ウクライナ危機と日本外交。

こんばんは。
ウクライナ情勢が緊迫化しています。
ウクライナ国境付近にロシア軍が集結、
NATO軍とウクライナを挟んでにらみ合っており、
いつ戦争が起きてもおかしくない状況です。
実際に戦争が起きれば
第二次世界大戦以来の大規模な地上戦が展開される可能性が高いです。

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アメリカの弱体化とウクライナの独立

元はと言えばウクライナは旧ソ連の一部であり、
歴史的にロシアの影響が強い地域です。
ロシアから見ればウクライナは黒海への出口であり、
北にあるベラルーシと共に西側との緩衝地帯です。
ウクライナがEUに加盟し、ロシア組から抜ける事は
なんとしても避けたいのがプーチンの本音でしょう。
しかし、ウクライナにはウクライナ人という
固有の文化を持つ民族が存在しており、
ソ連崩壊後、独立国家となったウクライナにとって
いつまでもロシアの都合に振り回される訳にはいきません。

ソ連崩壊後、東欧への影響力を弱め、
対テロ戦争でもアメリカと協調路線を取っていたロシアですが、
近年はソ連返りとも言える強硬路線に転じ、
西から拡大するEUに対抗して2014年、クリミア半島を併合しました。
この背景にあるのはアメリカの弱体化です。
シリア内戦介入の失敗やイラク・アフガンの撤退など
アメリカの求心力はオバマ政権以降低下しており、
そのアメリカを横目にロシアはやりたい放題です。
クリミア併合後もウクライナ東部で親ロシア派の反政府勢力に武器を与え、
「リトル・グリーンメン」という覆面軍隊を送り込んでいます。

2014-03-09 - Perevalne military base - 0162
クリミアに展開する「リトル・グリーンメン」と呼ばれる国籍を隠した部隊
(出典:Anton Holoborodko (Антон Голобородько))

係争中のロシア、ウクライナと
EUの主要国であるドイツ、フランスの4カ国による枠組みで
停戦合意が確認されているものの、ウクライナ内戦は収まりそうにありません。
ロシアによるウクライナの内政干渉に国際社会は有効な対応が取れていません。
バイデン大統領が「小規模な侵攻なら欧米は難しい対応を迫られる」
なかば侵攻を容認するかのような発言をし、
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領がすぐさま反論、
バイデン大統領は発言を撤回しました。
アメリカとロシアのパワーバランスで
辛うじてウクライナが独立を保ってきたことがよく分かる出来事です。

日本はどうするべきか?

域外国である日本にとって
ウクライナ情勢はどこか対岸の火事ですが、
ここでの対応を誤ると大変なことになります。
過去の世界大戦も全てヨーロッパで始まりました
第二次世界大戦で日本はヨーロッパ情勢を見誤り、破滅に至りました。
日本はこうした状況下であるにも関わらず、
ロシアとの平和条約交渉を前に進めようとしています。
安倍政権下で推し進めた積極的なロシア外交の背景には
中国を孤立化させるという戦略があり、一定の効果はありましたが、
今のウクライナ情勢ではこれまでのロシア外交も見直す必要があります。
このまま日本がウクライナ問題を不問にしたならば
万が一、中国が尖閣を取りに来た時、
ヨーロッパからの支持は得られないでしょう。

日本は北方領土の餌につられてテーブルに着くのではなく、
自ら交渉の席を立つことを覚えなくてはなりません。
それは北方領土を諦めるのではなく、実力を持って取り返す意志を示すのです。
ロシアはウクライナ侵攻に向けて極東シベリアの軍も西部に移動させており、
極東方面の防備が手薄になっています。
これは実際に自衛隊によって奪還作戦をやれと言っているのではなく、
例えば、維新時代の丸山穂高議員が発言した
「北方領土を戦争で取り返す」といったニュアンスの言葉を
ブラフとして安倍元総理はじめ閣僚経験者級に言わせるだけでも効果があります。

東西に長い領土を持つロシアは伝統的に両面作戦を展開されるのを嫌います。
もしかしたら東から日本やアメリカが侵攻するかもという恐れが
ウクライナ侵攻を思いとどまらせることに繋がり、
領土問題についてロシア側からの譲歩を引き出させるのです。

ウクライナ人と日本

Flag of Ukraine
Flag of Japan

一見、日本人にとってウクライナは遠いヨーロッパの国ですが、
ウクライナ人と日本には深い関係があります。
ロシアに支配されたウクライナ人の多くが極東のシベリアに移動し、
日露戦争ではロシアの尖兵として日本軍と戦ったものの
密かに日本と協力して日本海を挟んだ日本の隣の沿海州に
緑ウクライナという独立国を作ろうと画策し、
ロシア革命の際、共産党から日本に逃れた白ロシア系の大半を構成するなど
実は日本にとってロシアよりも近い存在なのです。
日本は北方領土、ウクライナはクリミア半島をそれぞれロシアに奪われており、
日本は原爆投下と福島原発事故、ウクライナはチェルノブイリ原発事故
お互いに大きな被曝経験を持っている事も似ています。
こうした状況だからこそ
日本はウクライナと積極的に接触し、ロシアに圧力を加えるべきなのです。

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