衆院選2024。

こんばんは。
今年も残すところ2カ月になりました。
今年は世界的な選挙イヤーですが、
日本では7月に東京都知事選があり、9月に自民党総裁選が行われました。

東京都知事選はサプライズなく手堅く小池都知事が三選、
自民党総裁選を巡っては当初、
岸田総理が再出馬すると見られていたので、
総裁選前のタイミングで衆議院を解散する可能性がありましたが、
支持率は回復せず、お盆前に不出馬を表明。
裏金問題を受けて早期解散すべきだという意見も根強かったですが、
新総理が10月1日に誕生する事になったので、
新政権の政策の評価を見定めるためにも
解散は来年に持ち越しになるのではないかという説もありました。

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最速解散

2025年7月には参議院選挙も控えており、
衆参同日ダブル選挙の可能性は低いとはいえ、
混沌とする世界情勢の中では11月のアメリカ大統領選を含めて
2024年に世界であらかたの新体制が出尽くした段階で
2025年に日本で国政選挙を行う
というのが個人的に最も理想的だと思っていました。

しかし、新総裁に選ばれた石破氏は9月30日、
首班指名を受ける前に総理に選ばれたらと前置きを入れつつ、
10月9日解散、10月27日投開票を表明する異例の展開となりました。
新政権誕生で支持率が高いうちに
解散すればダメージも少ないと考えたのかもしれませんが、
この選挙期間中にも世界では様々な事が起こりました。

ヨーロッパの戦争がアジア太平洋に波及する可能性

ウクライナ戦争で新たな局面です。
ウクライナの戦線に北朝鮮軍が投入されるという動きです。
北朝鮮はロシアと安保協力を行っていて、
既に多くの北朝鮮製の武器がウクライナの前線で使われていますが、
韓国は北朝鮮軍がロシア極東に移動したと発表し、アメリカも後に衛星情報で確認しました。

24日、ウクライナ国防省は、北朝鮮軍の最初の部隊が
ウクライナ軍が越境攻撃を行っているロシア西部のクルスク州に到着したと発表しています。
27日にも戦線に投入される可能性を指摘しており、
早速、北朝鮮兵に向けて「一日三食、肉入りの食事を提供する」などと投降を呼び掛けています。

既に3000人の北朝鮮兵が移動したとみられ、
韓国の情報当局は特殊部隊や工兵、砲兵など合わせて、
およそ1万2000人の北朝鮮兵が派遣されるとみています。
北朝鮮と対立する韓国、日本などの
極東アジアもヨーロッパの紛争に巻き込まれる可能性が一段と高まりました。

そもそも北朝鮮兵派兵の目的を考えると、
朝鮮戦争後、軍事作戦の経験を持たない北朝鮮が実戦経験を積むことにあり、
それはつまり、北朝鮮が周辺国に冒険的な行動をとる可能性が高まったことを示し、
極東アジアの安全保障環境を著しく悪化させる行為です。
朝鮮戦争再開の日は近いと思わざるを得ません。
日本にとってはますます
日米韓の安保協力ウクライナ支援の重要性が高まったと言えます。

不安定感を増す中東情勢

投開票前日の26日、2回目のイランのイスラエル直接攻撃に対する報復として
イスラエル軍はイラン領内の軍事施設をミサイル攻撃、4人のイラン兵死者が出ました。
事態のエスカレーションを望まないアメリカの顔を立てて、
核施設や石油施設を避けるなど、
イスラエルも今回は限定的な攻撃に留めました。

イスラエルは事前にアメリカに攻撃を予告、
イランもロシアのプーチン大統領から事前に攻撃を聞いていたそうですが、
果たしてこれで報復の連鎖は止まるのでしょうか?
バイデン政権は「これで交戦は終わりにすべき」と双方に自制を促しましたが、
イランがこれを甘受できるのでしょうか?

