復活の日。

3月11日、ついにWHOが新型コロナウイルスに対して
パンデミック(世界的流行)を宣言しました。
感染者がアジアのみならず欧米でも爆発的広がったことが背景にあります。
あれほどクルーズ船の日本の対応に批判が殺到していたのに
いざ、自国の問題になると皆だんまりです。

日本はクルーズ船ダイヤモンドプリンスに対して
14日間船内待機を命じましたが、
この間に船内で続々と感染者が検出され、
乗客も過酷な生活を強いられたため、人道面でも批判が噴出しました。
イタリアに寄港したクルーズ船コスタスメラルダ
一時足止めされた後、6000人強の乗客はわずか12時間で解放されました。
この迅速な対応と比較して日本を批判する意見があるようですが、
そもそもダイヤモンドプリンスはイギリス船籍
日本入港時点で感染者が確認されていました。
コスタスメラルダは自国イタリア船籍なので
感染疑惑のある二人の検査で陰性が分かった時点で
速やかな下船を始めただけでダイヤモンドプリンスとは条件が全く違います。

イギリス船籍のダイヤモンドプリンス
日本の領海に入るまでは原則的にイギリスの法律が適応されるため、
日本が防疫対策を取ることは不可能でした。
既に1月30日にWHOが緊急事態宣言を出したにもかかわらず、
船内では通常通りパーティーが行われており、
日本の領海に入った時点で既に感染が広がっていた可能性が高いです。
イギリスは自国籍であるにも関わらず対応を日本に丸投げです。
下船が始まり、他国の乗客は帰国して治療等を受けているにもかかわらず、
イギリスはしばらく乗客の帰国を認めておらず、
感染者の治療も日本で行われていました。
一方、早期帰国のためチャーター機を飛ばしたアメリカですが、
日本はもともとダイヤモンドプリンスを運行するアメリカに対して
アメリカ人の早期下船と帰国を提案してましたが、
アメリカ側が感染リスクを警戒して
船内待機を主張していたことも明らかになりました。
このように船籍はイギリス、船主はアメリカ、発着地は日本
責任の所在が曖昧な中で日本はできる限りの対応をしたと思います。
日本だけが批判されるのは違うと思います。

クルーズ船とイタリアでのアウトブレイクの関係はないという事ですが、
今やイタリアの感染者は韓国を超え、世界で二番目という事で
なんとも皮肉な展開となっています。
これまで中国全土から周辺のアジア諸国で感染が広がり、
日本に寄港したクルーズ船での集団感染
新興宗教の集会から爆発的に広がった韓国など
アジアが注目されることが多かったため、
一部でアジア人に対する差別が広がった部分もありましたが、
もはやアジアだけの問題ではなくなりました。
手洗いやうがい、入浴などの習慣が根付いている
日本はなんだかんだギリギリのところで感染拡大を食い止め、
感染源である中国、爆発的に広がった韓国でも
黄砂の影響で日常的にマスク着用の習慣があるので
新たな感染者は減少傾向にありますが、
問題は握手やハグなど人と人の距離が近い欧米です。
イタリア人の楽天的な国民性も災いしてか、防疫に完全に失敗しています。
そして感染はシェンゲン圏を通してヨーロッパ(EU)全体に広がりつつあります。
ISILのテロを乗り越えたと思ったら次はコロナです。
トランプ大統領は感染拡大を受け国家非常事態宣言を出し、
ヨーロッパからの移動を制限しました。
カナダ首相夫人、スペイン首相夫人など
感染は国のトップのすぐそばにまで広がっています。

習近平来日も延期になりましたが、
この世界的流行を見ると東京オリンピックも相当疑わしくなってきました。
孤立主義を取るアメリカ、EUを離脱したイギリス、
こうした動きに拍車をかけるかのような歴史的な事件となりそうです。
日本はイギリス同様、島国であることが
感染拡大の防波堤になっていると言えるかもしれませんが、
東京オリンピックに向けて移民拡大(外国人労働者)
インバウント政策による観光立国へと舵を切ってしまった現状で
経済的損失が大きすぎます。
こうなってしまった以上は大胆な減税などの対策が必要と言えるでしょう。
2020年代早々に先行きが読めない展開となってしまいました。

考えたくもない話ですが、
パンデミックを描いた小松左京原作の角川映画
「復活の日」を紹介しておきます。
感染源は武漢ウイルス研究所からのウイルス漏洩であるという疑惑があり、
中国外務省の報道官はこれに反論するように
「アメリカ軍が武漢に持ち込んだ可能性がある」とツイッターに書き込みました。
今まで陰謀論の範囲に過ぎなかった細菌兵器の話
感染源の国の代表が持ち出すというとんでもない事態です。
映画では不慮の事故から細菌兵器が拡散された世界を描いています。
公開年は1980年で、バイオハザードよりも遥かに昔ですが、
今一番リアルに感じられる時期だと思うので
不安を煽る意図はないですが、
外出自粛で休暇を家で過ごすようでしたら
アマゾンプライムで鑑賞されてはいかがでしょうか?

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