(出典:Korea.net) |
韓国の新大統領に文在寅が選出されました。
これで大統領不在という異常事態は解消されますが、
朝鮮半島有事の可能性が完全に消え去ったわけではありません。
文在寅は左派の「共に民主党」に所属しており、
選挙戦において慰安婦合意の再交渉やTHAAD配備撤回など
朴槿恵路線の否定を鮮明にしました。
「共に民主党」はこれまで
金大中、盧武鉉大統領を輩出し、北朝鮮に融和的な太陽政策を展開、
文在寅はまさに盧武鉉政権で秘書室長として北朝鮮を担当していました。
これはすなわち反日米政権の誕生であり、
結果的には北朝鮮、中国に利する状況となっています。
直前まで半島情勢が緊迫感に包まれていたにも関わらず、
なぜこのような結果になったのか?
朴槿恵路線の否定はほとんどの候補が同様の政策を掲げており、
文在寅の専売特許ではありません。
つまり先日のフランス大統領選のように
EU離脱か否かといった大局的な決断ではなく、
朴槿恵路線の否定という政策は大前提であって、
今回の選挙は政策ではなく単純な人気投票だったのです。
日本ではミサイル発射の報道を受けて地下鉄が止まるなど
緊張感に満ちていたにも関わらず、
候補者の集会で踊ったり、お祭り騒ぎをしたり、
当事国であるにも関わらず、どこまでも緊張感に欠ける韓国・・・
北朝鮮の核に怖気づいて対北融和に靡いたのなら
まだしも、これは典型的な衆愚政治でしょう。
全てにおいて感情を優先するのが韓国社会の特徴です。
セウォル号沈没事故や崔順実ゲート事件という
韓国社会を根底から揺るがす事件を受け、
朴槿恵大統領の支持基盤である保守層も影を潜め、
この期に親北左派が一気に勢力を拡大させました。
連日、マスコミによって大統領に否定的な報道が行われ、
国民も感情に任せてデモを行い、
朴槿恵は弾劾罷免され、大統領を失職し、逮捕されました。
そして、民族の自尊心を守るため、
同胞である北朝鮮ではなく、反日に舵を切る始末。
このように韓国国内では外交ではなく、
内政の立て直しばかりが注目され、
大統領候補たちも世論の支持を集めるために
朴槿恵との差別化ばかりを訴え、
今、朝鮮半島を覆っている黒い霧を見ていないのです。
たしかに内政の立て直しも重要ですが、
大統領の犯罪を持って、
外交上の合意を反古にできる正当な理由にはならないし、
現実的な驚異を蔑ろにすることはできません。
内政はまだしも、外交の失敗は取り返しがつかないことを肝に銘じるべきで、
どんな大統領だろうと選んだのは国民であり、その責任は国民にある。
それが国民投票の重みです。
この点において韓国国民も大統領候補も
崔順実と朴槿恵の二人の女性に全ての責任を押し付け、無責任な印象を受けます。
現在、EU離脱を訴えたルペン氏が当選するように働きがけたとして
アメリカ大統領選に続いて
フランス大統領選でもロシアの関与が仄めかされていますが、
韓国大統領選にも同様に中国や北朝鮮が一枚かんでいるかもしれません。
北朝鮮主導による半島の統一は夢物語では無くなってきました。
しかし、そんな事を韓国国民が本心で希望しているとも思えない。
北朝鮮がいざ攻撃してきた時、途端に日米に擦り寄るようじゃ、
日清戦争、日露戦争、朝鮮戦争から何も学んでいないことになります。
アメリカや日本を始め、
同盟国が不測の事態に備えて様々な圧力を北朝鮮に与えてきたにも関わらず、
一番の当事者である韓国がその輪から抜けるというのは
通常あり得ない話ですが、ありえてしまうのが韓国という国なのです。
今回だけではなく、
日韓基本法、慰安婦合意など幾度も繰り返す謝罪と賠償
世界遺産登録問題における合意の反古、
朝鮮戦争における国連軍としての日本人参戦反対
などなど国際常識を超える異常な対応を
特に日本はその隣国であるという地政学的影響から受け続けてきたのです。
米中首脳会談の習近平国家主席の余裕の笑みは
現在の状況を見越していたのかもしれません。
一方、ここまで武力的圧力を強めたトランプ大統領は
引くに引けない状況となっています。
韓国のレッドチーム入りによって
武力を背景とする解決は日米が望むだけで、
中国や北朝鮮は日米を民族の分断を助長する戦争屋として宣伝しやすくなる。
地理的に遠いヨーロッパは内部にテロを抱え、
中国や北朝鮮に対して強気に出るリスクは取らないだろうし、
ベトナムのようにアメリカが朝鮮半島から手を引けば、
日本だけが孤立してしまうという最悪の展開まで考えられる。
朝鮮三国時代~白村江の戦い~新羅による朝鮮統一
そして元寇までの歴史を辿るような予感がします。
(中華民族と大和民族参照)
中国はいよいよ空母を保有し、大量の航空戦力を東シナ海に展開できます。
海を渡るも一苦労のモンゴル帝国とは違います。
朝鮮半島からTHAADが撤去されれば、日本海方面の防空体制も弱体化し、
中国、北朝鮮の核の優位はさらに増します。
神風が再び日本を守ってくれるという確証はないのです。
こうなってしまう前に日本単独でも行動できるような
軍事力の保持や行使についての法整備を進め、
ロシア、インド、ベトナム、フィリピン、オーストラリアなど
アメリカ以外の国とも集団防衛体制を築けるような
外交関係を早急に構築させなくてはならない。
そういう意味でも「2020年を新しい憲法施行の年にしたい」という
安部総理の発言は一つの明確な目標になると思います。
アメリカも引き続き、様々なチャンネルを駆使して
朝鮮半島の非核化を目指していくとは思いますが、
他国に期待をするという今までの甘い考えは捨てなくてはなりません。
コメント