仏教とは釈迦(ゴータマ・シッダールタ)を開祖とする宗教で
仏陀(目覚めた人)の説いた教えである。

キリスト教をはじめとするアブラハム系宗教は、
天国と地獄という二元論的な世界観を持つ。
特にキリスト教は、死後に天国へ至るためには唯一神(God)への信仰と服従が不可欠であり、
アダム以来の原罪を背負う人間は贖罪を通じてのみ救われるという、
人間性を根本的に堕落したものとみなす「性悪説」に近い教義を有する
(ただし、原罪の概念はイスラム教やユダヤ教には存在しない)。
これに対し、仏教は輪廻(生まれ変わり)の世界観を持ち、
「一切衆生悉有仏性」に示されるように、
修行によってすべての人々が仏(神)となり得るとする「性善説」的な側面を有している。
目的は天国に行くことではなく、輪廻そのものから解脱し涅槃に至ることである。
大乗仏教と上座部仏教
仏教はインドで誕生した宗教であり、
大乗仏教と上座部仏教に大きく分けることが出来る。
大乗仏教はアフガニスタン、中央アジアを経由して中国、朝鮮を経て日本に入った。(北伝)
上座部仏教はスリランカ、タイ、東南アジアに広がった。(南伝)
仏教は本来、修行の上悟りを得る教えであり、
上座部仏教はそれを忠実に守り、厳格な出家主義である。
修行僧は人々の尊敬の対象であり身分が高く、一般人がそれを支えている。
一方、日本に入った大乗仏教は在家主義であり、
仏門に入らなくとも修行者の説法によって人々が広く仏教を信仰することができると説く。
選民思想のユダヤ教と万民を救うキリスト教、
またイスラム教におけるシーア派とスンニ派のようなものだが、
アブラハム系は一神教であり、教えは一つとされたため、激しく内紛したが、
仏教は各々の修行のあり方であり、他宗派に比較的寛容だった。
※仏教原理主義(オウム真理教とハルマゲドン参照)も存在し、
ミャンマー国内では多数派仏教徒による少数派イスラム教徒(ロヒンギャ)の迫害もある。
日本で完成された宗教
仏教は世界三大宗教(キリスト教・イスラム教・仏教)の一つに数えられるが、
信者数ではインドの民族宗教であるヒンドゥー教を下回る。
このように発祥の地インドではヒンドゥー教に駆逐され、
中国では共産党による文化大革命であらゆる宗教・文化が荒廃した。
北朝鮮は国家無神論を標榜し、公に宗教活動はできない。
韓国は米軍の影響を受け、東アジアでは特異なキリスト教国家となっている。
さらに、中央アジアや東南アジアにはイスラム教が浸透し、
インド仏教の古い教えを受け継ぐとされる
チベット仏教も、中国共産党の弾圧を受けている。
現在、スリランカ、タイ、ミャンマー、ベトナム、台湾などが
比較的仏教文化を保っているのみである。
北伝仏教においては、日本だけが神道と共存・融合、国土全体に深く浸透した。

日本には世界最古の木造寺院である法隆寺が現存し、
仏教の理念はシルクロードの終着点である日本において一つの完成形を見たとも言える。
アジアの伝統音楽である雅楽も、仏教同様、日本だけに受け継がれている文化である。
しかしながら日本においても世俗化が広がっており、
多くの日本人が「無宗教」と考えているのも事実である。
だが、日本人である以上は本人の意思に関係なく天皇を頂く神道信者であり、
(ここでいう神道は神社神道ではなく、日本文化の基層としての神道である。)
仏式の葬式を行い、ほとんどが何らかの寺院に墓を持っている。
神道・仏教・儒教が日本の三大宗教と呼ばれているが、
その宗教観は長い歴史の中で生活に深く浸透しており、
寺社といった宗教施設に頼らずとも、
家庭や学校など日常生活の中で道徳的価値観が涵養されてきた。
これは、日本人の歴史的に高い識字率に象徴されるように、
寺子屋に始まる充実した教育体制が背景にある。
戦前、絶大な権威を持ち「現人神」とされた天皇を挙げるまでもなく、
現代でも「神ってる」という流行語が示すように、
日本人は生きている人物であっても偉業を成し遂げた者を崇敬の対象とする。
日本人は皇室を頂点とする神の子孫であり、
どのような罪人であっても死後は仏となり供養される。
このような価値観は、日本人の文化的DNAとして継承されている。






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