東京都知事選2024。

お久しぶりです。
7月7日七夕の投開票となった東京都知事選ですが、
現職の小池百合子氏が当選3選という結果になりました。

小池都知事の3選自体は選挙前から予想された結果でしょう。
それよりも二位の石丸伸二氏の躍進が目を引く選挙戦でした。
まさに新聞やテレビなどオールドメディア
ネットやSNSなどニューメディアの戦いと言っていいでしょう。

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オールドメディアとの対決

Shinji Ishimaru 2024-7-6(2) (cropped)
石丸伸二氏
(出典:Noukei314

石丸氏は広島県安芸高田市長を務め、
「恥を知れ、恥を!」と語気を強めて居眠り議員をたたき起こし
偏向報道の中国新聞をやりこめるなどの手腕を見せ、
ネットでは一定の知名度があったのですが、
東京においては全くの無名と言える候補でした。
選挙戦当初、マスコミは小池対蓮舫の構図を描いて他の候補に情報を割きませんでした。

自民党安倍派の裏金問題を受けて
政党色を嫌った小池氏も蓮舫氏も無所属という立場で挑みましたが、
自民党出身で閣僚も経験した小池氏は
自らが特別顧問を務める都民ファ、国民民主都議連の支援に加え
与党系自公が相乗り、
立憲民主を離党した蓮舫氏も野党系の立憲、共産(オール東京)が後押し、
両名とも政党の推薦は受けないとしたものの、
既存政党の大きな組織票がありました。

石丸氏はそういった政党色が全くない候補でした。
今回の東京都知事選は総勢56名、過去最多の立候補となりましたが、
多くは話題集めの泡沫候補であり、
故・石原慎太郎元都知事が応援し
2014年都知事選に出馬経験のある田母神俊雄元航空幕僚長
安芸高田市長として政治経験がある石丸氏の二人が並んでメディアに出るぐらいで
従来の選挙を考えれば、
小池か蓮舫だろうというマスコミの判断も通じたところです。

立憲の誤算

安倍派の裏金問題以来、
4月の衆院三補選、5月の静岡県知事選など
立憲民主は共産党と手を組んで大型選挙に連勝を続けてきました。
さすがに現職の小池氏に簡単に勝てるとは思ってなかったと思いますが、
蓮舫氏は圧倒的な知名度を誇っており、
接戦を繰り広げて衆議院選挙への弾みにしようという魂胆だったでしょう。
しかし、ふたを開けてみれば接戦どころか
無名の石丸氏と2位を争い惨敗という結果でした。

蓮舫氏は小池氏が自民の応援を受けることをもって
終始自民批判を展開しましたが、
小池氏は過去に自民党にケンカを売って飛び出した身であって、
勝手に応援されてる団体の批判は的外れとしか言いようがありませんでした。
豊洲移転問題での小池旋風をトレスしようとしたのか、
明治神宮外苑の再開発事業を選挙の争点にしようと目論見ましたが、
これも不発に終わりました。

石丸氏はYouTubeなどSNSでの情報発信を行って
既存政党、政治屋を批判し、若者を中心に無党派層を取り込みました
小池は嫌だけと蓮舫はもっと嫌という層が多くいたと思います。
二大政党の対決の中から第三勢力が台頭したという点においては
台湾韓国の選挙とよく似ています。

石丸氏の今後

41歳の若い石丸氏には
れいわ新撰組参政党支持者の票が多かった点も注目です。
石丸氏はイデオロギー的な面があまり見えません。
共産党がついた蓮舫氏や保守色の強い田母神氏のような
思想がハッキリした候補でなく、
現状を変えてくれそうな期待感
リベラル・保守問わず支持を集めたのでしょう。
少なくとも蓮舫氏にはそれを感じさせるものはありませんし、
民主党政権の悪夢をみんなよく知っています。
田母神氏も保守層の支持はありますが、
年齢面と前回選挙の公職選挙法違反が警戒された節があります。
ほぼ無名と言っていい石丸氏の躍進によって
「2位じゃダメなんですか?」の蓮舫氏が2位にもならなかったのは痛快です。

現在、自民党の小泉孝太郎議員の小泉構文と並んで
相手を論破するような石丸構文がネットでおもちゃにされているように
その強めな切り返しから石丸氏は冷たい印象が前面に出て
テレビを見る年配層にはあまり受けがよくありませんが、
この強気の姿勢こそが強いリーダーシップを思わせるのでしょう。

石丸氏は今回の都知事選で大きく知名度を上げ、一躍全国区の顔となり、
国政進出が取沙汰される事態となっています。
都知事選前には維新の幹部と面会をしていたことが判明し、
与野党ともに警戒を強めています。
岸田総理の選挙区広島1区での出馬は確かに面白い選択だとは思います。
岸田政権は小池都知事の三選で
大型選挙の連敗を止めはしましたが、全く楽観できません。

インターネットを使った選挙

今回の都知事選は
12年ぶりに投票率60%台になった点を評価していいでしょう。
その台風の目になったのは石丸氏でした。
私自身は熱心に石丸氏を追っていたわけではないので、
石丸氏の政治家としての評価はここではしませんが、
ネットの声が無視できない状況になっていることは明らかでしょう。
石丸氏以外の小池氏、蓮舫氏、田母神氏、主要3候補は
選挙活動でYouTubeを積極的に使いませんでした。
立憲のみならず自民もこの結果には衝撃を受けています。

2019年にNHKから国民を守る党の立花党首が参院に当選したことを皮切りに
ネットを使った選挙活動やその効果に変化が現れました。
N国は「悪名は無名に優る戦略」
ヒールを演じ、数々の物議を醸してきました。
今回も都知事選に24人も候補者を送り込むなど奇抜な戦略をとりました。
ネットを使った選挙戦略、マスコミへの対立姿勢など
石丸氏と立花氏はよく似ていますが、
石丸氏は安芸高田市長として少なからず政治経験があることから
政治をエンタメ化するN国とは少し方向性が違うのでしょう。

一方で若者の大多数が石丸氏を支持し、
票をかき集めても勝てないという現実もあります。
若者は日本では圧倒的に少数派なのです。
しかし、そもそもが投票率が低い日本の選挙において
ネット投票が解禁されれば
ちゃんと投票すれば組織票にも勝つという未来も見えてきています。
「選挙に行こう」という呼びかけも年々強くなっていますが、
今後の選挙を大きく変えるきっかけになるかもしれない選挙だったと言えるでしょう。
石丸氏の今後の動向と共に
この流れが国政選挙にまで波及するのか注視したいと思います。

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