2023年の振り返りと2024年の予想。

Flag of Japan

新年が始まりました。
この記事を書いていたら元日にも関わらず
北陸地方で大きな震災が発生してしまいました。
お祝いの言葉を述べるのも憚られる状況ですが…
一先ず昨年の出来事を振り返りつつ、
新年早々先行きが不安な今年を考察していきたいと思います。

2023年は投稿数がぐっと少なくなりました。
2022年に安倍元総理が凶弾に倒れたのが主な要因で、
それからしばらく投稿をお休みしていました。
2023年で起こった様々な政治的出来事は
安倍元総理暗殺を起点として起こったような気がしてなりません。

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「政治と宗教」から「政治とカネ」へ

まずは4月の岸田総理襲撃事件
まさに22年7月に起きた安倍元総理襲撃事件の模倣犯でした。
これはテロ行為そのものの模倣ですが、
犯人の動機は岸田総理の政策に反発したという政治的理由でした。
一方で、安倍元総理襲撃の動機となった
自民党と旧統一教会の癒着から「政治と宗教」問題が提起され
10月には旧統一教会の解散請求まで一気に進みました。
この問題は創価学会と深い関係を持つ公明党にも衝撃を与えました。
統一教会という宗教法人の活動に問題があった訳ですが、
関係者と会ったというだけで政治家が問題視される狂気じみた追及が行われました。
自民党以下国政政党のみならず
地方自治体まで統一教会関係のあぶり出しが行われ、
安倍元総理の前に清和政策研究会の会長を務めた細田博之 前衆議院議長
自民党と旧統一教会の癒着を象徴する人物でしたが、
多くを語らないまま11月に急死されました。
これをもってマスコミの追及はやや弱まった感があります。

Hiroyuki Hosoda 20121002
疑惑を残してこの世を去った細田博之氏

しかし、代わりに出てきたのが安倍派(清和会)の裏金問題でした。
「政治と宗教」から「政治とカネ」に切り替わったのです。
この一連の出来事はまさに安倍一強時代の清算です。
自民党最大派閥の安倍派(清和会)は
森喜朗、小泉純一郎、福田康夫、安倍晋三の4首相を輩出してきましたが、
安倍元総理が亡くなって以降、会長空位のままその歴史を閉じようとしています。
松野博一官房長官西村康稔経産相
鈴木淳司総務相宮下一郎農水相の4人の安倍派閣僚が更迭。
萩生田光一政調会長、世耕弘成参院幹事長など
台湾との関係も深かった安倍元総理の後継者も辞任しました。
政権中枢から安倍派が追放されたことで日台関係にも影響が出るかもしれません。

派閥を巻き込む陰謀の匂い

パーティー券のノルマ以上分の売り上げのキックバックを
政治資金収支報告書に記載しなかった事を持って
裏金と表現してしまうのはやや正確性に欠けるとは思いますが、
自民党の派閥がこうしたキックバックを行ってきた事自体は
関係者にとって公然の秘密状態だったので
この時期にマスコミが取り上げだしたのは何かキナ臭さを感じてしまいます。

Toshihiro Nikai and Shinzō Abe
安倍元総理と二階元幹事長

検察の捜査対象が安倍派(清和会)二階派(志帥会)だけなのも気になります。
2016年の自転車事故で負傷した谷垣氏に代わって
二階氏は自民党幹事長に就任しました。
安倍長期政権で政権運営は清和会、党人事は志帥会が担って来たわけです。
清和会も志帥会も保守傍流といわれる自民党の、旧民主党系の流れを汲みます。
表向きは捜査対象が議員個人か派閥かの違いだそうですが、
岸田総理が安倍派の閣僚を更迭しつつ、二階派は更迭しないという
やや露骨にも思える人事を行った事で
安倍元総理の影響力を無くした図体だけはでかい清和会を解体し、
資金力のある二階派を取り込もうとする岸田総理の宏池会他、
自民党の、旧自由党系の保守本流が仕組んだ陰謀を疑ってしまいます。

またマスコミが清和会をこの期に及んで安倍派と言い続ける事は
死んでもなお安倍元総理を貶めたい死屍に鞭うつえげつなさを感じます。
岸田内閣は安倍派の閣僚を一掃する事で、安倍派の問題に留めたいのでしょうが
二階派や麻生派、そして自身の岸田派にも裏金疑惑が持ち上がっている状況です。
首相になったら派閥の長を辞めるのが通例だったのに
岸田総理はずっと岸田派(宏池会)会長の座を守り続けていました。
「総理になりたいだけ、総理でいたいだけ」、
権力に固執していると批判されていましたが、
派閥とカネの問題が出てきた事で居心地が悪くなったのか、
ようやく宏池会の会長を辞めました。

増税メガネとその行方

岸田総理はこれまで旧統一教会とは関係を持ったことは無いとしていましたが
政務調査会長だった2019年にアメリカの元下院議長と面会した際、
旧統一教会の友好団体トップらが同席したとみられる写真が報じられました。
これに対して「同席者は承知してない」とあくまで関係を否定、
裏金問題に関連して岸田派のパーティー収入の過少記載を問われると
「事務局にしっかり責任を果たさせたい」と発言し、
違法性はさておき、のらりくらりと責任をかわそうという姿勢が見て取れます。

