パリ同時多発テロ。

Flag of France
トリコロール

11月13日(金曜日)、フランスの首都パリで大規模なテロ事件が発生。
中心部のコンサートホールや北部のサッカー場など、
1時間の間に7カ所で発生したテロによる死者は120人を超え、
オランド大統領は非常事態を宣言、国境を封鎖し、
ボルドー行われている
フィギュアスケートの大会が急遽中止になるなど大混乱となっている。

またしてもパリでテロが起こってしまいました。
今年一月にはシャルリー・エブド襲撃事件が起こり
その後もテロが頻発したため
フランスは世界で最もテロ警戒の厳しいところであったにも関わらず…

このテロに関してISILが犯行声明を出しています。
テロの首謀者として名前が浮上しているアブデルハミド・アバウド容疑者
フランスの隣国ベルギーの出身でシリアとベルギーを行き来しており
犯行はシリアで計画され、ベルギーで組織されたものとされています。

フランスはフランス革命が起こった近代民主主義の原点とも言える国家で
「自由・平等・博愛」を国是とし、
19世紀にはイギリスに次ぐ植民地大国として君臨しましたが、
第二次大戦後は積極的に移民を受け入れてきました。

パリには行ったこともあるし
日本と身近な国であるため、このニュースは衝撃でした。
事件の全貌についてはまだ掴めてはいませんが
シリア難民を受け入れていたヨーロッパ諸国で
いずれテロは起こりうるとも感じていました。
シリアの旧宗主国であり、
ISIL空爆作戦に参加しているフランスは格好の的になりました。

「日本でも起きるのではないか?」と不安を煽るような事件ですが、
これがテロリズムの真の狙いなので
怯む事なくテロと戦う国家を支援し続ければなりません。
なぜなら日本はすでにISILから
宣戦布告を受け、実際に邦人が犠牲になっています。

フランスはアメリカと同じく移民の多い国ですが、
日本は移民の規制が強く、中東から距離もあり、
尚且つ国内のイスラムコミュニティが弱いので組織が作りにくい。
ISILの攻撃目標としては優先順位が低いでしょう。
一説には今回のテロは
ISILが空爆により追い詰められてる証拠だとする声もあります。
だとすれば日本国内のテロ実行はさらにリスキーでしょう。

しかし、ISILは今までのテロ組織と違い
ネットを駆使して多国籍な組織となっているので
日本人であっても西洋的近代世界を否定しイスラムに救いを求める若者が
ISILに参加し、日本でテロを起こす可能性を否定することもできない。
実際に北海道大学の若者がISILに参加するため
シリアへ入国しようとした事件がありました。

ISILは2020年にカリフ制国家復興を目指していますが、
未来のことは予想不可能です。
日本も2020年東京オリンピックを控えて国際的イベントが増えてきます。

テロ対策は厳重にならざるを得ないでしょう。
対テロ戦争の歴史を紐解くと「憎しみの連鎖」という言葉が過ぎりますが、
一方の意志が折れるまで対テロ戦争が終わることはないでしょう。
日本人も支那事変を経験し、日本赤軍などの過激派ゲリラと戦ってきました。

イスラムと宗教的対立のない日本だからこそ「憎しみの連鎖」を断ち切り、
テロ問題で貢献できる事もあるはずだと言う意識は常々持っていましたが
テロの国際化によって、その時代も終わりを迎えたと言えます。

テロは目的達成が全てであって攻撃目標の国籍や身分はどうでもいいのです。
出来るだけ少ない犠牲で出来るだけ多くの利益を手にできればいい。
テロは海の向こう側のことではなく
人類共通の問題として捉える認識を持てば持つほど
空爆に参加する事はなくとも
フランスや米英の陣営に立つほかないだろうと思います。
しかし、これはテロリズムに対してであって、
イラン、シリアなどイスラム国家と
イスラエルや欧米の国家間紛争はこの限りではありません。

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