう。
敗戦国である日本には敵国条項が残されてきましたが、
G7にアジアで唯一参加し、非常任理事国としては最多の11回も選ばれています。
戦後、敵国条項の撤廃と常任理事国入りを目指してきましたが、
ここに至っては国連に世界の安全保障を期待すべきではありません。
ロシアという核兵器を保有する常任理事国が行動を起こした以上、
第二次世界大戦以降の国連を中心とする国際秩序は崩壊したとみる方が良いでしょう。
日本は自由主義陣営の一員として
国際秩序への挑戦者であるロシア、中国との戦いに勝利して
次の国際秩序の形成の一翼を担っていかなければなりません。
残念ながら軍事的オプションが
北方領土問題を解決する唯一の選択肢となってしまいました。
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