岸田首相は就任時から「聞く力」をキャッチコピーにしましたが、
検討ばかりでちっとも実行しない「検討おじさん」と批判が噴出、
かと思えば唐突に防衛増税を決めて「国民の責任」と国民負担を強要し、
突然の発表には安倍派からも反対の声が上がっていました。
2023年の今年の漢字は「税」が選ばれたように
検討おじさんから増税メガネになった岸田総理にとって非常に厳しい1年だったでしょう。
盟友安倍総理の死と自身の身に降りかかった襲撃を乗り越えて
5月に出身選挙区の広島でG7を開催、
核保有国のトップやウクライナのゼレンスキー大統領が来日し
多くの国家元首がヒロシマの原爆平和記念資料館を訪れ、記念碑に献花し、
韓国のユン大統領と関係改善に邁進するなど、
外交的成果を上げて一時は支持率もV字回復していました。

歴代政権はG7後に選挙を行って勝ってきたのに
なぜ6月に衆議院を解散できなかったのか…
今となっては岸田総理自身が一番後悔しているでしょう。
その後、秘書を務めた長男の不祥事もあり支持率は再び下落。
第二次岸田第二次改造内閣を発足させ、年内の衆議院解散を見送りました。
こうしてずるずる来ている所に安倍派の裏金問題が発覚し、
支持率は歴代最低記録を更新、苦しい年末年始を迎えているのです。
ネットではあの時に死んでいればよかったなどと
暗殺未遂事件を引き合いに出し、テロリストの肩を持つ意見まで出る始末です。

自民・公明・国民民主の連立構想

選挙が出来なかったのは公明党との関係もあるでしょう。
5月の時点で公明党による
次期衆院選挙の東京選挙区での自公協力解消がありました。
公明党は東京選挙区に限った話で国政における自公連立は維持するとしましたが、
それから自民党は首相補佐官に元国民民主の参議院議員を起用するなど
国民民主党に秋波を送る形となっていました。
国民民主党は政権に近い姿勢を取る玉木雄一郎代表
麻生副総理茂木幹事長などと水面下で連立に向けて交渉をしていましたが、
党内や支持母体の連合の反発もあり難航していました。
しかし、非自民・非共産の野党結集を志向する前原誠司との代表選を大差で勝利し、
敗北した前原氏を中心に玉木路線を嫌う議員たちが新党を結成、国民民主党を離党した事で
自民党内に自・公・国連立構想がにわかに盛り上がってきたのです。

一方の公明党は国民民主を与党に招き入れる事に否定的ですが、
11月に公明党を立ち上げた創価学会の池田大作名誉会長が亡くなります。
求心力の低下は免れないでしょう。
自民党は国民民主との関係を強化する事で
東京で離反を繰り返す公明党の今後の動きを
見極めたいという考えもあったに違いありません。
ハト派の宏池会のイメージのせいで薄れていますが岸田総理は
タカ派と呼ばれた安倍総理よりも分かりやすく大胆に軍拡を推し進めています。
憲法改正については連立を組む公明党よりも国民民主や維新の方が前向きなのです。
党内派閥の探り合い、公明党との調整、野党との選挙協力について
総合的に考える時間が必要だったのかもしれません。

衆議院の任期は25年10月までですが、自民党総裁の任期が24年の9月までであり
支持率や裏金問題に揺れる派閥政治の状況では再任が厳しいとみられます。
それまでに衆院解散、総選挙に踏み切る可能性が非常に高いです。
どうやって支持率を回復させるかという点で頭を悩ませている事でしょう。
国民民主も裏金問題に揺れる自民に近づく事に警戒感があります。
ただ今は与野党ともにオールジャパン
北陸の震災の迅速な対応や支援、復興に全力を挙げるべきでしょう。

2024年の予想

2023年にコロナは5類に移行し、4年近くに及んだコロナ禍は事実上終了しました。
しかし第三次世界大戦(コロナ戦争)が終結したわけではありません。
2022年のロシア軍のウクライナ侵攻に続き、
昨年はイスラエル軍のガザ侵攻という新たな戦域が開かれました。
パンデミックというコロナウイルスの拡大はひとまず収まりましたが、
今度は戦争の拡大が始まっているのです。

2024年は世界的な選挙の年です。
1月にはまず台湾総統選が控えています。
結果次第では台湾問題に大きな変化が現れるかもしれません。
2月にはインドネシア、3月にはロシア大統領選が行われます。
ロシアはプーチンの独裁が確立されており、無風選挙に終わるでしょう。
4月には4年に1度の韓国総選挙が行われ、与党が敗北すると
日韓関係改善に取り組むユン大統領が主導権を得られなくなり、
日韓関係に影を落とす可能性があります。
本日、最大野党「共に民主党」の李在明代表が何者かに襲撃されましたが、
選挙にどのような影響が出るかは未知数です。
4月~5月にはグローバル・サウスの盟主であるインド総選挙
6月にはブレグジット以来初めての欧州議会選挙が行われます。
ウクライナへの支援疲れが指摘される中、
人々がどう決断していくのか注視していく必要があります。
そして、締めくくりの11月にはアメリカ大統領選が始まります。
バイデン続投か、トランプ復活か目が離せない状況です。

日本においては7月に東京都知事選、9月には先述の通り自民党総裁選が控えており、
衆議院総選挙も総裁選前に行われる可能性が高い。
7月の東京都知事選の結果如何によっては
国政の構図も大きな変化が現れるかもしれません。
台湾有事を防ぐためにこの1年が本当の正念場と言えるでしょうが、
さっそく日本は震災という先制攻撃を受けています。
このタイミングから考えて日本は次のターゲットであり、
もう臨戦態勢に入ったと捉えるべきです。

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