集団的自衛権と湾岸戦争。

集団的自衛権とは同盟国がある国から攻撃を受けた時
自国が攻撃されていなくても共に仕返しできる権利であり
国連でも認められている主権国家が持つ基本的な権利である。(`・ω・´)

今まで日本は憲法第9条のため
「権利はあるが行使できない」とされてきた。
その憲法解釈を今回の安倍内閣で行使できるように変更した。
「権利」はあるが「行使」できないという言葉があるように
実際に武力を行使するかどうかは高度に政治的判断であり全く別の話である。
つまり安直に行使容認=戦争という感覚に捕らわれるのは間違い。(‘A`)
むしろこの行使容認は戦争回避の抑止力になる。

日本はアメリカと同盟関係にあるが、
今までの憲法解釈だと
アメリカは日本の防衛義務があるが日本はアメリカの防衛義務がなく、
そもそもが不平等な同盟関係である。
その見返りに日本はアメリカに巨額の資金援助と高度な技術提供をしている。
国際政治的にもアメリカに従属するしかない極めて弱い立場にある。(´・ω・`)

現実的脅威があった冷戦期は結果的にそれでうまくやってきたが、
この問題が表面的に表れたのは
90年代初頭の冷戦終結を前後する湾岸戦争である。
イラクがクウェートを侵攻し、
アメリカは各国から出兵を募り多国籍軍を編成した。
各国軍隊が戦地に赴く中、
日本は自衛隊を出さず金だけ出し一滴の血も流さなかった
そのため世界から「卑怯者」扱いされ、
巨額の資金援助したにも拘らず、
戦後クウェート政府の感謝決議から日本は省かれた。
結局は道義の問題である!

イラクイラン戦争では在イラン邦人救出にも後手後手に回り、
日本政府があたふたしてる間にトルコ航空が救出するという
美談にはなっているが改めて考えると極めて恥ずかしい話である。(´・ω・`)
湾岸戦争の反省によりPKO協力法など法整備が行われ、
イラク戦争では自衛隊は復興支援に参加した。

まず冷戦が終結した段階で
集団的自衛権も憲法も日米同盟も見直す重大な機会だった。
ソ連との対決の可能性が無くなったのに
日米同盟を冷戦期と変わらず堅持した事は
日露平和条約、北方領土問題を後退させるには十分な要因だった
と思うし、
そもそもアメリカの方から先に見切りをつけてきた。
ソ連と言う敵国が無くなった後、
次なる仮想敵国は世界第二位の経済大国である日本であった。

80年代後半から90年代初頭にかけて
貿易摩擦によるジャパンバッシングが展開され
この頃のアメリカ映画は
第二次大戦期の戦意高揚映画のごとく反日映画が量産された。
「ダイ・ハード」「ロボコップ」「グレムリン」
「エイリアンシリーズ」「タッカー」「ガン・ホー」

この事実をきっちり認識しなくてはならない。
アメリカは冷戦後、
中東紛争に介入しながら日本憲法の不備による不平等な日米同盟を盾に
日本の巨額の金と高度な技術は
どんどんとアメリカに流れていくシステムを構築してきた。
バブル経済、その後20年にわたる世界最長の不況、
国産航空機開発の妨害(F2)、

小泉時代の郵政民営化もその影響下で行われてきた。

戦後日本は完全なるアメリカからの独立のチャンスを逃した。

これら戦後レジームの呪縛は
民主党の政権交代を受けこじれて更なる混乱を招いた。
湾岸戦争、ソ連崩壊から20年後の2011年、
東日本大震災が起こり政権は自民党に戻った。
世界では中東で民主化革命が起り、アメリカの一極支配が崩れ始めた。
今回、ロシアはアメリカの弱体ぶりを見て
「ソ連帰り」とも取れる行動を起こしてクルミア半島を併合した。

日本に再びチャンスが回ってきた。
この流れに取り残されると湾岸戦争の失敗をまた繰り返すことになってしまう。

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