イランもイスラエルも
11月のアメリカ大統領選までは態度を保留するかもしれませんが、
イスラエルがハマスやヒズボラへの攻撃をやめる事はないでしょう。
そして、イスラエル軍がガザやレバノンから立ち退かない限り、
イランが挙げた拳を下すとも思えません。
イラン核合意を離脱し、エルサレムへの大使館移転を決めた

親イスラエル派のトランプ大統領が復活すれば
イスラエルは以前にも増してパレスチナへの迫害、侵略行為を進めていくでしょう。
来年以降、イスラエルとイランの全面戦争の可能性も否定できません。

自公大敗

27日の選挙の結果、裏金問題統一教会問題への逆風により、
自公が大幅に議席を減らし、
与党が過半数を維持できない状況となりました。
自民党は67議席減と大幅減ですが、なんとか第一党を維持、
公明党は8議席減で衆院第4党から第5党に転落、
そして、石井新代表が落選するという大波乱
池田大作名誉会長を失った公明党の著しい求心力の低下が
表面化する事態となりました。

野党は野田新代表の元、立憲民主党が50議席増と躍進しました。
一方で野党第一党を狙っていた維新は6議席減と遠のいてしまいました。
このように野党の中でも明暗が分かれました。
立憲は首班指名で野田代表に投票するよう他党に働きがける姿勢ですが、
立憲が共産党と袂を分かったように
野党も一枚岩ではないので立憲民主を中心とする政権交代はまだ現実的ではありません。

自公は連立維持を確認していますが、過半数に満たない少数与党のため、
安定的な政権運営を行っていくためにも野党協力が必須になります。
もはや一強多弱ではありません。
台湾や韓国と同じように第3党の維新、第4党の国民民主という
立場の近い第三極がキャスティングボードを握ることになります。
維新は与党入りを明確に否定しており、
自民党は議席を4倍に増やした国民民主党に連立に向けて秋波を送っています。

自民の小泉選対委員長大敗の責任を取って辞任
落選した公明の石井代表も近く辞任表明の意向です。
一方の石破総理は続投を表明していますが、
今回の選挙は自らの政権の命を縮めただけかもしれません。
「石破おろし」の動きも当然出てくるでしょう。
総裁選を戦った高市議員は離党の噂がありますし、
公認を取り消された安倍派の当選議員たちの動きも注視する必要があります。
来年の選挙まであまり時間がありません。

選挙が変わらなければ投票率も上がらない

選挙結果については国内で賛否様々な反応を見せていますが、
欧米からの視点では安倍長期政権以来安定してきた日本の政治の危機だとして、
日米同盟を基軸とした従来の外交路線からの変化を警戒しています。
まさに1月の台湾や4月の韓国の選挙と同じ状況です。
なんとなく予感はしましたが、ついに日本もこういう状況になりました。

日本が台湾や韓国と違うのは圧倒的な投票率の低さです。
「今回ばかりは自民党にお灸をすえたいが、特定の政党には票を入れたくない」
という考えから投票に行かなかったという動きも考えられますが、
民主主義の根幹を成す選挙に行かないというのは
国民の責任を果たしていないのと同じです。

また、韓国は大統領制、台湾も半大統領制を取ります。
東京都知事選で見られた石丸旋風も国政では吹きませんでした。
韓国大統領や台湾総統、東京都知事も有権者の直接選挙で決まります
総理大臣は国会議員による多数決で決まり、国民が直接選ぶことが出来ません
これも日本の投票率が低い一因でしょう。
必ずしも国民の希望通りの総理になるわけではない。
そして、総理大臣は大統領に比べて非常に弱い
大統領制では犯罪を前提とした弾劾裁判でもされない限り、
基本的に任期途中での解任がありません。
総理大臣自身は任期が設けられていませんが、
二院制による「ねじれ」、野党からの不信任決議案、
与党内の力学などから長期政権を維持するのが非常に難しい
また国会では「裏金」ばかりで大切な議論がされていない、
「もり・かけ」から何の進歩もしていないので
選挙をやっても何も変わらないと国民からも飽きられているのです。

投票率を上げるためには「裏金は許せない」という
怒りや悲しみと言うマイナス感情から投票を呼び掛けるのではなく、
国政政党は国民が前を向けるような明確な国家ビジョンを国民に示して、
プラス感情から選挙に行きたいと思わせるようにしなければ、日本の未来はありません。
それができないのなら韓国のように
選挙をイベント化して思考停止で踊り狂うしかありません。

政権基盤が不安定だと
ロシアや中国、北朝鮮などの独裁国家に対応できません。
国民民主、参政党、保守党などの保守政党が議席数を上げたのが救いです。
今回の選挙結果を受け、裏金問題は一つ節目です。
いつまでも裏金を引っ張るのではなく
国難を前にして挙国一致で対応していく必要があります。

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